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ごはんが繋ぐ、ほかほかストーリー!! デリシャスパーティ♡プリキュアの感想

2023年もよろしくお願いします。

初の記事はデリシャスパーティ♡プリキュアの感想です!
下の子供はプリキュア世代。最近じっとアニメを観れるようになったので、冬休みにAmazon primeでイッキ観しました。
子供に見せるつもりが、私を含め家族で夢中になってしまいました。特にヒーローを卒業した小学生のお兄ちゃんが食いついたのが意外でした。

デリシャスパーティ♡プリキュアですが、完結に向けてクライマックスに差し掛かったところです。1/8に年始の放送があるので楽しみです。

私が思う今期プリキュアの紹介文は
ごはんが繋ぐ、ほかほかストーリー
です!

私の感想文の柱です。

  • ごはんが軸だから、大切なことがストーレートに伝わる

  • ごはんにまつわるエピソードから人物像や思い出が見えてくる

  • ごはんはみんなで楽しく食べよう!敵対勢力ブンドル団との対比

  • 個性的なキャラ立ちと少女たちの成長

  • プレシャス(主人公:ゆい)の原動力になっているおばあちゃんの言葉

  • プリキュアの協力者達。男の子戦士の誕生

  • 観ているとお腹いっぱいごはんを食べなくなってくる

この柱に沿ってデリシャスパーティプリキュアの感想を語っていきます!


ごはん(食事)が軸だから、大切なことがストーレートに伝わる

ごはん、特にお米って美味しいですよね。ほかほかごはんにお味噌汁。ごはんのお供があればたくさん食べられちゃいます。
生きる上で欠かせない食事。それをテーマにしているので、色んな人に届きやすい。みんなでワイワイ楽しく食べる楽しみ、美味しいと感じる心。みんなが当たり前に持っていて経験している感情を描いてくれているので、当てはまりやすい。主題はしっかりと心に届きました。

そして、プリキュアの敵対勢力はみんなの大切な食事を脅かす存在、ブンドル団です。彼らがレシピを奪ってしまい、料理が不味くなったり、料理の存在が無くなったり、みんなの食事が奪われてしまいます。
生きる上で欠かせない食事。大切な思い出や美味しいという感情を奪ってしまうブンドル団からレシピたちを守るわかりやすい構図になっています。
プリキュアが闘う理由がすごくストレートでわかりやすいです。


ごはんにまつわるエピソードから人物像や思い出が見えてくる

毎話、食べ物に関する話題が登場します。
夫との思い出のしらす丼、食事をおろそかにしてはいけないと思い知らせてくれたホットドック、今は亡きおばあちゃんの味。

好きな食べ物やその食べ物にまつわる個人の思い出から、その人がどんな人生を歩んできたのか感じ取れます。食に物語あり!
自分にまつわる食事の思い出も振り返りたくなります。

食べ物を絡めたエピソードの入れ込み方、表現がとても素晴らしいと感じました。(クリエイター視点の感想)


ごはんはみんなで楽しく食べよう!敵対勢力ブンドル団との対比

プリキュア勢のごはんエピソードはどれもキラキラ輝かしく、炊き立てごはんのようにほかほかと暖かいものばかりです。「みんなで一緒にいただきます」のシーンも登場し、食事は楽しい、美味しいという印象を与えてくれます。それがすごくいい。

一方で、ブンドル団。好き嫌いが多いためみんなで食事を囲むことが苦手な団員、料理が苦手な団員など、食事に良い思いをしていない人物が集まっているのがブンドル団です。

好き嫌いやアレルギーで食べられないものがある。料理が苦手で思ったように料理ができない。綺麗事だけでなく食事に対するマイナス要素も描いています。
ブンドル団がしていることは許せないけど、共感できることがあるから真っ当に憎めない存在です。

食べられないもの、あるよねぇ。それが食卓にバーって並んでいたら、確かにげっそりしてしまうし、楽しくない。
悪い奴にも事情がある。ブンドル団にも寄り添ったエピソードを入れているところ好き!です。


