私を構成する42枚 (邦盤篇)
前回の12インチ篇が書いてて楽しかったので、邦盤と洋盤もやろうかなと思い、まずは邦盤篇から。
で、前にTwitterにアップしたやつを見てみたら、書きたいやつを数作入れていないのと、12インチの方と被ってるやつがあったのでいくつか入れ替えることに。
前回と同じくDiscogsのリンクをいっぱい貼る簡単な記事です。
TM Network – Carol -A Day In A Girl's Life 1991-
一番最初に好きになったのはTMだった。ラジオ番組を熱心にエアチェックしたりファンクラブにも入ったりした。一番最初に好きになったのはこのCarol。言わずと知れた名盤。名曲中の名曲Still Love Herも好きだが、Carol組曲も好きだし、この時期のTMのBeyond The Time ~ Seven Days War ~ Come On Everybodyという普通のバンドがキャリアで1曲つくれればよいレベルの名曲を立て続けにリリースした小室の才能が怖い。ちなみに松本孝弘のギターが一番聞けるのもこのアルバム。
TM Network – Self Control
というか、87~88年のTMの3枚のアルバムは全部名盤と言ってよい。捨て曲の無さではSelf Controlに軍配が上がるかな。もちろんA面ラストのSelf ControlからAll-night All-rightのつなぎは完璧すぎるが、B面のTime Passed Me By、Fool On The Planetという2大キネバラも2000年代半ばのJ-POPバラード全盛期にリリースされた曲だったら100万枚売れてただろう名曲。そして永遠の名曲Here There & Everywhere。このアルバム、それぞれの曲の副題もいいんだよね。
TM Network – Humansystem
なんといってもTM最強のミディアムバラードHumansystem! イントロのトルコ行進曲の引用からすでにグッとくる。あとKiss You(More Rock)からBe Togetherの流れも素晴らしい。Kiss YouはSEサンプリング使い放題のシングルのほうが好きだが、ライブっぽさのあるこっちの硬質なバージョンも好き。30年以上好きになれなかったResistanceも最近のライブで聞いて、普通のシングルのふりして実はものすごく変な曲なのではと気づいた。
Tetsuya Komuro – Digitalian Is Eating Breakfast
実はこの時期のTM関連で一番好きなのはこの小室ソロかもしれない。人はへなへな声と言うが、僕はこの声はけっこうどころじゃなく好き。Running To Horizonも良いがその次のノンタイアップなのにうっかり松田聖子の連続1位記録を止めてしまったGravity Of Loveがすべての小室哲哉が作曲した曲の中で一番好き。さらにはこの曲のシングルB面のShep Pettiboneのリミックスが一番好き。正直、このソロの路線でTMのアルバムを1枚聴きたかった。
Senri Oe – Sloppy Joe
数年前までEPIC小坂組の中でTMの次に好きなのは岡村靖幸だと思ってたが、最近になって大江千里がTMの次に好きだと気づいた。彼のCDで初めて買ったのはこのベスト盤。ベストというにはかなり偏った選曲なのだが、大名曲Glory Days、Rainが入ってるのだからベスト盤でよいと思う。Stella's CoughやMan On The Earthといった洒脱な曲が入ってるのも良い。しかし、中学生の私にRainが大江の代表曲になるよと言っても信じないだろうな。
Senri Oe – 1234
そのRainとGlory Daysの入ってる大江の代表作の一つ。1曲目にGlory Daysが来るのだからたまらない。何気に全編大村雅朗アレンジという80年代ポップス好きには見逃せないアルバムでもある。そしてここに収録されているサボタージュと言う曲が僕は好き。印象的なピアノリフはChicagoのSaturday In The Parkからの借用と後年知り驚いたが、東京に住む人間の孤独をうたった歌でここまで80年代の切実なリアルさがある曲はないだろう。
Senri Oe – Apollo
大江千里で3枚も挙げる自分に驚くがこれも外せない。ただ、これアルバムとして好きかと言われると悩ましい。とにかく1曲目のアルバムタイトル曲APOLLOが名曲すぎるのだ。「ニュースとリモコンを手に床で肘をつく君と 乾燥機とサイレンとつつじが匂う」という導入、すごすぎないか。アルバムやシングルは割と派手なアレンジだが、テレビなどではピアノの弾き語りにしていてそっちも良い。あとたわわの果実のベースラインは誰かヒップホップに引用されてほしい。
