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自作発言、納品後スルー…台本トラブルの対策~自身の作品を守る方法について考えよう~(後編)

こんにちは。さわなです。
前回の続きになります。
後編では私の体験を含めて自作発言や台本転用の背景の考察、納品後音声化されない(提出後スルー)問題の対策について考えていきたいと思います。
あくまで台本を書く側の視点による記事です。

自作発言の背景。動機とは?

なぜ自作発言するのか心理面を深掘りしていきます。知らないうちに自作発言に該当していた無知によるケースは除外します。
私の想像ですが、台本以外の事例で考えてみました。

・動画の無断転載は動画の再生数を稼ぎたい
・イラストを自作発言するのはいいねをたくさんを貰いたい

このように他人のものを故意に悪用しているようにしか思えませんでした。作者の努力を横取りして自分が利益や得しようとしているんですよね。きっと。

私が見かけた台本自作発言

被害にあった作者の訴えツイートなどが情報源です。

作者の台本をあらすじや台詞を丸写しした上、一部だけ改変し、タイトルを変えて台詞投稿サイトにあげていた(事例①)

これも自分が作者として名乗り、公開することで自分が利益を得たいだけなのではと考察します。(本当のところはわかりませんが)悪用です。

あとは、誰かに渡すケース。

作者の台本をあらすじや台詞を丸写しした上、一部だけ改変し、タイトルを変えて声活動者に「台本書きました」と台本を渡す(事例②)

作者なら音声聞いて一致度に気づくこともあります。文章を公開していないと故意に丸写ししたのか、意図せず似てしまったのか証明する事は難しく、だんまりされたら真意を突き止められないのが悲しいです。

もう少し、動機について掘り下げていきます。私が思うに、推しの存在も関わっているのではないかと思うのです。
事例①は不特定多数の人を対象としているのに対し、事例②は特定の相手を対象としています。つまり、特定の相手に「喜ばれたい」「役に立ちたい」「よく思われたい」という心理が動機の根底にあると思いました。

「推しに読まれたい」心理から発生した手段を選ばない人たち

推しが台本を募集している。推しに台詞を読んでもらいたい。

読んでもらいたい目標としている方がいる。悪いことではなく、むしろ良いことだと思っています。それをモチベーションに台本を書き始めた方が増えたのは事実でしょう。私も活動初期はそうだったので否定はしません。

しかし、先述「誰かに台本を渡す際に自作発言しているケース(事例②)」から推測するに、推しに読んでもらうためなら手段を選ばない人がいるのではないでしょうか。
たとえ、読んでもらい目的を達成しても、不利益を被るのは音声を発表された方です。推しに迷惑がかかってしまうのです。
台本を書くのならば、是非自身の言葉で書くべきです。是非自身の力で目標を達成して欲しいです。

台本トラブルの実例その1(作者間のトラブル)

次の話題に移ります。以降は私が体験したトラブルについて。同じ被害に合わないための情報共有です。
話せば長くなりそうなのでサラッと書きます。

・名義貸しの依頼

「私が書いた台本だけど、さわなさんが書いたと◯◯(声活動者)に渡して欲しい。私が渡しても受け取ってくれないから」

断りましたが、非常に不愉快な思いをしました。そこまでして推しに読んでもらいたかったのだろうと思います。名義を貸したら私が自作発言することになります。自分が書いた文章に対して作者と名乗りたいです。当然ですが。

・意図せず依頼主のゴーストライターになっていた

台本の書き方を教えて欲しいと相談を受ける。私は概念的なことを伝えて自身で書くように促すも、「具体的にどうやって書けばいいか分からない」とらちがあかず。依頼主の書いた文章を添削して例文として渡した。「これを参考に自身で書いてください」と伝えるも、事前連絡なく例文が依頼主名義の台本として声活動者に渡され、音声公開に至る。

文章を書いて渡した自分に非があり、不注意だったとしか言えません。「教えて欲しい」と言われ、手を差し伸べたくなりますが、不当に利用されないように気をつけるべきでした。書いた文章の利用方法について約束をきちんと取り交わすべきでした。(自分が伝えたつもりでも相手に伝わっていなければ意味がない)

・合作のはずが

台本を合作したが、事情によりお蔵入りに。その後、共同著者のみの名義で演者に渡っていた。

書き終わった後、どうするか、その後を話し合っていなかったために起こったトラブルです。サイトに文章をアップする手段もありますが、当時はフリー台本がそこまで認知されておらず、直接声活動者に送付するのが主流だったので、台本がそのまま浮いてしまいました。

台本トラブルの実例その2(依頼主と作者間のトラブル)

実体験でもありますし、巷でよく聞く提出後スルー(依頼台本提出後音声化されない)問題。
台本を書いて欲しいと依頼があり、台本提出。その後、連絡なく何ヶ月待っても音声化されないものです。
(依頼ではなく自分から良かったら読んで欲しいと台本を送る場合は含まれません)

事情があって提出から時間が経過していることを説明してくれたり、連絡があると安心するんですよ。それもない場合はとても心配で悲しいです。
投稿されるまでの間は台本が浮いている状態でモヤモヤします。
相手の事情もわからないので、こちらから突っつくこともできません。
実体験の反省としては、最悪の事態を想定して、台本のその後について約束事を決めておくべきだと思いました。曖昧にするのではなくきちんと文章にまとめて明示化するべきです。

台本と自分の知的財産を守るために

自作発言問題に関しては、利用規約を提示すること、啓蒙によるモラル向上が対策だと前回話しました。
特定の相手とのトラブルに発展しないためには、二者間で約束事を決めておくことです。曖昧にして自分が不利益にならないようにしましょう。マイルールを決めて自分の知的財産を守りましょう。

・安易に台本の相談には応じない

添削や例文提出はしない。やるならオープンな場でやる(例えばTwitter上だと誰が書いたか明らかになるので)

・依頼主に不信感を覚えたら断る

過去記事(「是非あなたに」という言葉に弱い〜誰かに何かを頼む時〜)に書いてある事例のように相手に不信感を覚えたら依頼を断るのも手。

・依頼台本の使用期限を決める

提出後◯ヶ月までに音声化しない場合はフリー台本として投稿する

・ある一定以上の要求をされたら有償にする

無理な要求に対して無償で応えるのは限界があるので、有償も検討する。金銭が絡むことで依頼相手も台本に対する意識が変わる

・共同制作台本のその後を決めておく

名義の確認。管理者を決める。台本制作後の利用方法、公開方法。文章の管理方法を決める

まとめ

前編を通して私の主張をまとめます。

台本を利用する場合の注意事項:
・利用規約を見よう

台本作者の対策:
・利用規約を見える化して作品を守ろう
・安請け合いして損しないように依頼や共同制作の際は約束事決めよう

・場合によっては有償にする

台本書くなら:
・自分の言葉で書こう
・自分が努力しよう

最後に

2回に渡るお付き合いありがとうございました。
自分視点の考察と意見だったので、行き届かないところもあったかと思います。違和感や相違を感じた方がいらっしゃいましたらご容赦ください。
色々話してきましたが、根本は「作品と作者は大事に扱いましょう」です。物というより気持ちのやりとりなんだと思うのです。この世界。
気づきやお役に立てれば幸いです。

〜最後まで読んで頂き、ありがとうございました〜

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