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スカウトメールの返信率を平均5%にした4つの改善

こんにちは。さんななキャリアの佐々木です。

今回は、スカウトメールの返信率5%を実現した改善方法について書いてみようと思います。

スカウト返信率が思うように上がらないリクルーター様やエージェント様、さんななキャリアに今後入社する従業員に、少しでも役に立てれば嬉しく思います。

まずはじめに弊社について、簡単に特徴を。

さんななキャリア概要
・2017年7月創業、同年10月有料職業紹介許可取得
・2020年5月現在 スカウト媒体数8つ
・佐々木と役員とリサーチャーの3名
・スカウト媒体使用歴 都合8年

返信率の推移
・2012年〜2015年 約1%
・2015年〜2018年 約7%
・2018年〜2020年 約5%

私と役員は、かれこれスカウト媒体の使用歴が8年になりまして、様々な改善策を経ています。それらを全部挙げるとキリがないのと、業種やレイヤー、職種によって微妙な違いもあるので、再現性の高そうなものに絞ってご紹介します。

1.件名の主役は求人でもエージェントでもなく、求職者様

スカウトメールの件名によく見る求人内容の特徴。土日休み・年間休日数125日以上・残業少ない、など。該当求人のPRポイントを列挙している件名。
・土日休み!年間休日125日以上!
・大手企業!東証一部上場!
・残業10時間以内、ワークライフバランス充実!

私はかつてこれらを駆使して件名を作っていました。ただいつの日か気付きます。お会いする求職者様に全く響いていないことに。響いていないどころか、見られていない。

そこで熟考しました。なぜこれがダメなのか。

理由はこちら。

・衛生要因への訴求だから(注1)
・安易なキーワードで応募承諾が取れると勘違いしているから

(注1)衛生要因とは、不満に思う職場環境が改善されたとしても満足感を得られるわけではない要素のこと。安い賃金、多い残業、少ない休日、嫌な上司など。

もちろんこれらの要素は転職活動において重要な条件と考える求職者様が圧倒的多数ですし、昨今の働き方改革でも重要なこと。

だからこそ、逆に求職者にとっては満たされれば満足する条件というわけではなく、最低限の条件であって訴求するほどのメリットはない、という結論に達しました。

ではなぜこれらの文言を私は盛り込んでしまうのか、と深掘りしてみたところ「応募承諾を取りたい」という利己的な感情があることに気付きました。

求職者様は利己的な感情で送られたスカウトを受け取ると、「興味はあるけど話を聞いた上で応募したいのに、返信したら応募承諾するまで帰してもらえなそう」など、自分の意向通りに進まないイメージを無意識に抱いてしまう。

そうなったら一巻のおしまいです。何通送っても針の穴を通すほどの求人でない限り返信なんてしてもらえません。

じゃあ何を書けばいいのか。

「さんななキャリアは遊技機専門の転職エージェントです」これも違う。これはただの宣伝キャッチ。

スカウトメールはダイレクトメールでも宣伝メールでもない

そこで行き着いた結論はこちら。

スカウトメールを受け取る求職者様が主役。

・転職を検討している理由を拝見して。
・A社でのB職務の実績とスキル、経験を拝読しました。
・A社とB社を通じて培ったご経験を活かしたキャリアアップを。

このような件名にする際の留意すべき点は、必ず登録レジュメを熟読するということです。逆を言えば、職務経歴に詳細が書かれていない求職者様にはスカウトを送らない、ということになります。

実際にお会いした求職者様にスカウトメールの受信箱を見せて頂くと、質素な件名なのにしっかりと目立っています。

理由は差別化されているからです。実際に件名を見て開いてみたくなったというお言葉も。


2.本文のムダをカット、カット、50%カット

次の改善は装飾記号を多用するパターン。確かに見やすいし、多くの情報を盛り込んでも綺麗に整理されて見れる。

私もよく使いました。■や△、★や_、【や>、=〜など。全体に散りばめて使ってました。

ところが、そんなに装飾文字を使って、受信者は本当に綺麗だと感じるのだろうか。そんな疑問が生じました。

繰り返しになりますが、スカウトメールはダイレクトメールとは違います

スカウト媒体は双方向コミュニケーションの媒体です。双方向コミュニケーションは見やすさよりもメッセージ内容重視です。

見るからにテンプレートの文面を相手に、誰が会話しようと思うのか。返信したらロボットが返事してくるかもしれないのに。

そもそもなぜ装飾記号を使って綺麗にまとめる必要があるのか、と考えました。

それは、本文に盛り込む内容が異常に多いからです。

さらに求職者様には無関係の情報まで盛り沢山にしている理由は、リクルーター自慢、つまり利己的だ、ということに気付きました。

自社のアピールや実績はパンフレットやHPで十分。

これに気付いたら、改善内容は徹底的に本文のスリム化。
・黒点以外の装飾文字はカット、何なら全部カット。 
・自己紹介文は大幅カット、何なら社名と名前だけ良い。
・エージェントの実績など2の次、3の次、何ならカット。
・ただのエージェント自慢はカット、怪しい数字は全部カット。
・どうしても特徴を書きたいなら10文字以内にまとめる。

