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自作発言、納品後スルー…台本トラブルの対策~自身の作品を守る方法について考えよう~(前編)

こんにちは。さわなです。
今回はすごく大事なお話です。
私は今年で音声向け台本を書いて4年になります。自分が体験したことや感じてきたことを発信し、活動者の皆さまの経験値にしてもらいたいと思っています。今回もお役に立てればと思い、非常に(ある意味)センシティブな話をしていきます。
よろしければ前後編お付き合いください。

台本トラブルについて考えていこう

この界隈で見かける、台本自作発言、納品後音声化されない(納品後スルー)などの問題について考えていきたいと思います。あくまで台本を書く側の視点による記事です。
前編は自作発言や不当な利用などから台本を守る方法について書いています。

この記事を書くきっかけ

最近、音声からの台詞書き起こし転用等の問題があったことを知り、改めて著作権や自身の台本を守る方法について考えていきたいと思いました。
以前から台本に関するトラブルは目撃しており、私自身もトラブルに遭遇したことがあります。自身の体験も混じえ、台本を守る対策について考えていきます

ネットに公開した時点で悪用されるリスクがある

私がpixivで台本公開場所に選んだ理由は過去記事(『私の台本ことはじめ』)の通りです。
他人の目に触れるところに置けば、盗まれたり悪用されるリスクはゼロではありません。音声・動画の無断転載、イラストの許可外使用、なりすましによる作品発表など、盗作・悪用は実際に目にするところです。
一番安全なのはメールかダイレクトメッセージ(または同等の手段)で第三者の目に触れることなく作品を見たい人に届けることです。
台本を例にすれば、フリー台本とせず直接声活動者さんに送ること。安全ではあるけど、事情があって音声にならなければ台本はお蔵入りになります。
自分の作品を多くの人に見てもらいたいなら、ネットに公開するのが一番でしょう。
ただ、公開した時点でリスクはつきものです。

悪しき行為は自作発言

これに尽きると思います。
商業で作家活動されている方はもちろん、同人やネットで活動している方まで、趣味の範囲であっても、ほぼ全ての方は著作権を放棄していません。
「私が作者」は創った人が名乗れる特権です。
個人が書いた作文に対しても著作権はあります。当人から生み出された知的財産は当人以外が無断で不当に利用してはいけません。
たとえるなら自作発言は、学校の宿題を誰かにやってもらうまたは誰かの解答を書き写し、最終的に自分がやったことにして提出するようなものです。
恥ずかしいことだと思いませんか?
他人の努力を横取りして自分の功績にする行為なのです。作者はちっとも面白くありません。損しかありません。

自作発言に遭遇した場合どうするか

まずは当人にメールなどの手段で抗議するのが第一段でしょう。
大きなトラブルに発展した場合は弁護士等を介して抗議することになるでしょう。お金がかかるため、難しい場合は個人間で解決することが多いかと思います。

私が目撃した対応例です。(経緯や自作発言の内容については省略)

Twitterで自作発言された事実、当人のアカウントを公開し、拡散してもらう。本人にも抗議して、最終的に転載されていた自作発言作品を取り下げさせた
作者が使用を許可していないものを無断使用され、弁護士に相談(その後は弁護士を介して抗議?)

台本を守るためにどうするか

自作発言をわかっていてしている人、利益を出すために他人の創作を不当に利用しようとしている人は悪質です。どこに行っても悪質な人はいるので、闘っていかねばなりません。
中には無知によるケースもあると思うので、知らず知らずのうちにマナーやルールを違反してしまう人をどれだけ減らせるかも肝だと思います。作者側、利用する側が啓蒙活動し、無知や心無い人達のモラルを高めていくしかありません。
利用規約に守ってほしいことを書くことも作者が台本を守る方法です。予め書いておくことで防止にもなりますし、規約違反を見かけた場合に相手に抗議の参考資料として提示できます。
共通しているのは自作発言はダメだということ。これは根本です。
どのようなケースがダメな事例にあたるのか、声活動者が台本を利用する・声活動者に送る場合を例に考えていきましょう。

何がダメ?ケーススタディ

やって良いことダメなことをケーススタディでまとめてみました。

◾️声活動者BがAの台本を利用し音声投稿

◯「Aさんの台本」と分かるように動画概要欄などに記載

これがベター。嬉しい。(作者によって掲載希望情報は異なる)

◯(△)「フリー台本」と分かるように動画概要欄などに記載

作者の利用規約によるため、要確認。「自作発言と受け取られなければ無記名でも良い。フリー台本と記載してくれれば良い」などであればOK

△(×)「フリー台本」または「Aさんの台本」など動画概要欄に情報がない

自作発言はしていないが、記載がない場合は声活動者のアドリブや自身が書いた台本と受け取られる恐れがある。(周囲がそう受け取ったことがコメントなどからわかると作者は良い気分ではない)作者の利用規約に従うか、「フリー台本」である旨を記載し「自身のアドリブや自身が書いた台本ではないこと」が伝わるようにするべき。

