部活動引退と生徒の自主性:本当に生徒の意思なのか?

はじめに

本校では、3年生は夏の大会をもって部活動を引退するのが一般的です。しかし、近年は生徒の自主性を尊重する動きもあり、本人が希望すれば引退せずに部活動を続けることも可能です。しかし、この方針に対しては賛否両論があり、活発な議論が続いています。

生徒の自主性はどこまで本心なのか?

私はこの議論の中で、ふと疑問に思いました。本当に生徒の「自主性」は、生徒自身の本心から生まれているのでしょうか?

例えば、私はとある部活動の顧問をしています。毎年4月の職員会議で、私の意思とは関係なく、部活動の顧問が割り当てられます。そして、顧問が立ち会っていない部活動は原則活動できないと宣告されるのです。つまり、生徒が活動するためには、私は必ず生徒の練習時間に立ち会う必要があるのです。

このように、状況的には強制に近いにもかかわらず、部活動顧問は「教師の自発的な活動」とされています。そのため、どんなに疲れていようが、子供が熱を出していようが、放課後や土日祝日であっても、自発的に部活動を運営しなければなりません。しかし、あくまで自発的な活動とされているので、勤務時間として記録も残らず、給与も発生しません。

生徒に押し付けられる「自主性」

これは生徒にも当てはまるのではないでしょうか?

部活動に残ってほしいと強く勧誘された生徒は、「部活に残りたい」と自ら言うでしょう。しかし、実際には拒否する選択肢がない状況なのです。このような状況に追い込まれた生徒が、最終的に「自分で選んだこと」だからと、受験に失敗しても自己責任だとするのはあまりにも酷い話ではないでしょうか。

ルールは弱者のために

ルールは、本来弱い立場の人々を守るために存在するものです。学校側としては、生徒の自主性を尊重しつつも、弱者を守るためのルール作りをきちんとしていくべきではないでしょうか。

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