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「台本を書くのが難しい。アドバイスを」という匿名相談に本気で答えてみる

 こんにちは。さわなです。
 先日、マシュマロに『pixivで台本を初めてみたいんだけど、難しい。アドバイスをください』と匿名相談がありました。
 その質問に対して本気で回答しようというのが今回の記事です。

 Twitterでは「難しいと感じる要因が分からないので頑張ってとしか言えないが、問題点を明らかにして障害を取り除いていけば道は拓けるはず」と回答しました。
 自分の中で終わりにしようと思ったのですが、質問者さんのことが気がかりでした。質問者さんが難しいと感じていること、悩んでおられることは推測するしかないのですが、深掘りして回答しようと思ってnoteを開きました。
 思い違いなどがあるかと思います。的確な回答にならないかもしれませんが、いくつか「難しい点」を挙げて私なりのを回答を公開していきます。
 同じように「台本書きたいけど難しい」と感じておられる方の気づきにもなれば嬉しいです。

難しい理由は何か?

 「難しい」って素直な感情だけど、漠然としていますよね。問題を解決するには難しいと感じた正体を何か明らかにしないと、対策が立てられません。問題点によって対策が異なるからです。

質問者さんで原因がわかっているかもしれませんが、マシュマロの文面からは分からなかったので、考えられるケースを推測していきます。勝手にすみません。

台本を書く際の障害とは?(推測)

 問題点を推測していくつか挙げていきます。

1.環境編
 ①書く時間が無い。
 ②書く環境がない。または不十分。
 ③投稿のやり方がわからない。

2.執筆技術編
 ④台本の書き方がわからない。
 ⑤書いてみたが思ったように書けない。

3.モチベーション編
 ⑥継続して書き続けられるか不安。 
 ⑦見てもらえるか、読んでもらえるか自信がない。
 ⑧読んでもらいたい人がいるのだが、台本作者が大勢いて厳しそう。
 ⑨需要と書きたい台本が一致しない。


ーーーーーーーー▼ ▼ 問題解決編 ▼ ▼ーーーーーーーーー

1.環境の問題解決

 ①書く時間が無い。
 ②書く環境がない。または不十分。
 ③投稿のやり方がわからない。

 環境の壁は大きいと思いますが、どんな環境や境遇でもやろうと思えばできてしまうものです。はじめは障害を飛び越えていくためにより大きなエネルギーが必要ですが、一度飛び越えてしまえば何のその。あとから「なんでこんなことで悩んでいたんだろう」と思うことでしょう。

①時間の壁
 時間は1分からでもよいのです。日常の中で創作に使える時間を捻出してチリツモで時間は作れます。私の場合は通勤時間や早朝起床してひとり時間の時を執筆時間やアイディア出しの時間に使っています。
 時間は「ない」と思うと「ない」だけで、「ある」と思えば「ある」んです。自分の日常や行動を見直して創作に使える時間を探しましょう。「やりたい」気持ちがあるなら、ほんの数分の時間(チャンス)しかなくても「やろう」と思うはず。「時間ができたらやろう」「暇になったらやろう」と時間のせいにしているとずっと始められないと思います。

②環境の壁
 インターネット環境はあるとして、スマホでも台本は十分に書けます。PC、タブレットがあると便利ですが、台本の文章自体はスマホのメモアプリで打ち込んでかけます。画面が小さいので見にくいけどスマホからpixivに投稿できるので、スマホさえあれば始められます!
 私からのアドバイスとしては、執筆データ(ソース)は一元管理しておくと効率が良いです。
 スマホのメモアプリに書いたり、紙にメモしたり、バラバラに書き込んでいるとアイディアが行方不明になってしまいます。紙に書いてから打ち込む執筆スタイルの方もいらっしゃるかもしれません。紙でもデータでも同じところに書きましょう。
 私は紙に書いてから打ち込むタイプだったのですが、通勤中が主な執筆時間になってからは手書きが困難になって効率も悪くなってしまい、直接データに打ち込むスタイルに変わりました。Googleドキュメントに台本のデータを置いて、ネット環境があれば場所を問わず続きから執筆再開できるし、メモも一元管理できるので重宝しています。
 ご自身の生活スタイルにあった書き方やツールを見つけてみてください。

③投稿の仕方がわからない壁
 投稿サイトの説明を読んでも実際にやってみないとわからないものです。投稿サイトは日々アップデートされており、新しい機能が追加されています。私はその度にやってみて試してみる派です。
 心配には及びません。一度やってみたらわかるし、不安は解消します。

大したことない回答ですみません。


◾️ ▶︎ 結論 ◀︎ ◾️
今ある作業環境でできることから始めてみよう!


