『ファントムのある一日━━━━ノイさんの秘密━━━━』
「チェックメイト♪」
「うにゅぅ~。。 また負けちった。。。 」
闇の国ファントムの街メイルにあるポロンちゃんの自宅
今日は休暇。。朝からポロンちゃんの自宅に押しかけてきているw
「むぅぅ。。。もっかい、やろぉ~♪」
「いいよぉ~。ぷぷっ! まりあしゃん、負けず嫌いだよねぇ~」
ポロンちゃんは、弱いながらもチェス好きな私に付き合ってくれている
と、いうことで再び駒を並べていると、ノックの音
「ポロンちゃん、いる~?」
「あ、ティアさんの声だ。。」
「はぁ~い♪ いまぁ~す」
足早にかけていき、ドアを開けるポロンちゃん
ドアの前には息を弾ませているティアさん
汗をかいてるように見えるけど、ティアさんはいつもフルーツのようないい香りがする(テレ
「ティアしゃん、こんにちわぁ」
「こんにちわ~w 今朝ね、琥珀ちゃんとラーミディの湖でカジキマグロ3匹も釣ったの~♪
ぼぎしゃんに調理してもらうから、うちに食べにおいで~。他のみんなも誘ってるんだぁ
スカイくんが「いいお酒手に入れた」って言ってたし、みんなで夜まで騒ごぉ~!」
「 わーい! いきまつ♪」
『なんで、湖でカジキマグロ??しかも女性二人だけで3匹ぃ~??』
と疑問をいだきつつ、私もドアの方へ
「こんにちわぁ~♪ティアさん」
「あ、まりあちゃんやっぱりいたね~wwこんにちわ~
と、言うことでwまりあちゃんはノイさん呼んできてくれるかなぁ?」
「はぁ~い♪でも、あたし、よっぱになると暴れますよぉw」
「きゃはは!いいよ~、暴れてもw うち、頑丈だから(マテ
で、ポロンちゃんは私と一緒にうちに来てぼぎしゃん手伝ってね」
「はぁ~ぃい♪」
「またあとでぇ~」
ポロンちゃんはティアさんの愛馬に同乗してティアさんの自宅へ
私はこの街の端にある森のさらに奥にあるノイローゼさんの自宅へと向かった
ノイさんの自宅へは何度か行ったことがある。。今回のように伝言を伝えに。。。
ノイさん。。。私の所属する隊【第四精神病棟 軍】の隊長さん。。
でも、あまり話をしたことがない。寡黙な感じで、薄いメガネの奥の瞳はちょっと近寄りがたい
そんなことを考えつつ森の小道を進むと見えてきた
暗い森の一番奥。。びっしりと蔦が壁を覆っている家。。それがノイさんの自宅
鷹の形のノッカーを掴みノックする
「。。。。。」
『あれ??留守かな??』
「開いてるよ」
いつもならそう返事がする。。でも今日は。。。
恐る恐るドアを押すと開いた。。
『やっぱり今日も開いてる。。てか鍵も掛けずに出かけちゃったのかなぁ??』
中を覗くとノイさんがいつも座ってる机の前には、やはりノイさんはいない
薄暗い居間で何かが動いた
「にゃん」
ノイさんの飼ってる、猫の『ノワール』だ
「こんにちわぁ♪ノワール ノイさんいないのかなぁ~?」
ノワールは私の足元にきて2、3度顔をこすり付けた
抱き上げようとかがみかけて、手を伸ばすとスルリとすり抜けて
居間の奥へと向かった
一番奥にあるパーテーションの前で立ち止まりこちらを振り向く
「にゃん」と一声泣いてパーテーションの奥へと消えた
『ん?あたし呼ばれてるの??』
そう思いつつノワールの後を追う
パーテーションの裏。。ノイさんはいなくノワールがちょこんと座っていた
視線を上にずらすと鉄でできた重厚そうなドアがあった
ノワールは右の前足でそのドアにカリカリと爪を立てている
『え゙?ここ開けるの??なんかイヤだなぁ。。その奥にノイさん倒れてる。。
とかぢゃないでしょぉねぇ。。(汗』
「ノワール、ノイさんこのドアの向こうにいるのぉ?」
「にゃん」
『わかってんのかなぁ~??(苦笑』
そう思いつつドアを開けた
『「ギィィィィィィィ」と大きな音がするんじゃないか?』
そう思ってドキドキしていた私の考えをすんなり否定して
重い割りに音もなく開いた
しかし、その先は真っ暗。。。
「ぉぃぉぃ。。」
思わず口にでた
ノワールはスル。。っとドアの向こうへ消えた
しばらくすると目が慣れてきて地下へと続く階段があるのが分かった
手すりにつかまりながら、なぜか足音を忍ばせつつ降りていくと
オレンジ色の揺らめきが左手に見える
『ランプの明かりだよねぇ。。ノイさんやっぱこの下にいるんだ』
ノワールは階段の一番下にまたちょこんと座っている
降りていく途中から話し声が聞こえてきた
『誰か来てるのかな??』
そう思いつつ階段を降りきる
話し声はボソボソとしていて聞き取りにくい
でも。。何か変。。。
会話のようだけど、声は同じ人のようだ
しかも少しくぐもった感じで。。。
『火曜サスペンスみたいだぁ。。(汗 死体処理とかしてたらどぉしよぉ。。(滝汗』
そう思いながらドアのない小部屋を覗くと小さな机、壁一面の本棚、ランプの揺れる向こうに。。。
真っ黒の衣装の人が向こうを向いて立ってる。。しかも。。。頭にも真っ黒の被り物をして
『ぎゃぁぁぁぁ~~!!! く。。く。。。黒ミサぁぁ~???』
心の中で叫ぶ私
ボソボソとした声はもちろんその人物
死体などはなく、ただその人がボソボソ言ってるだけ
『この声。。ノイさんだ。。』
ドキドキしている私の横をノワールが小部屋へと入っていく
『あ。。。』
ノワールはノイさんの足元に行くと足にスリスリと顔をこする
「あれ?ノワール、どうやってここに入ったの?」
ノイさんが声をかける
ゆっくりと振り向くノイさん
「。。。。。。」
「。。。。。。」
「まりあさん、なんでここに?」
「あ。。。ご。。ごめんなさい。。」
振り向いたノイさんの両手には。。。
右手に「ウシ君」 左手に「カエル君」
「ノ。。ノイさん。。。何やってるんですか??」
「え?。。えへへ。。。今度お城であるガイアさんの誕生日会で
【パペマペ】の出し物やろうと思ってw」
被り物を取りながらそう言うノイさんの顔は照れて赤くなっていた
『llliill_| ̄|○ lliliilll パ。。パペマペぇ~?』
「ノイさんにそんな芸があったなんて知りませんでしたぁ。。」
「誰にも言っちゃダメだよ~ww」
「はい。。」
ティアさんの伝言を伝え、ノイさんの馬に同乗し見上げると葉っぱがキラキラする森を抜ける
『はぁ。。こんなお茶目な人だなんて知らなかった。。』
陽気に口笛を吹きながら馬を駆けるノイさんの前で、一人苦笑する私でした
━━━━完━━━━
実は これが しずくの最初の作品です
パペマペがまだ流行ってた時代のこと シナリオコンテストがあるから書いてみれば?といわれて その夜 フッと夢に出てきた内容がこれでした シナコンに出すほどじゃないと思っていたのに シナリオを書く方々から「初めてでこれっ?!」と褒めていただきかなりドキドキしたものです
今読み返しても 未熟で恥ずかしいですが(草
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