見出し画像

息子が急性散在性脳脊髄炎になって倒れた話 その後2

「急性散在性脳脊髄炎とは、予防接種やウイルス感染をきっかけとして、自己免疫が脳や脊髄を攻撃してしまうことにより発症するそうです。

今回、長男はインフルエンザの予防接種後でもありましたが、その後風邪の初期症状が出ていたこともあり、明らかな原因というのはわからないままです。」

「10万人に1人と言われる程稀な病気で、症状も個々で違いが大きいそうですが、その中でも長男の場合は発症から意識障害、呼吸停止までの流れが極端に早く、危険な状態だったと言われました。

先生方の冷静な対処と判断によって長男の生命は救われたと感じています。

本当にありがとございます。」

先生方は頷きつつ、口は挟むことなく真剣に話を聞きながら、私に先を促してくれていた。

「麻痺が残る可能性があると言われていましたが、入院して目覚めてすぐからリハビリを受け、後遺症は認められないと診断を受けています。

退院してからも注意して見ていますが、動きの左右差も無く、倒れる前と比べてできなくなったこと、というものもありません。

知能・運動どちらも発達は年齢相当と診断されました。」

「一番気になる再発ですが、発症から半年間再発が無ければ今回の病気は完治となるそうです。

ただ、この病気の『再発』は症状が同じでは無いことも多いと言われています。

今回同様に朝まではいつも通り元気だったのに突然倒れる、という場合ももちろんあるそうです。

しかし、脳・脊髄全域に起こり得る為、次回は視神経に炎症を起こし、突然『目が見えない』となる場合もありますし、脳ではなく脊髄に炎症が起こり、『足が動かず立てない』という可能性もあります。

これは再発してみないとわからないそうです。

また、今回急性期の治療としてステロイドを大量投与した関係で、現在もステロイド薬を服薬しています。

治療として朝晩2回服薬しており、しばらく服薬しても症状が出なければ朝1回のみに減薬予定です。

減薬後も一定期間再発や予兆が無ければ治療としての服薬は終了予定です。

ただ、長い間ステロイドを服薬していたことで体内で本来作られるべきステロイドが作られにくくなるそうです。

健康なときはあまり問題は出ないのですが、発熱時や寝不足など身体的にストレスが掛かってしまった場合に、体内で作られるステロイドが足りないと低血糖を起こしたり、血圧が低下して意識を失うこともあるそうです。

それを予防するために、治療で使用していた薬とは別の、体内で作られるものに近い成分のステロイド薬を必要最低限の量、1日3回に分けて服薬する予定です。

その際に、保育園でも昼食後の服薬をお願いすることになると思います。」

この時点で予定していた今後の治療の流れも含めて一通り説明をした。

いくつか質問などのやり取りをしたが、すぐに園長先生はにっこりと笑って、

「資料まで作って頂いて、ご丁寧にありがとうございます。

大丈夫よ。このまままたうちにいらしてね。

来週明けてからすぐ登園で良いかしら?」

と言ってくれた。

担任の先生も、うんうん、と頷いてくれた。

ホッとしたと同時にとても心強く感じた。





サポートしてもらえたら、嬉しいです😊寄付や家族時間の充実に充てたいなと思っています。よろしくお願いします!