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2.執筆技術の問題解決

 おそらく多くの方が感じる難しさかと思います。

 ④台本の書き方がわからない。
 ⑤書いてみたが思ったように書けない。

④書き方がわからない壁
 これまでさわなのバックヤード(このnote)でシチュエーションボイス台本や台詞、ボイスドラマ台本の書き方などを公開してきましたので共有しておきます。

▼シチュエーションボイス・台詞

▼ボイスドラマ

 上記の記事は今まさに書き始めようとする方には足りないことがあるので補足していきたいと思います。主にシチュエーションボイス台本に言える難しさについて。

・ ・ ・

【難しさ その1 : ひとり語り台詞を書く】
 これが最大の難関なのではないでしょうか。
 会話は相手とのキャッチボールで成り立っています。シチュエーションボイスはその相手が聴き手(リスナー)で、リスナーに対して語りかける形式の台詞です。リスナーは喋らないけど、推し量るような台詞を入れつつも読み手が話を進めていく。
 リスナーは共感できるのだろうか? ちゃんと会話になっているのだろうか?
 そう考え出すとどちら視点で台詞を書いたら良いのやら、話を進めれば良いのやらで混乱してきます。

【ヒント : 設定をしっかりさせよう】
 すべてのリスナーが共感する台詞、当てはまるような台詞、ボイスに没入できる台詞がベストですが、セリフの選択肢が増えてとても書きにくくなります。
 好みが分かれるかもしれなけど、設定や状況を限定的にして書くとブレずにけるし、台詞も浮かんでくるかと思います。
 (台詞を)喋っている彼(彼女)の視点や軸(性格や設定)がブレないように書いていくのが最大のポイントです。

【ヒント : まずは自分が言ってみたい。言われてみたい台詞から書いてみよう】
 女性向けシチュエーション台本を女性作者が書く場合、男性になったつもりで台詞を書くパターンとリスナー側の立場で男性に言ってもらいたい台詞を書くパターンがあるかと思います。(その逆も然り)
 台詞が浮かばない時は作者のあなた自身が語り手側またはリスナー側としてシナリオの中に感情移入できていないか、俯瞰でシナリオに没入または現状把握できていないのでしょう。
 難しいと思ったら、感情移入しやすいキャラ設定を作ってみてください。初めは自分自身をシナリオの中に投影しても良いかもしれません。自分が没入できれば台詞が浮かんでくるし、天然温泉のように湧いてくるかと思います。

【ヒント : 短い台詞から初めてみよう】
 千里の道も一歩から。だいたい1000字分で5分程度のボイスになります。
 いきなりそのボリュームが難しくて行き詰まるならひとこと台詞から始めてみましょう。今は140字(1ツイート分)台詞も需要があります。
 ひとこと台詞の積み重ねと(リスナーとの)会話のキャッチボールでひとつのシナリオが完成します。短めだと少しハードルが下がり書けそうな気持ちになりませんか?
 特にひとこと台詞は1ターンで終わるので、ふたりが置かれている状況設定や人物像など詳しく固めなくても書けます。
 浮かんだ台詞を書いて、それを積み重ねていきましょう!

【ヒント : 詩から始めてみよう】
 台詞を書くのが難しいなら、自分の感じたことを詩にして文章を書くところから始めてみましょう。
 想像したことを文章で表現するのは難しいことだと私は思います。
 自分の考えていることや思ったことを文章にすることさえ難しいのに、ある設定やシチュエーションの自分ではない人物の台詞を書くってとても難しいです。
 まずは自分が思ったこと、感じたことを文字化する習慣をつけ、短文でも書くところから始め日々訓練していきましょう。書けば書くほど上達します。

・ 

【難しさ その2 : ト書きの入れ方】
 台詞だけでは伝わらない状況説明や演技指示(キャラクターの感情や状態)をト書きで書きます。書き方の形式やどこまでト書きを書くべきなのか……。
 書き方、形式に悩んで中身を書き進められないのはもったいない!

