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私を構成する42枚(12インチ篇)

なんか流行っていたので作ったやつを改めてちゃんと全部紹介しようかなと思った。
いつものようにDiscogsを引用しまくって簡単に書く記事。
自分の嗜好として、レコードがいっぱい載ってて短い解説が載っている記事が大好きなもんでそういう記事をどうしても書いてしまう。

Terrorvision – Tequila (Mint Royale Mixes)

最上段5枚は自分にとって不動のトップファイブ。なんでこれを1枚目にしたのかよくわからんが、とはいえ最高! 90年代末の空気がする最高のビッグビートの1つ。リミックスが人気になりすぎてバンドもこっちのバージョンでライブをやったりしてたというエピソード込みで好き。これ原曲はプロデューサーがEdwyn Colinsなのね

Cornershop – Brimful Of Asha 'Norman Cook' Remix

こっちの方が一番好きかも。というか、この曲、このリミックスを好きじゃない人はいないんじゃないの。Norman Cookによる最高レベルの仕事。このリズムがビッグビートの基礎と言える。Baby GapのCMに使われてたのでお茶の間でも大人気だった。上のTequilaの次にこれをセットでかけるのがあの頃のビッグビートDJの定番だった。

Fantastic Plastic Machine – Take Me To The Disco

FPMの曲では(と言うとリミックスなので変だけど)、これに入ってるTake Me To The DiscoのMalibu Remixが一番好き。MalibuはRoger Joseph Manning Jr. = Moog Cook Book。デケデケのベースラインといなたいギター、田中氏本人もDJではこれを1曲目にかけることが多かったのがわかるくらい、本人よりも本人らしいリミックス。

Various – Bust A Move 2 Dance Tengoku Mix Original Soundtrack

ダンスゲーム Bust A Move 2 ダンス天国Mixに収録された奇跡の1曲、福富 幸宏 Featuring 鈴木 桃子の「Got To Be Happy」いわゆるツトムのテーマ。日本産ディスコハウスの最高傑作と言い切れる。クールなAメロ、ためにためたBメロから爆発する最高のサビで大爆発。ゲームのテレビCMでもリード曲として使われていた。なんで福富さんこんないい曲をここで使っちゃったのってくらい、入手困難なのがもったいない名曲。

Stetsasonic – Talkin’ All That Jazz (Remixes Pt. 1)

Dimitri From Parisによる10分にも及ぶロングリミックス、Talkin’ All That Jazz (Dim’s Respect For The Old School)が至高の名曲。ベースライン、フルートのリフ、最高にかっこいいラップ、ヒップホップのハウスミックスの最高傑作は何かと聞かれたら、僕はこれを迷わず差し出す。

Fuzita Blender – A New Compilation

マッシュアップの最高傑作は何かといわれたら、まだマッシュアップの名前もなかったころのこの1枚を挙げる。Fuzita Blenderが当時のMacの波形編集ソフト(ガレージバンドなんてなかった)だけで作った。恐るべきマッシュアップ集。Sesso MattoとReturn Of The Original Art-Formをマッシュアップさせてここまで違和感なく仕上げるのかという奇跡。

Captain Funk – Songs Of The Siren Pt.2 "Losin' My Way"

Captain FunkではもちろんBusin’ Looseは傑作なんだけど、一番好きなのはこのEPに入ってるLosin' My Way (Machinegun Airline Mix)。寄せては返すようなサルソウルを彷彿とさせるストリングスの音色とスクラッチ、ある意味、シティポップ的と言えなくもないかっこよさ。ビッグビートのブームが終わったころの音なので注目度が低いけど、僕には大事なトラック。

The Riddler – Red Alert / Rock 'n' Roll

ドラムンベース(というよりジャングル)で一番好きなレーベルはJoker Records。その中で一番好きなのはこのB面のRock ’n' Roll!(タイトルだけでバカ) Rock Around The Clockをそのままドラムンにした最高にバカな曲。無理やりではなくちゃんと曲として成立しているのが最高!

Whirlpool Productions – The Cold Song

Whirlpool Productionsと言ったら、一般的にはFrom Disco To Discoなんだけど、僕は断然The Cold Song! しかもこの盤(もってるのはアナログだけど、アナログがDiscogsに登録されたなかったので、上記はCDの方)にしか収録されてないPatrick's Cool House MixがK-Jeeみたいなフレーズに載せた最高のリミックスで大好き。ドイツらしいエレクトロ風味なギターポップ風オリジナルももちろん最高!