L↔R – Lefty In The Right -左利きの真実-
青春の一枚と言えばこれ。Discogsはなんでかリイシュー盤しか登録されてないがもちろんオリジナルの方をほぼリアルタイムで聞いた。渋谷系と言われるジャンルで一番好きだったバンド。原型となるデモミニアルバムがあるとはいえ、全曲捨て曲無しという恐ろしい1stアルバム。Lazy GirlとHoldin' Out [You & Me Together]、Package...I Missed My Natural [Alternate Mix]が好き。私の洋楽偏差値をぐっと上げてくれた1枚ともいえる。これやっぱアナログ買ったほうがいいな。
L↔R – Laugh+Rough
2ndアルバムもヤバい。前作以上にコーラスワークが充実したのはここから嶺川貴子が本格参加したからか。Younger Than YesterdayとかRights And Duesのポップスとしてのマジックを感じさせる名曲、One Is Magic (and The Other Is Logic)のプログレのような展開、そしてアマチュア時代に制作し、バンドコンテストの審査員だった小室哲哉が激賞したという名曲(I Wanna) Be With Youはイントロのコーラスに引き込まれる永遠の名曲。
L↔R – Lost Rarities
あまりにもさわやかすぎるシングル曲、Tumbling Down ~恋のタンブリング・ダウン~とそのカップリングでL⇔R屈指のミディアムバラードRaindrop Traces ~君に虹が降りた~を収録した企画盤。両方ともメンバー4人のコーラスワークが極限まで洗練され完璧なポップミュージックとなっている。途中途中に挿入されるラジオジングルも良い。あとやっぱりこの3枚のJean‐Philippe Delhommeのイラストは最高だよね。
Misato Watanabe – Tokyo
このアルバム、最初は入れるか迷ったんだけど改めて聞いてみたら、あ、好きな曲だらけだと気づいたので入れることに決定。渡辺美里が自身で作曲したサマータイムブルースを筆頭に、岡村靖幸が美里に提供した最高傑作の虹を見たかい、きらきらとしたポップロックでまさに美里の真骨頂なBoys Kiss Girlsといった充実した楽曲群、個人的には美里屈指のダンスチューンPositive Dance、この時期の小室らしさのあるロックテイストなTokyoも好き。
Misato Watanabe – ribbon
でも、美里の最高傑作はribbonなのは間違いないだろう。全曲美里らしさがあふれたポップソングの嵐。新曲だけのベスト盤のような充実した楽曲群が素晴らしい。90年前後に中高生だった人はこのアルバムの何曲かは知ってるだろうというくらいにみんな聞いてたアルバム。一番好きなのはラストの10 yearsかなあ。
Pizzicato Five – Big Hits And Jet Lags 1994-1997
Pizzicato Fiveで一番好きなのはちょっとずるいけどベスト盤のJPN。12インチのほうでも書いたけど、やはり頭のLesson 3003 Part 1が至高。5分35秒の魔法のような時間。そこから続く、東京は夜の七時 (レディメイド MFSB ミックス)はこの曲のポップさを一番強調したミックス。そこから、ラストの大都会交響楽まで、まるで1枚のコンセプトアルバムのように完璧なベスト盤。森本美由紀のイラストも最高。
Pizzicato Five – Pizzicato Five TYO - Big Hits And Jet Lags 1991-1995
Pizzicato Fiveのベスト盤では先に出たTYOのほうも好き。ここにしか収録されていないHappy SadのCornelius Rock 'N' Roll Orchestral Circusバージョンは原曲とは違うグルーヴィさがあって好き。Thank You~Magic Carpet Ride~We Love Pizzicato Five~万事快調という怒涛の展開も良い。あとCDJがMatador盤のやつに野宮真貴のヴォーカルが入ったバージョンでこれもアナログになったらいいのにというやつ
Pizzicato Five – The International Playboy & Playgirl Record
