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死を選択したうちの子(創作キャラ)達


 今回のバックヤードは『死を選択したうちの子(創作キャラ)達』と題して、想い入れ深いキャラ達を語っていきます。私が創作したキャラクター、いわゆる“うちの子”が対象です。

なんと言ってもあの海賊台本!

 私が台本担当として参加していたPandoraVoXというボイスアクターユニットの作品になります。どちらも同じ世界線・登場人物のシナリオで8話合わせて完結です。各々一部、二部という位置づけで続きものになります。
 『海賊に囚われて』全4話
 『海の秘宝をめぐる死闘』全4話

▼再生リスト(キャスト違いバージョン含む)

▼あらすじと登場人物
 ヒロイン(リスナー)が海賊船に囚われ脱出をするところまでが『海賊に囚われて』。海賊に奪われた宝石(秘宝)を取り返しにいき、ヒロインや登場キャラの過去や秘密や謎が解ける『海の秘宝をめぐる死闘』の二部構成になっています。

 登場人物は以下4名です。
・ヒロイン:リスナーが没入できるように喋らない
・エリック:正義感強い青年(やや少年寄り)
・ロベルト:海賊船の船長
・アンリ:海賊。船長の右腕
 その他、物語を盛り上げる端役も存在します。

 詳しいあらすじはこの辺にしておきます。ストーリーが気になる方は是非ボイスドラマをご視聴ください!絶対楽しいよ!

* * *

本題に入る前に…

 さて、ここからが本題です。創作キャラの死ネタに触れる目的で書いた記事なのでお許しください。
 見たことない人はネタバレになってしまいすみませんが、アンリは自ら死を選択します。ロベルトも闘いの果てに死を覚悟します。彼らのお話をします。
 彼らの最後の台詞は私にとって、とてもとても大切な台詞です。

▼台詞は『海の秘宝をめぐる死闘』最終話からの引用です。


「終わり方は自分で決めさせてくれ」

アンリ「生き方は決められなかった。せめて終わり方は自分で決めさせてくれ」(『海の秘宝をめぐる死闘』第4話より引用)

 望まない運命に翻弄され、望まないことを強いられて生きるしかなかった彼の最後の決断。それは自由に死ぬことだったのかなぁと、振り返ってそう思います。
 アンリがこれまで歩んできた人生を想像したら、彼は私の頭の中でこう言ったんです。銃弾が彼の頭を貫き、海に散る映像が浮かびました。

 アンリを止めようとするエリックとの会話も涙涙です。(自分で書いていてね泣いちゃうのですよ)
 死生観がまったく異なる二人はどこまでも平行線。それでも最期の瞬間は分かり合えた。アンリがエリックに贈った感謝の言葉、

アンリ「ありがとう。お前には救われたよ」(『海の秘宝をめぐる死闘』第4話より引用)

にはプライドでずっと言えなかった本心だったのだろうなと思う作者でした。


「お前のような…海賊にはなれなかった」

ロベルト「お前のような…海賊にはなれなかった」(『海の秘宝をめぐる死闘』第四話より引用)

 恨みを晴らすようにボスに牙を剥くアンリと決闘し、散っていくロベルトが語った言葉です。敬愛する海賊を想い、自分と重ねます。満たされない虚しさと共に語った後悔が込められています。

 過去の悲しい出来事をきっかけに、生や己の欲に執着して生きていたロベルト。自分が認めた男に「殺されるなら本望」と思っていたのでしょう。

ロベルト「お前に…殺されるなら…本望だ」(『海の秘宝をめぐる死闘』第四話より引用)

 自分を止めて欲しかったのかもしれない。最後まで欲のために生き、決闘の果てに命を落とす。彼は自分の威厳を保つそんな終わり方を思い描いていたのかもしれませんね。アンリを煽って彼の一撃に全てを委ねたロベルトなのでした。


「また新しい旅の目的を探そう!君と一緒に!」

エリック「また新しい旅の目的を探そう!君と一緒に!」(『海の秘宝をめぐる死闘』第四話より引用)

 一方で生き残った側、エリックの台詞です。前向きで行動力があるエリック。彼だったらこんな最後で締め括るだろうなと思ったものです。
 自分にも人に誠実に、清く正しく生きる彼のキャラクターから生まれる言葉はエネルギーに溢れていて元気になるものばかり。
 死に際のアンリがエリックにこう語りかけていました。

アンリ「エリック、お前には救われたよ。どんな困難があってもお前は生きることを諦めなかった」(『海の秘宝をめぐる死闘』第四話より引用)

 諦めないエリックに私自身救われました。


作者の気持ち

 創作していて、キャラが死というシナリオに至ってしまう。申し訳ない気持ちはもちろんあります。
 結果的にそのようになりましたが、私の故意と言うよりキャラクターを頭の中で動かしていくうちに、彼らがそう自ら動き出しました。
 花を添えるのが私の役割なので、最期のシーンはとてもこだわった記憶があります。

* * *

 すごく大切にしている台本、ボイスドラマのお話でした。


おまけという名の余談

 他に死に至った創作キャラで思い出すのは同ユニットのボイスドラマ『俺たちが楽園を奪還するまで』のグラニートですね。
 彼は生身の体を捨て機械の体に作り替えた不死身の機械人間設定。主人公のミシェルとリオンを虐げる完全敵キャラ。彼を倒すことがこの物語の目的なのです。打倒!グラニート!(完全RPGゲームのボスキャラ)
 今回のテーマである「死を選んだ」からは完全に外れてしまうのですが、彼もまた興味深い。

▼『俺たちが楽園を奪還するまで』再生リスト(キャスト違いバージョン含む)

 最期のシーンは敵キャラに敬意を払ってボッコッボッコに…(ゲフンゲフン)
 どうやってミシェルとリオンの借りを返してやろうかと…1万倍返しくらいの気持ちでメッタメタの最期を描いたつもりです。

* * *

 生き死にがあったとしても自分の子達が物語の中で生きて動いていく姿は楽しいし、創作ってやっぱりいいなーって思うのでした。台本書いてから1〜2年経過しているボイスドラマですが、今でも私の心の中では色褪せないし、鮮やかなんですよね。代表作って言ったら…心の中で挙がってくるくらい。(関わっている方々もいるので、代表作です!って堂々言うのはとても恐縮なので、こっそりこちらで宣言させて貰いますね。)


〜最後まで読んで頂き、ありがとうございました〜


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