Losfeld – White EP

escalator recordsからの影響は非常に大きい僕だが、1枚選ぶとしたらこれを挙げるのは絶対にこれ。なんだが、DiscogsにはCDの方しか登録がない(なんでや)CDの1曲目、アナログのA1に収録されてるNew Age Of Chanceが日本のネオアコハウスの最高傑作!当時のHed Kandiあたりのコンピに入っててもおかしくない超名曲。

Scanty Sandwich – Because Of You

一番好きなレーベルは?と聞かれたらSouthern Fried(ただし、フィジカルリリースしてた頃まで)と答えるのだが、その中で一番好きなのはやっぱり全世界で爆裂ヒットしたこのBecause Of You。マイケルジャクソンがガキ声だったころのボーカルを延々とサンプリングした典型的な、それゆえに素晴らしいビッグビート。

ECD – 君は薔薇より美しい

ECDのラップで一番好きなのは後述のDirect Driveなんだけど、曲として一番好きなのはこの「君は薔薇より美しい (Audio Musica N'11 Mix)」まあ、ECDというよりもSunaga T Experienceなんだけど。ラテンハウスマナーに沿って展開されるリリカルなエレクトリックピアノ、美しいコーラス、原曲の面影を残しながら全然別の曲になっている。

ECD – Direct Drive (The Readymade Remix)

そのDirect Drive。これはSunaga T ExperienceによるAudiomusica Nº2 Remixも小西康陽によるThe Readymade All That Jazz~あるいはコニシの猟盤日記ミックスも甲乙つけがたい。タイトルだけなら小西氏がダントツだけど。ECDの「やり切れないことばっかりだからレコードを聴いている」というライムは今も僕の心の深いところに刺さり続けている。一番好きな日本語ラップ。

Captain Funk – Bustin' Loose EP

みんな大好き、Twist & Shout! Captain Funkの名作にして日本産ビッグビートの最高傑作EP。99年以降のビッグビートのイベントでこのTwist & Shoutがかからなかった夜は無かった。派手なラジオDJの声から謎スキャット、レアグルーブのサンプリング、全てが傑作の1曲。Kung-Fu Skaもスカビッグビートの傑作、海外DJはむしろこっちをかけてたのを聞いたかも。

Puffy – PRMX 3

90年代末から2000年代初頭のリミックスブームに発売されたPuffyのリミックス集の中でも、傑作はCaptain Funkが手掛けた「愛のしるし (Captain Funk's パフィー De サンバ Mix)」!! 原曲のティンパニの音にFatboy SlimのEverybody Loves A Carnivalをアダプトし、極上のサンバハウスに変換。当時はやってたWelcome To Sambatown並みの破壊力の名リミックス!

Takeo Yamashita – Mission 4+ Yamatakemania Remix Parade 1999

和物文脈で再評価が進んでいた山下毅雄楽曲のリミックス企画Yamatakemaniaは、福富幸宏監修ということでリミキサーも小西康陽、須永辰緒といったReadymades周辺人脈だったが、やや討ち死に感有りな出来。その中で最も気を吐いたのはEscalator Team(松田岳二+仲真史)による「クイズタイムショック (Hello! Escapees Remix)」使ってるのはほぼあのSEのみだが抜群の疾走感で駆け抜けるヤングデュードな傑作!

Cubismo Grafico – Tout!

そのEscalator Teamの片割れ松田岳二のソロユニットCubisimo Graficoの初期作は、ビッグビートとハウスの中間のような良トラックがいっぱいありますが、やはり最高傑作はMississippi One! 最後に流れてくるWhistle Songのフレーズがぴったりとハマるようなインディダンスミュージック。90年代の渋谷系の一面を総括したような楽曲。

Various – Plastic Surgery EP

今やドラムンベースを代表するレーベルの一つHospitalの初期は、日本のSMEが強くプッシュしており、日本限定の作品がいくつかリリースされている。これは日本限定のリミックス集なのだが、D'N'B人脈ではなく国内の主に渋谷系人脈が手掛けていた。小西康陽によるRewind (Lotus Eater On A Pale Fountain Mix)がD'N'Bではないが彼のリミックス仕事の中でもトップクラス!

The Herz – Moonlight Samba

須永辰緒氏のグレイトリミックス、Moonlight Samba (Audiomusica N°7 Remix)! 彼の初期のリミックス、特にタイトルにAudiomusica~が入ってるものはすべてが素晴らしい。スキャットからバツカダビートにサビの強さを活かしきった最高なダンストラック。

Dee Magic – Groove Is In The House

99年~2000年代前半までほぼホワイト盤でマッシュアップをリリースしていたDee Magicの1番。タイトル通り、Groove Is In The Heartを豪快にアッパーディスコハウス化したトラック。この女性ボーカルの元ネタがありそうでいつまでもわからない。

Loop Da Loop – Miracle Maker

後のSpace Cowboy、Nik Drestiによる極上ビッグビート! 池田正典が毎回かけていたので、日本のビッグビートシーンでむちゃくちゃ人気があったが、99年なんて今みたいに海外のプロモ音源をホイホイ入手できるわけもなく、マニアは血眼になって海外の通販リストを探し続けた。ロックンロールなビッグビートに早回しのラップという当時のビッグビートのど真ん中だけで構成された音楽。