でもって、Pizzicatoで一番好きなオリジナルアルバムはダントツでこれ。そこまでダンストラックという感じではないのだが、一番、踊らせる曲が多い印象。フリーソウルと渋谷系から始まる東京の小箱文化が花開いた結果誕生した日本のレコードカルチャーの影響を小西康陽が最も大きく受けて、最も昇華していた時代に生まれた1枚。新しい歌とWeek-endの双子のような楽曲も良いし、徹底的にハッピーなPlayboy Playgirlも素晴らしい。1曲目の不景気と言うタイトルは小西らしさのあふれたタイトル。
The Flipper's Guitar – Camera Talk
フリッパーズギターなら、好きなアルバムはやっぱりCamera Talkになる。まあ、そりゃあね、自分が一番最初に聞いたのはご多分に漏れず恋とマシンガンだからね。渋谷系という要素のすべてがこの1枚に詰まってると思う。アルバム曲ではBig Bad Bingoがすごく好き。あと、なんでこのアルバムではCamera! Camera! Camera!をこんなチープなテクノポップにしたのかが全く分からないけどでも好き。
Flipper's Guitar – Colour Me Pop
オリジナルアルバム以外も含めて考えるとこのベスト盤と言うにはかなりキッチュなコンピ盤Colou Me Popがすごく好き。CD1枚にまとまってるのが奇跡としか言いようがないめくるめくポップアルバム。もし、フリッパーズギターというバンドが1枚しかキャリア中にアルバムを作らなかったら、この盤のような形になったのだろうという集大成のような作品。上記のCamera! Camera! Camera!もシングルのギターポップバージョンだし。
Long Vacation – Drive To The 21st Century
渋谷系で一番好きなのは渋谷系のさらにフェイクバンドのようなLong Vacationかもしれない。これはベスト盤と言いながら全編リメイクされたキャリア集大成のアルバム。前半のドキャッチーなポップソング集と後半のメランコリックな楽曲群の対比が面白い。ぶっちゃけこの人たちを通じて知ったネオアコの曲も多い。太陽の下の18歳の原曲が後にオルガンバークラシックになったのにはビビった。いつかアナログ盤になりませんかね。
Long Vacation – After Summer Lovers
Long Vacationで一番おススメできるのはこのライブ盤なんだが聞く手段がなあ。黄金の七人のテーマから始まり、What’s New Pussy Cat?やあなたのとりこまでカバーする渋谷系ど真ん中のような選曲と直近のアルバムSummer Loversの究極におしゃれなポップソングが奇跡的にかみ合った名演盤。しかし不幸にも日程が再生YMOの東京ドームと被ったらしい。特に収録曲ではロシュフォールの恋人たちが双子姉妹の歌のサンバカバーというこれ絶対美味いやつでおススメ。これもアナログ盤にしませんかね。
Y.M.O. – Techno Bible
そのYMO、僕はもちろん後追いでちょうど再生が始まる前夜、ALFA商法が活発化するころにボチボチと聞くようになった。その中でもリリース当時話題だったTechno Bibleは、まあボックスセットだけあって今見ても過不足なく充実したアルバムだと思う。初期・中期・後期に分けたオリジナルトラックもライブ音源も、そしてリミックスなどを収録したボーナス盤も聴きごたえはたっぷり。リミックスはここでしか聞けない音源もあるし。
Yellow Magic Orchestra – YMO Go Home!
これは大人になってから買ったベスト盤だが、実はYMO音源では一番好き。細野晴臣選曲監修でちょっとレア音源も入ってるし、細野がライナーノーツを書いてるのも良い。YMO成分が自分に足りないと思ったときに聞くのにちょうどよい2枚組ベスト盤。RydeenもCueもNice Ageも君に胸キュンも入ってる1枚目の方をついつい聞く回数が多くなるが。一番好きな以心電信も1枚目だし。
YMO – After Service
で、オリジナル盤だと一番好きなのがAfter Serviceだともはやなめてんのかお前はとYMOファンに怒られそうではあるが仕方ない。音圧のバランスも全体的な音のまとまりの良さもすごくいいと思う。今はLP盤と同じく19曲の2枚組だけど僕が聴いてた頃は16曲で1枚に収めていた。まあ、のちにBrian EnoがミックスしたComplete Serviceが出るわけだが。
Original Love – 結晶 Soul Liberation
Original Loveの結晶は全曲ソラで歌えるくらいにはヘビーローテーションしたアルバム。全体的にアシッドジャズの影響が大きい時期なせいもあるか、やや冗長な長さだけど、ほんとソングライティングのクオリティが高い。月の裏で会いましょうとVenusという初期の2大代表曲ももちろん好きだが、一番好きなのはMillion Secrets Of Jazz。あとFriendsも好き。今の田島貴男がやらないタイプの曲ではあるが。