×「アドリブ」「自分が書いた台本」「オリジナル台本」など動画概要欄に記載

アウト。自作発言です。絶対ダメ。

×「Aさんの台本」と分かるように動画概要欄などに記載し、台本の本文も概要欄に載せる

これ、実際に遭遇しました。「やめてください」と伝え、台本本文の掲載を取り下げてもらいました。自作発言はされていないものの、無断転載に当たると思います。台本を参照するなら掲載元を見てもらいたいので私は嫌です。作者以外が許可なく他のサイトに転載するのはNGです。

◾️Cが声活動者Bに台本を送る

◯「Aさんの台本です」と声活動者BにAの台本リンクを送る。

これがベター。嬉しい。リンクを送ることでAの台本と証明される。

△(×)「Aさんの台本です」と声活動者BにAの台本をコピーしテキストを送る。

自作発言はしていませんが、台本コピー&ペーストされた時点でテキストで改変される恐れがあるので、嫌がる人もいます
サイトの閲覧数に繋がり作者が喜ぶので掲載先を教えるのがベターです。

×「私が書いた台本です」と声活動者BにAの台本をコピーしテキストを送る。

アウト。自作発言です。絶対ダメ。

×「台本送ります」と声活動者BにAの台本をコピーしテキストを送る。

「私が書いた」発言はありませんが、受け取ったBさんは送信者が作者と思うでしょう。自作発言と同等だと思います。(その後説明があれば違うのだろうけど、改変される恐れがあるテキスト送付はよろしくないです。)

私が思いついたのは以上ですが、他のケースがあればご意見・コメントお寄せください。
整理してみると、グレーなところがありますよね。
台本の扱う時は作者の利用規約を確認しましょう。利用する側は作者と引用元を明らかにしておいた方がトラブルを防げます。

音声を台本に書き起こすのはダメ

前置きで語った、許可なく音声から台本を書き起こすというケース。私はNGだと思います。
台本をコピー&ペーストしてテキストにすることや、イラストの線画をトレスするようなもので多くの作者が嫌がることです。それを他人に渡すことは海賊版を作って第三者に渡すことと同じで許される行為ではありません。さらに自作発言していたらもっと悪質です。

台本のコピー&ペーストについて補足です。
台本を利用して音声を録る際に投稿サイトのアプリ画面やブラウザからだと見にくい(読みにくい)から、テキストに落として読む方もいらっしゃるかもしれません。私の場合(私の台本について)は問題ないと思っています。あらすじが変わらない程度の改変も許可しているので、利用するためにテキストエディタで編集するのは問題ありません。要は音声投稿する本人が音声を収録するためにテキストにするのは問題ないです。それ以外の目的でのコピー&ペーストは控えて頂きたいです。
オフラインで勉強のために台詞書き写すのは良いか?悪いか?疑問が頭を過りましたが、論点からずれるのでいずれ考えていきたいと思います。

ここから先は私の推測です。真実ではないのでご承知おきください。
フリー台本がこれだけ充実していると、公開されている音声はフリー台本を使ったものであると思われるのでしょうか。(フリー台本を使った音声もあるし、その音声オンリーのオリジナル台本も存在します)
繰り返しになりますが、創作物には著作権があります。
動画概要欄で台本やイラストの引用元や著作者を確認したでしょうか。音声や動画に使用されているイラストが良いなと思っても、横流しで使用してはいけません。フリー素材を使用してるのか、それなら作者は誰か、その引用はどこか、概要欄から確認しましょう。
フリー台本使用なら、書き起こすのではなく掲載元のURLを紹介する。
オリジナルなら、投稿者とその関係者が制作したもので、当人以外の利用は厳禁です。

私が見かけたケースですが、音声動画にこの音声の台詞は台本はフリーです。と概要欄に台詞を載せている声活動者さんもいます。その場合の利用は問題ないと思います。(ただし、利用規約は要チェック)

「この音声動画いいな。Bさんに読んでもらいたい」と思ったのなら、概要欄で作者をチェックしてフリー台本ならURLをオススメしましょう。それならみんな幸せです。

利用規約はマストで確認!作者は規約を明示する!

利用規約というキーワードを何度か出しました。今回の要点です。自作発言問題はモラル問題でもありますが、今一度「利用規約を見ましょう」と強く言いたいです。

台本をはじめ創作物を扱うときのお願いです。
「自作発言しないで」は共通していますが、利用にあたっては自分の経験や他人の行動を尺度にするのではなく、利用規約を確認しましょう。作者によって許容している範囲は異なります。
あとは音声動画の概要欄は目を通しましょうね。
ネットにあるものは全て自由にして良いものではないのです。使って良い物と使ってはいけない物。正しい使い方と間違った使い方があります。それを理解して扱うことが大事です。

自身の台本(作品)を守るために、作者の皆さんは利用規約(約束事)をしっかり明示していきましょう。

次回に続く(次回予告)

区切りが良いので、ここで記事を終わりにします。話は後編に続きます。
私の事例を含めて自作発言や台本転用の背景について考察、提出後スルー問題の対策について考えていきたいと思います。

〜最後まで読んで頂き、ありがとうございました〜


ーーーーーーーーー Information ーーーーーーーーー

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