Resident Filters – Get On It

UKのビッグビートレーベルlacerbaからリリースされた最強の歌モノビッグビート。ソウルフルに鳴り響くホーン、圧倒的なボーカル、力強いブレイクビーツ、全てが完璧に重なり合った音。YouTubeなどではKrafty Kutsのリミックスしか聞けないが、オリジナルバージョンのResident Filters Club Mixのほうが100倍好き。僕の考えるビッグビートTOP5

ここから10枚は日本産ダンストラック。

The Orangers – I ♥ NW

現在は作曲家、プロデューサーとして活躍している吉田哲人の初期仕事。曲名含めていろんな部分でふざけてるが、A面のDislocation Dance Rockが最高! ドラムフィルから大げさなオーケストラ、イントロの数十秒で一気につかまれる。そして初期の吉田氏のシグネチャーなむちゃくちゃ太くてむちゃくちゃ強いキック、全てが日本だからこそ生まれたビッグビート。

Various – Red Alert Records Compilation 1

未だ現役の日本が誇るハードコアダンスアクト、サイケアウツによるNew Rally X '96! クラシックレーシングゲームラリーXのBGMにアーメンブレイクをアダプトしたマッドなジャングル! サイケアウツのすごいところは、BGMのメロディの変化に合わせてブレイクビーツを切り刻んで合わせるという、まるでヴォーカリーズのようなことをやってのけることだが、まあそんなのとにかく最高!

Yoshinori Sunahara – MFRFM (Music For Robot For Music)

砂原良徳の大名作ソロアルバムCROSSOVERの1曲目、MFRFMのシングルカット。リミキサーがFelix Da Housecatだったりするが、LP Versionが一番好き。当時のモンドミュージックを起点にしたジャズ、サントラ、イージーリスニングなどの古い音楽とクラブでのテクノ、ハウス、そこからさらに派生する
ビッグビートやドラムンベースの融合がどのように起こったかを象徴するようなダンストラック。

Montparnasse – Dolly Catcher EP

池田正典のソロユニットMontparnasseがescalator records傘下のSound for ESCAPEからリリースしたド派手なビッグビートEP。BEATMANIAにも収録されたタイトル曲Dolly CatcherがいかにもUKサウンドな上物にビッグビートが炸裂する最高曲。ちなみにEP最初のOpening Themeもまさにオープニングテーマとしか言いようがないキャッチーさで面白い。

Clara Moreno – Clara Claridade 0001

Joyceの娘、Clara Morenoは日本発で何作かクラブ寄りのボサノバアルバムを出しており、うち1枚ではリミックス集も出していた。海外からはHidden AgendaやJoe Claussell、Ashley Beedleといった大物を起用しつつ、一番、クラブヒットしたのは松田岳二のFeminina (Bambino Samba Mix)! 子どものしゃべり声が入る4つ打ちサンバビッグビート。子ども声はClara自身の子どものころの声をJoyceのレコードからサンプリングしたとか。

Fuzita Blender – Holiday Plug In!

New Compilationで一部を騒がせたFuzita BlenderはPunch The Monkeyの参加を経て、Transonicから本格リリースをスタート。このアルバム収録のSamurai Battle Royale (70,000 Samurai Men Disco)はとてつもなく豪快なギターサウンドと侍の太刀筋が交差する四つ打ちトラック。このサブタイトルは最高としか言いようがない。

Pizzicato Five – In The Bag Record One

初出は違うもののアナログとして手にしたのはこれなので、こっちを掲載。Pizzicato Five版Lesson 3こと、Lesson 3003。Pizzicato Fiveで好きな曲と言われたら真っ先にこれを挙げる。彼らの楽曲に出てくるあらゆるサウンドアイコンを1曲の中に詰め込み、ブレイクビーツとスクラッチで高速展開するまさに世界を1分間に45回転で回すビッグビートの金字塔!

Pizzicato Five – CDJ

Pizzicato Fiveからもう1枚。アメリカのMatadorからリリースされたCDJは野宮真貴の声をカットして、Melodie Sextonのコーラスだけをフィーチャーしたバージョン。これはもうCDJ (The Readymade Mix)が素晴らしい。フィリーソウル風のストリングスを使ったハウストラック。なんといってもイントロの子どもの声「早く音楽をかけてちょうだい!」でノックアウトされる。

Pulse – 3X12 Pulse Remix

高橋幸宏とSteve JansenのプロジェクトPulseのリミックスプロジェクト。田中知之による誰もが好きな大名曲A River Dry (The Girl From The South)が収録。田中自身のミックスCDによって一躍有名になった浮遊感のあるラウンジダンスミュージック。メロディがすごく強い曲でむしろこのまま日本語詞にしたら今のJ-POPとして通用するのではと思う