【ヒント : 他の台本を見てみよう】
 人の書き方を参考にしてみるのもひとつです。自分に合う書き方を探してみましょう。
 Twitterやブログなどで演者さんが「こういう書き方をしてくれると分かりやすい」などの記事も参考に積極的に取り入れてみるとよいでしょう。

* * *

⑤思うように書けない壁
 書いてみたけど、うまく書けない。納得できない。
 初心者じゃなくても抱える悩みであり、ぶち当たる壁であると思います。

【思うような文章にならない。言葉が出てこない】
 文章表現を知らないと言葉を巧みに操れません。シチュエーション台本は日常会話で良いと思っても、自分のレパートリーに無い言葉や言い回しはなかなか出てこないものです。他人の口癖や会話を参考にしたり、本を読んで言葉を補充したり、インプットが大事かと思います。

▼言葉を増やしていくヒント

【アイディア、ネタがない】
 アイディアが浮かばす書きたいのに書けない。その苦しみは初心者・経験者に関わらず常につきまといます。書きたい時に書くのが一番ですが、そうもいかない時も……。
 「面白いことはないか?」「使えることはないか?」
 日常的にアイディアを見つけていく癖つけやアンテナを張って、来るべき時のためにネタを蓄えることも大事かと思います。
 ネタ探しについてはこちらを参考にしてください。

▼アイディア・ネタ探しのヒント

 ⑤の壁については日々鍛練して長い目で取り組んでいくことなので、納得できなくても諦めずこつこつと続けていきましょう。


◾️ ▶︎ 結論 ◀︎ ◾️
自分が書けそうな設定やジャンル、書きやすい文章形態から始めてみよう!
アイディア探しや文章技術は日々コツコツと。書かないと上達しない!


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3.モチベーションの問題解決

 ⑥継続して書き続けられるか不安。 
 ⑦見てもらえるか、読んでもらえるか自信がない。
 ⑧読んでもらいたい人がいるのだが、台本作者が大勢いて厳しそう。
 ⑨需要と書きたい台本が一致しない

 問題解決というより心構え的なものになります。なぜ台本を書くのか(創作するのか)自分の中に軸があると続けられるし、原動力になります。

⑥継続して書き続けられるか
 続けられるか不安なのは誰でも一緒。長く続けてきた人もそうじゃない人も環境変化や心境の変化、好みの変化である日突然ぱたっと筆が止まってしまう恐れは誰だってあるんです。
 大事なのは書き続ける理由。書きたいから、書くのが楽しいから。そう思う限りは続けられると思います。

⑦⑧台本を見て(読んで)もらえるか
 結果は後からついて来るもので、初めから期待できるものではありません。⑦についてはしょうがないところ。
 他人からの評価は自分でコントロールできないので考えるだけ気苦労になってしまいます。評価されるのは嬉しいけど、それが目的ではないですよね。書きたいから書いているのなら、自分が納得するものが書ければ満足。その心持ちが一番です。
 台本を書くきっかけが推しの存在だった方もいることでしょう。⑧を目標のひとつにするのも良いでしょう。
 それでも書く理由とすり替わらないようにしましょう。推しに読まれたい目標と書きたい理由が一緒だと、読まれないうちは報われない気持ちを抱えたまま書き続けることになります。それはとても苦しです。
 創作の楽しさ、作る楽しさがあってこその台本なので、きっかけはきっかけで大事にしつつ自分は自分でやりたいことを見つけて追求しましょう。

⑨需要と書きたい台本が一致しない
 需要って何? 美味しいの? という気持ちでやるのが一番です。確かに人気シチュエーションがあって、よく読まれるシチュ台本があります(ヤンデレとか添い寝とか看病とか)。
 そのジャンルを書けば目に止まる機会も増えるけど競合が多いのも事実。逆にニッチなジャンルだと目に止めてもらえないことも。結果どっちもどっちなんです。
 書きたいものを書いた方が何倍も楽しい。実際ニッチなジャンルでも好きな人はいるわけで、少人数だけど熱狂的に好きな人に見て貰えた方が深く作品を愛してもらえます。


◾️ ▶︎ 結語 ◀︎ ◾️
書きたいから書こう! 楽しく書こう! 自分が好きなものを書こう!


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最後に

 以上、私が推測する台本制作の障害と解決方法についてまとめてみました。お役に立てれば幸いです。
 質問者さんの悩みは推測するしかなかったのですが、見当違いなことを扱っていたらすみません。少しでもヒントが得られますように!

 今回は文頭を字下げをしてみました。ブログという形態なので書き方にはこだわりなかったのですが、読みやすいかなと思って試してみました。


〜最後まで読んで頂き、ありがとうございました〜


ーーーーーーーーー Information ーーーーーーーーー

こちらは音声作品向け台本執筆活動をしている“さわな”が思ったことを徒然に語る場所です。不定期更新です。
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