岡村靖幸 – 家庭教師
家庭教師までの岡村靖幸は、日本のポップミュージックシーンで最も優れたミュージシャンの一人だったことに異論がある人はいないだろう。僕はどぉなっちゃってんだよを初めて聞いたときの衝撃を未だに覚えている。むちゃくちゃなのにドPOPなメロディと今までのどのミュージシャンとも違う歌詞、そしてアルバムが発売されて聞いたカルアミルクの衝撃。まあ一番好きな曲は(E)naなんですけどね。
Kenji Ozawa – Life
その家庭教師と同じくらいのアルバムの衝撃はオザケンのLIFEにもあったかもしれない。フリッパーズの影響からいち早く抜け出たという印象を与えた愛し愛されて生きるのさのキャッチーさは初めて耳にした日を忘れられない。とはいえ、これもまたOriginal Loveの結晶と同じで全編に曲が長すぎる。今なら全部半分の長さでリリースするだろう。本編で一番短いのが愛し愛されて生きるのさなのは意外。
松岡英明 – Visions Of Boys
松岡英明で最初に好きになったのはシングルのVisionだったのだが、アルバムとしてはこのVisions Of Boysが圧倒的に好き。布袋寅泰とホッピー神山という奇才二人のプロデュースのもとで18歳の新星が英語詞のシングルを先行にしてアルバムを出すというのは今考えるとすごいコンセプト。村松邦男や原田真二が作曲で参加しており、特に原田真二作曲のabsenseは僕のオールタイムフェイバリットに入るくらい好きな曲。ピアノとサックスとギターが暴れまわる間奏がすさまじい。
Tomoyasu Hotei – Guitarhythm Ⅱ
その布袋で一番好きなのはGuitarhythm II。まあBeat Emotionで中学生はみんなやられたよね。あのむやみやたらと長い導入部しびれるしかない。ギタリズムというタイトルのわりに全体の印象はニューウェーブな感じでロックは好きではなかった中学生には意外とすんなり聞けた。Radio! Radio! Radio!も今聞いても好き。あとはやはりStarman。正直、デビッドボウイの原曲よりもこっちの方があってる気がする
Buck-Tick – 殺シノ調ベ This Is NOT Greatest Hits
当時の王道ロックバンドで、ロックの耳じゃなかった自分にもすんなり聞けたバンドと言えば、Buck-Tickもそう。全曲新録のベスト盤。このころ、こういうのけっこうあったな。べたに良い曲のJust One More Kissも入ってるが、何と言っても好きなのはJupiter。12弦ギターの幻想的なバッキングが全編を覆う名バラード。他にもOriental Love Storyとかこのバンド、ロマンチックな曲に当たりが多い。
Eiichi Ohtaki – A Long Vacation
やはり90年代以降から音楽を聴いてる人間には狭義のシティポップって基本的にダサい音楽に聞こえるんですよ(暴論) そんな中で後追いなのにちゃんとかっこよく、好きなアルバムとして聞けたA Long Vacationはやはりすごいなと。君は天然色で始まり、さらばシベリア鉄道で終わる日本産ポップスの金字塔。そもそも君は天然色のイントロが始まった時点で成功が確証されたアルバム。
Spiral Life – Spiral Move~Telegenic 2
とかく当時のUKロックパクりすぎとか、フリッパーズ意識しすぎとか、割と評価の毀誉褒貶があるSpiral Lifeですがこのアルバムは本当に良いですよ。彼らが4人組バンドだったらたぶんもっと評価されたんじゃないかなあ。20th Century FlightはScreamadelica以降の日本のポップミュージックとしてトップクラス。フリッパーズギターのヘッド博士をJPOPに接続した作品として作ったアルバムと解釈するのが良いんでは。
Soon - Million Years Gardener
まさかのDiscogs未登録。Soonは村上広一と島津正多の二人組ユニット。渋谷系的なギターポップをリリースしていて、高橋幸宏も一時期プロデュースしていた。これは一番最初のミニアルバム。アルバムからの連想と言うわけでもないが不思議に密室感のあるギターポップでよい。特に表題曲のMillion Years Gardener(永遠の庭師)は今でもたまにサビを口ずさんでしまう良メロディ。
Chage & Aska – See Ya