Dub Master X – Dub Wa Self Remix N°14

Dub Master XのイリーガルリミックスプロジェクトDub Wa Self Remixで一番有名なのは1番の今夜はブギーバックだと思うが、僕が一番好きなのはこの14番に入ってるSMAPのShakeのリミックス。あのDoopのようなイントロを延々と引っぱる4つ打ちトラックからブレイクしてサビが入るのが素晴らしい。

最後の10枚はビッグビートやHCFDM中心に海外のダンストラック。

The Three Amigos – Louie Louie

ハードハウスレーベルのINFERNOから唐突に登場したかなりストレートなビッグビート。そもそもKingsmenの原曲からしてビッグビート的な短いフレーズの繰り返しなわけで、これにデカいブレイクビーツを合わせれば完璧な音になるとしか言いようがない。

The Feelgood Factor – The Whole Church Should Get Drunk

Southern Friedの初期はほぼNorman Cookの変名でこれも彼の変名の一つ。ファンキーすぎるオルガンが暴れまわるハウストラック。なのだが、それよりもこの曲の肝はイントロの説教師?によるがなり立てるようなトーク。それがボーカルになっていき、どんどん煽り立てて、どんどんヒートアップしていく。DJプレイの1曲目に最適な曲の一つ

Columbo Featuring Ooe – Rockabilly Bob

たぶん日本人は誰も知らないビッグビートの隠れ名盤。どうやら、UKのプロデューサーユニットTrailermenの変名らしい。とにかくいなたいロカビリーのフレーズを使ったビッグビート。B面に入ってるRockabilly Bob (Trailermen Disco Workout)はディスコハウスとしてかなり使える隠れ名曲。

Mint Royale – Shake Me

Mint Royaleをビッグビートアクトとして不動のものにした代表曲Shake Me。Original Extendedは使いやすいビッグビートでいろんなDJが使いまくっていたが、キャッチーさで言えばカラフルなコーラスが全編を覆うVocalが上回る。というか、Original ExtendedとVocalが別曲すぎる。

Rocketeer – Zappiness

リリースはイタリアだが、どうやらデンマークのダンスユニットによる隠れビッグビート。Mint Royale路線のカラフルでアッパーなサウンド。Captain FunkがミックスCDに収録していたことで有名になった曲。こういう音は本場のUKよりも周辺国で多くリリースされていた印象。

Beat-Boy – Roof Is On Fire

これもよくわからんビッグビート。これ1作しかリリースしていないアーティスト。WestbumのRoof Is On Fireのフレーズを引用しつつ、Shocking BlueのVenusをサンプリングと言う、バカとしか言いようがないチーキィなダンスビート。このジャケのメンバー写真はPVからのキャプチャだな。これもリリースがハウス系のFreshからなのでさらに謎。

A Very Good Friend Of Mine Featuring Joy – Just Round

この人たちもこれ1曲のみ。イタリアのダンスユニットらしい。原曲はStevie WonderのUptightをサンプリングしたヴォーカルハウスだが、UK盤で追加されたSoul Hooliganによるリミックスがビッグビートど真ん中すぎて最高。ホーンのループが疾走感を全力で作り出していて、これ以上はない傑作。

Jazzedelic – The Estrangeira E.P. (Latin House Excursions)

イタリアのジャズハウスユニットによる名曲。本人がLatin Aspects名義でリメイクしているが、こちらの方がジャジィないかにもな90年代ハウスで素晴らしい。ただし意外と見つからない。ヴォーカルのしっかりと残ったEstrangeira (House-Brazil Mix)もフルート中心のEstrangeira (Eric Daniel Special Flute Version)も両方とも良い。ところで、これ、何語で歌ってるの?

A Touch Of Class – The Rock EP

A Touch Of ClassはNYのエレクトロクラッシュ系のレーベルとして人気を博した。The OnesやScissor Sistersを発掘したレーベルとして有名。彼らの初期のイリーガルなリミックス曲。Michael JacksonのRock With Youをハウス化しているMichael Rocksが極上のボーカルハウス。

Dimples D – Sucker DJ

最後の1枚は超有名なヒップホップというかヒップハウスの大名曲。もちろん好きなのはGenie Mix!! かわいい魔女ジニーのテーマソングをサンプリングして、ブレイクでパンパンパンパンパンピナップ!と叫ぶ最高のヒップハウス。たぶん、ビッグビート時代に一番かかったヒップホップではないだろうか。Jungle BrothersもVIPで同ネタやったし。

ということで、一気に42枚紹介しました。とはいえ、書き終えてから、ああ、やっぱこっちのレコードにすればよかったとかいくらでも思いつくもんですな。
まあ、そのうちリバイスしたりするんかね。


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