これらを実践したところ、本文の分量は50%以上削減され、PCでもスマホでも2スクロール以内に収まるようになりました。

かつ超最低限の内容だけを盛り込んでいるので、求職者様の記憶に残りやすくなりました。


3.マッチング理由はデモ・ジオ・サイコで1to1

件名のベクトル改善と本文のスリム化ができたところで、肝心な本文の中身をテコ入れ。ここまでで、もはやテンプレート文面では矛盾だらけになることが分かります。

誰が受け取ってもいいように作られるテンプレート。その理由はスカウト業務の効率化のため。それ以外に何のメリットもありません。

だから求職者様のメリットは皆無です。当たり前ですが一括送信なんて言語道断。

なぜかと言うと、マッチング理由が不明だからです。ナンパされた女性が「誰にでも同じこといってるんでしょ〜」と言うのと一緒。

そもそも返信頂いてからマッチング理由を探していた時期もありました。こんなんじゃ、エージェントの仲介価値なんてないですね。

マッチング理由が不明になると、応募の動機付けも曖昧になり、求職者様にとっても応募理由が不明確なまま進むことになる。

書類選考の合否理由が応募前に想定できる方が求職者様は応募しやすい。だからマッチング理由をプロ目線で明確にする必要があるのです。

ではプロ目線のマッチングとは。

この対策が非常に時間を要しました。今でもまだまだ改善の余地があると考えています。なぜならスカウト業務以外での経験値や知見が大きく影響するからです。

ここでいう知見の度合いとは、例えば求職者様の在籍企業に必ず知っている人がいて、それが10社20社の企業数ではなく、200社300社とかそういう単位。そのぐらいの度合い。

これはなかなか容易ではありませんので、この記事では今まで取り組んできて有効だと考えている施策をご紹介します。

まず、セグメンテーション基準の基礎知識が必要です。

それは、デモグラフィック基準・ジオグラフィック基準・サイコグラフィック基準です。

■デモグラフィック(以下デモ)
年齢・スキル・学歴・性別・現年収・転職回数・語学力など
■ジオグラフィック(以下ジオ)
居住地域(できれば市区町村まで)
■サイコグラフィック(以下サイコ)
次のキャリアで実現させたいこと・希望年収、勤務地など

リクルーターがスカウトを送る求職者様を決める時の基準は、この3つの基準。無意識にできている方も多いのではないでしょうか。

これをどう活用するかと言うと、
・デモ・ジオは箇条書きに
・サイコは感情を込めたメッセージで

デモ・ジオの具体例
・10年以上の生産管理経験
・大阪在住で第二新卒、TOEIC850点以上
・無形商材の法人営業としてセミナーのスピカー経験
・10名規模のマネジメント経験と計数管理能力
などなど。

登録されているレジュメからデモ・ジオ基準でマッチング要素を読み解くとたくさん抽出できます。

これが逆に出てこないとなると、ミスマッチか、レジュメの読解力不足、経験職種の知見が足りてないか。これらは課題が分かりやすいので対策は簡単です。なので割愛します。

ここで最重要ポイントはサイコ基準です。

サイコ基準はその人の「志向」を示すものであり、感情的なものになるので、しっかりとレジュメから読み取ります。

転職理由や次のキャリアで実現したいこと、など。

希望勤務地や希望年収、希望業種や職種もこのサイコグラフィック基準に該当します。これがポイント。

これらは定量的にカテゴライズしやすい項目ですが、これは求職者様の志向であるということを忘れてはいけません。

感情的なご意向である以上、箇条書きにするなどの塩対応は絶対にNG。

想いに対しては想いで応えるのが鉄則です。

・大手企業からの転職をご検討されているということは、さらに裁量ある環境で、これまでのご経験をいかんなく発揮したいとお考えのことと推察致します。そのお考えをぜひお聞かせください。

・ご希望の勤務地を拝見しまして、Uターンをご希望のこととお見受けいたしました。ご移転を伴うご転職となると転職先に求める優先順位付けが重要かと存じます。私と壁打ちをしながらご意向の整理をしてみてはいかがでしょうか。

