恋人

私には恋人がいる。
彼とは付き合ってもうすぐ9ヶ月。


私は彼と出会うまで、恋愛と言える恋愛をした事がなかった。
関係性も、行為も。

ずっと恥ずかしく、惨めだった。
自分自身ではそれなりに好きな自分が、誰からも愛されない、認められていないようで。

この歳で何も経験していないのが未熟で、何か欠陥品のようで。

然るべき時があればと思っていたが、そんなの一生無いとさえ本気で思っていた。
自分の中で自分より優れないのに愛される女性を見ては妬んだりしてた。暇だな。


そんな彼とはマッチングアプリで出会った。
暇つぶし、本当の事を言うとただちやほやされたくてダウンロードしただけだった。

なんとなく顔がちょっとかっこよくて、同じ業種の仕事だったので興味本位で連絡を取り始めた。

きっかけはオードリーだった。
当時の私はオードリーANNのヘビーリスナーで若様信者、彼は春日に憧れていた。
そっちサイドの人いるんだと不思議に思った。

私には男性寄りの趣味が多いから、趣味が合う人なんて他にもいくらでもいた。
みんな何はともあれ少しは孤独な訳だから、ちやほやくれる人もいくらでもいた。

何か秀でてる訳でもない彼、強いて言えば会話のテンポが凄まじくあった。
だからなんとなく、会ってみた。
3回会って告白されたから、付き合った。


今まで自分が一目惚れした男性を追っては好かれなかったり、男性に好かれては「私の事好きなんてイカれてる」と自己肯定感の低さを存分に発揮して遠ざけたりしてた。

だから本当に何となく、言われたから付き合った。
そんな適当な始まりだが私の直感は当たっていて、ここ20数年の厄が吹っ飛んだかのように、知れば知るほど最高の人間だった。


恋人として愛している。
でもそれ以前に私は、彼が人間として大好きだ。
相当な裏切りをされない限り、もし恋人関係が終わってしまっても、私はこの人間が死ぬまで大好きだと思う。


そんな彼が明日、誕生日を迎える。
明日からの一年、私が彼の1番側にまたいる事ができるように、一番近いからこそ敬意を忘れず、愛される人間でいよう。

いつもありがとう。

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