共感性があり個性的なキャラ立ち

クリエイター目線の感想ですが、子供向け作品はキャラクターがわかりやすくていいですね。

今期プリキュアのキャラは

  • 天真爛漫女子

  • クールなお嬢様女子

  • 不思議系女子

  • 紳士で正義感溢れる女子

この4人メンバー。歴代主人公は男の子向け作品主人公のテンプレである正義感に満ち溢れた無鉄砲タイプか、天真爛漫で無邪気で他のキャラクターよりも子供っぽい印象の子が据えられることが多い気がします。今期プリキュアの主人公、ピンクのキュアプレシャスこと“ゆいちゃん”のタイプは後者です。
紳士女子もプリキュアではよく見られるキャラパターンで、語尾が男の子みたいなかっこいい女子です。
シチュボ台本はキャラ立ちが重要なので、すごく参考になります!(クリエイター目線)

共感性がある。と言う話題について話します。
青のイメージカラーのキュアスパイシーこと“ここねちゃん“と黄色のキュアヤムヤムこと“らんちゃん”の2人についてです。

ここねちゃんはお嬢様という家柄のため、高嶺の花扱いされ、気軽に話しかけてくれる生徒がいませんでした。ゆいちゃんと出会うまでは常にひとり。そのため、「同級生と何話したらいいのかわからない」「ひとりでいる方が好き」と拗らせ、孤独を謳歌していました。
ゆいちゃんたちとの出会いやプリキュアとしての活動を通して、誰かと時間を共にすることの楽しさを実感し、心が変わっていきます。
その成長も微笑ましいのですが、仲良くなる過程で、「お友達の呼び名について悩む」「勝手に自分ばかり喋りすぎていないか気にする」「言い方がキツくないか気にする」壁にぶち当たります。
ひとりでいる方が気楽という感情から、お友達との距離感に悩む様子に「わかるわ〜」と共感です。
そして、スパイシーの名乗り台詞「分け合う美味しさ焼き付けるわ」こそ、誰かと時間を共有することを経験し成長したここねちゃんと繋がる言葉になっているのです。深い!

一方、らんちゃん。彼女は天然不思議系女子で、言動や語尾も変わっています。
ちょっと変わっている彼女は、他人からどんな目で見られているか気にしていないのかと思いきや、実は人目を気にすることがありました。それは食べ物に対する熱い想い。好き故に、誰かと共有したい・伝えたい気持ちが強すぎて、お友達に熱い思いをマシンガントークで喋ったら、当時の友達がドン引きするという事件をやらかします。そこで、「私って変なのかな」と思ったらんちゃんは友達との食べ物語りを封印し、SNSで熱い想いを綴ることになります。
他者との価値観の違いに気づき、「自分って変?」と他人を気にすることはありますよね〜。実生活で自分の好き語りをするときは相手に重くならないか悩んだり。切実にわかる!
ヤムヤムの名乗り台詞「美味しいの独り占め許さないよ」には、らんちゃんの生き様が表れています。深い!

以上、2人の悩みを例に挙げました。思春期の悩みは他人(特に大人)からしてみれば小さい悩みですが、本人からすれば超重大な問題なんですよね。そこを大切に、等身大の気持ちを描いているから共感性を感じるんだと思いました。

緻密な表現に拍手でした!!(クリエイター目線)


原動力になっているおばあちゃんの言葉

主人公キュアプレシャスことゆいちゃんが言っている「ごはんは笑顔」は今は亡きおばあちゃんの言葉です。
作中でも度々登場するのですが、本質をわかりやすい言葉で表現しています。

「人も味噌も合わせた方がうまくいく」と、協調性の大切さや、違うものが合わさることで未知のパワーが生まれたりすることを伝え、

勉強する理由は「お母さんが普段炊いているごはんを想像してごらん。どこで誰がどんな思い出作ったか想像したらもっと惜しくなるだろう」と、自分の想像力を広げ、人生に深み与えるためと説きました。

おばあちゃんの知恵袋とよく言ったものです。
どれも暖かく心に染み入ってくる言葉です。心に響いて、懐にふっと落ちて、身になっていくようです。


プリキュアの協力者達。男の子戦士の誕生

シリーズ作中でも欠かせないプリキュアの協力者たち。お父さんにもお母さんにも学校の同級生にも自分がプリキュアであることは秘密です。でも、その唯一の秘密を共有し、サポートしてくれる存在がいます。