ほんの一例ですが、サイコグラフィック基準でマッチングする場合は、1to1なのでまさに十人十色。ワンパターンになることは絶対にありません。


4.スカウトで本当に必要な求人添付は1件

最後に添付求人についてです。スカウト媒体にもよりますが、エージェント利用であれば基本的に求人は上限なしか、もしくは上限3件まで、といった形で添付が可能です。

私もかつて、3件どころか10件とか添付してました。上限オーバーなら本文に書いたりとか。

でもふと気づくわけです。

これってスカウトメールじゃなくて、求人サイトだ。

大量の求人を添付したって全部見ないですよね、普通。見るのが面倒臭くてゴミ箱行きですよ。スカウトメールなのに、どうして求人サイトみたいなメールが送られてくるのかー。

求人サイトがダメなのではなく、本来のスカウトメールから逸脱してしまっていると感じたのです。

そんな中、これを送っている自分の心理を考えてみました。

「大量に送れば1件ぐらいは合うものがあるだろう」
「紹介できる求人が大量にあることをアピールするぞ」

そうです、すべて自分都合。ただの利己的スカウト、最悪ですね。

そもそもエージェントの価値が最大化するのは、希望通りの求人かつ内定がもらえる求人をピンポイントで紹介すること。そしてその求人を見極めること。

スカウトメールの段階で何件も紹介するのは求職者様、エージェントにとってリスクヘッジでしかない。

そんな下手な仕事をして誰が喜ぶんだ、と。

なので添付する求人は原則1件だけ、とルール化しました。

そうなすると当然の結果として、求人をめちゃくちゃ吟味するようになります。

どう吟味するかと言うと、先述のデモ・ジオ・サイコ。この基準に最もマッチするであろう求人を選ぶのです。

そしてマッチング理由が見つからなければ送らない。

もちろん、実際にお会いして話してみれば、微妙に希望条件が違っていたり、転職活動のリスク許容度によって複数をご紹介することは多々あります。

でもそれは会話を重ねたからであって、テキストベースの登録レジュメからは、複数の求人案件をマッチングさせるほどの要素は読み取れません。

ちなみに、添付求人を1件にすると求職者様との面談はスムーズです。こちらと求職者様の利害が完全に一致しているので。その1件の求人で内定を勝ち取りにいく、と。


さて、ここまで代表的な4つの改善例を上げて参りました。

改善内容
・件名の主役は求人でもエージェントでもなく、求職者様
・本文のムダをカット、カット、50%カットが目標
・マッチング理由はデモ・ジオ・サイコで1to1
・スカウトで本当に必要な求人添付は1件

5.最後に〜大事な価値観の共有〜

これらの改善を通じて定着した価値観をご紹介したいと思います。

・スカウト媒体は使わせてもらっているという意識を強くもつ
・下手なスカウトメールはネガティブな口コミに繋がる
・求人企業様の代行企業だという自覚を強くもつ
・求職者様は必ず誰かと繋がっている

近視眼的なスカウト業務によって、スカウト媒体全体の満足度が低下し、有効な求職者様が離反してしまいます。

離反してしまうと、クライアント企業様に優良人材をご紹介できなくなる。

これは負の連鎖です。

大きな予算で求職者様の集客をしてくれているスカウト媒体を使わせてもらっている、その上で魅力的なサイト作りの一端を担っていると考えるようにしました。

また、スカウトメールはダイレクトメールではないので、口コミが起こります。

ダイレクトメールは感情を持たれませんが、スカウトメールは感情をもたれるため、良い評価も悪い評価も口コミになります

特に悪い口コミは広がりやすいので、迂闊なスカウトメールは自社の首を締めるどころか、クライアント企業様にも迷惑をかける可能性がある。

そのため、受信した求職者様の背後には100人以上の知り合いがいると思ってスカウトメールを送るようにしています。

その結果、受信した方からご紹介頂くなんてこともありますし、求人依頼につながったこともあります。

このようにスカウト媒体の本質的な意味も鑑みた上で、求職者様目線の改善策を考えることで、かつては1%にも満たなかった返信率7%まで上昇し、今では5%で安定しています。

とはいえ、最も重要なことは、求人の理解深度を高めることです。

一夜漬けの対策では一夜漬けの結果にしかならず、クライアント企業様との長い関係によって理解を深めて、それを求職者様にご提供することが最大の効果を発揮します。

その辺りはまた別の記事で書いてみようと思います。


気づいたらいつの間にか6000文字弱。書くのも大変、読み直すのも大変。これを日常的に書いてる人たちはすごいですね。

情報を出しすぎるのも出さなすぎるのもデメリットがありそうで、その調整に苦慮しましたが、これぐらいの記事を書くのは自分の考えも整理できて良い経験でした。

それでは。


さんななキャリア
佐々木

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株式会社さんななキャリア 代表取締役_佐々木智浩|遊技機開発専門の転職エージェント|佐々木中小企業診断士事務所|37キャリアHP https://37career.com/