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日曜日のできごと

日曜日のできごとはいつも夢みたい。
月曜日の朝目覚めると、この記憶はさっき見た夢だったかな、と頭がぼんやりする。

昨日は、伊勢丹でパンの催事をやっていたから2人でお腹を空かせて買いに行って、そのまま屋上で遅めのランチをした。
たくさんある中から、あれもいいね、これもいいね、と言いながら、そのときの気分に一番マッチしたパンを選んだのに、たまたま2人ともよく行く中目黒と代官山に本店を構えるお店のものを選んでいて笑った。

そういうもんだよね、とかなんとか言いながら、日陰のベンチを探して、一口ずつ交換して、風が吹く。

食べ終わって立ち上がると、君はすぐそばに置いてけぼりにされていた、だれかが放置したゴミを拾って、自分たちのそれと一緒に捨てた。

その日は久々に夏らしい空模様で、いつもギリギリの行動が多い私たちにしては珍しく、ちょうどいい時間に映画館に着いた。
上映5分前くらい。

映画の後は気になっていたお店に入ったんだけど、そこだけ2年前みたいに人が密集していて、お互いの声も聞き取りづらくて、なんとなく気が引けてビール1杯ですぐに飛び出した。
あれ、そういえばこのお店のお代、奢ってもらっちゃったな。

その後はこないだ一緒に行って感じのよかったお店に移動して、たわいもないことを話した。
夏が終わるね、とか、花火したいね、とか、あとはそうだ、結構漫画の話をしたな。

さっき観た映画の原作漫画を読み返そうとしたら、その場所に見慣れない少女漫画が置いてあって、そういや貸しているんだった、と言われてようやく私も思い出す。
私もその少女漫画を置いていた場所に、借りたときの袋ごと君の漫画をしまっている。

2人とも忘れっぽくてまいった。
「お互い今日こそ帰ったら借りてるやつ読もうね」って笑い合ったけど、実はまだ読んでいない。
でもたぶん、君もそう。

駅に着くとすぐに君の乗る電車が来て「来週は清澄白河だね」って手を振る。

足の親指を確認するとやっぱり靴擦れ。
家に帰ってお風呂に入ったら、ちょっとしみた。

日曜日は夢みたい。
でも親指にはバンドエイド。

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