プリキュアになる力を授ける異世界からきた生き物、マスコット的キャラクターが多いですが、今回は人型、いや、人間キャラクターが登場!非常に珍しいです。

ローズマリーという名の青年です。彼の様相はジェンダーレス。体格から男性とわかりますが、化粧をしており、言葉遣いも女性的です。
…これも時代!!オネエキャラという色モノ扱いはされていません。

もうひとつ、衝撃的だったのが、男の子戦士ブラックペッパーの誕生です!
プリキュアという位置付けではないのですが、変身して戦う男の子は初ではないでしょうか。
(HUGっとプリキュアの単話限定で男の子のプリキュアが誕生したと話題になりましたね。今期はプリキュアという扱いでないようです)
この戦う男の子戦士、私にとって非常に思い当たる節が…

タキシード仮面様(セーラームーンより)やんけ!!

キャラデザというか衣装もタキシード仮面にインスパイアされていると確信するし、ブラックペッパー初回登場時に正体を隠してプリキュア達を陰から援護する立ち振る舞い…。

タキシード仮面様やんけ!!(2回目)

しかもブラックペッパーの正体はゆいちゃんの幼馴染(1歳年上)の拓海くん。ゆいちゃんに想いを寄せているのに、ゆいちゃんは色気より食い気が勝っているので拓海くんの恋心に気づかず。思春期の拓海くんも素直になれずに愛だの恋だの俺には関係ないとツンツンしています(いわゆるツンデレ)。
なので、いつもすれ違っています。すれ違いと男の子が抱く恋愛感情のモヤモヤは大好物!!
見ていてとってもお腹いっぱいになります。(ごちそうさまです)

ブラックペッパーがプリキュアとは違う立ち位置と言った考察です。
プリキュア達は浄化技という、悪い心を退散させる力を持っています。この力があるからこそ、守りたい人も悪者も救済されます。
力勝負ではなく、心で戦う。それがプリキュアの醍醐味でもあります。
ブラックペッパーはこの浄化技が使えず、物理攻撃しかできないので、プリキュアとは同列ではないのです。浄化でしか救われない敵にはプリキュアの力が欠かせません。


<まとめ>観ているとお腹いっぱいごはんを食べなくなってくる

食べ物をテーマにしているだけあって、食べ物の描写が丁寧です!
バーベキュー焼け具合とか、オムライスのふわとろ感や、サンドイッチやスウィーツの彩りなど、作画コストはかなり高め。
観ている最中から食欲がわいてきます。

さて、プリキュアの感想もそろそろまとめに入ります。私が感じたことのまとめです。

  • 大切なことをわかりやすく伝えてくれるお話

    • ごはん(食事)の大切さ

    • ごはんには思い出が詰まっている

  • キャラが立っている

    • 様々なタイプのヒロインキャラ(一人称や語尾も違う!)

    • ジェンダーレスキャラの登場

    • ブンドル団(敵対勢力)にも戦う理由がある

    • 男の子戦士の誕生

  • 散りばめられた緻密な表現が味わい深い

    • 食事をめぐるエピソードに人生を感じる

    • おばあちゃんお言葉に納得

    • 思春期少年少女たちの感情描写が丁寧

そして、一番大切なことは

美味しく楽しくご飯を食べよう

ってこと!

プリキュアに浄化された悪者が「おなか、いっぱ〜い」と幸せに召されるように、デリシャスパーティ♡プリキュアはごはんを食べる大切さと喜びを教えてくれるほかほかストーリーなのでした!

きっと、観たら美味しいごはんが食べたくなることでしょう。


余談

プリキュアオールスターズの映画が地上波でやっていたので観たのですが、すごい熱量でした!

歴代のプリキュアが勢揃いし、それぞれが技を繰り出す見せ場は圧巻でした。見せ場のシーンはひとつながりの音楽だけど、歴代プリキュアのテーマソングの編曲メドレーになっていて、往年のプリキュアが耳馴染みの良い当時の テーマソングで技を繰り出す胸熱演出でした。
初代プリキュアから今年20年ですから、当時プリキュアを観ていた女の子達は大学生や高校生になっていると思うと感慨深いですね。

お兄ちゃんが仮面ライダーに夢中だった頃、レジェンドライダー集合する映画を観て、ライダーを観て育った少年たちに想いを馳せておりました。

子供達が大きくなっても、ヒーロー・ヒロインが自分を支える存在であったら素敵ですね。

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