でも僕が一番好きな2人組JPOPは実はチャゲアスかもしれない。本当は2,3枚入れようかと思ったが、1枚に絞ってこれに。ロンドン録音の効果があったのかわからないが、Chage & Aska史上最も(というか唯一)オシャレな雰囲気のアルバム。最後の太陽と埃の中でが後のチャゲアス風スケールのデカいポップスの始まりではあるが、一番好きなのは先行シングルのDo Ya Do。イントロのストリングスからして、Shep Pettiboneがリミックスしてもおかしくないような軽妙なサウンド。
最下段はややクラブ寄りの10枚。
Cornelius – The First Question Award
とはいえ、これはまあ上の段でもよかったかも。もちろんFANTASMAも好きなアルバムではあるが、一番いっぱい聞いたのは1st。一番好きなのはRaise Your Hand Together。小山田が作った曲で一番好き。あとはやはりCMで何度となく聞いたTheme From First Question Awardなんだけど、初めて聞いたときにインストなのでちょっとがっくりきたのもまた事実。まあ、プロモのライブ盤とかTRATTORIAの100番記念とかで歌入りも出たけど。
Doopees – Doopee Time
ヤン富田による架空のミュージカルのような音楽絵巻。なんといってもDoopee Time! かわいい魔女ジニーのテーマをサンプリングしたキュートすぎるブレイクビーツ。モンドブームに結果的に呼応した孤高のラウンジビーツ。これに続くHow Does It Feelのカバーもかなり好き。フィルスペクターサウンドの再現ではあるのだが、なんとなく大瀧詠一っぽさのあるアレンジ。しかしなんでヤン富田の諸作ってアナログにならんのだろ。
Soichi Terada + Shinichiro Yokota – Far East Recording
今はメガドンキになってる渋谷HMVの地下のテクノのコーナーの試聴機に入ってた奇妙な1枚。それがFar East Recordingの君が代リミックスだった。そして、一緒に試聴機に入ってたのがこの1枚目。いわゆるジャパニーズアーリーハウスだが、Got To Be RealやPurple Haze、Let's Grooveといったカバーモノもあったり聞かせる度合いはけっこう高い。当時黎明期のインターネットを学校からつないで、FERのホームページを見てディスコグラフィを細かくチェックしたのも懐かしい。
Nobukazu Takemura – Child's View
竹村延和がエレクトロニカ~現代音楽化する前のアシッドジャズ、ダウンテンポ時代の1枚。カテゴリー的にはUnited Future OrganizationとかMondo Grossoとかと同じ箱に入ってた。なんとなく女性ボーカルでドラムンっぽいリズムが多いこともあってか、GoldieのTimelessと同じ感覚で僕は聞いいてた。今聞いてもどの曲もむちゃくちゃおしゃれだと思う。
Denki Groove – UFO
そりゃあまあVITAMINは名盤だし、Aも良いんだけど、結局一番聞いたのはUFOなんだよなあ。1曲目からB.B.E.の疾走感のあるでたらめなラップに心をつかまれる。Mud Ebis (Chimimix)とかちょうちょも浮遊感がいいんだよなあ。Mud Ebisは本人たち嫌いらしいけど。しかし、今久々に聞いたら、記憶にない曲あるなあ東京クリスマスとかモンキーに警告とか。
Yoshinori Sunahara – Crossover
とはいえ、電気関連のアルバムで一番好きなのはダントツでまりんのCrossoverではある。モンドダンスミュージックの金字塔。そもそも1曲目のMFRFMからして期待感を超えるスタートする最高のアルバム。スティールパンを積極的に使ってる辺りも良い。そして何と言っても超名曲Clouds Across The Moonのカバー。原曲の雰囲気とほぼ同じなのに原曲以上に良い名カバー。Sandiiにカバーさせたのは発明だよなあ。
Fantastic Explosion – Fantastic Explosion
後期Transonicというよりも90年代後半の日本で独自発展したモンド・ラウンジダンス文化の傑作こと、永田一直のFantastic Explosion。ドラムンベースと昭和を組み合わせたセンスのすばらしさ。総会屋VS通り魔VS宇宙人とか首都圏とか東京モンテカルロとか、タイトルがいちいちすごいうえにイリーガルすぎるサンプリングもすごい。でも一番好きなのは割とストレートなFantastic Carnivalだったりする。
Fantastic Plastic Machine – The Fantastic Plastic Machine
90年代後半のモンド・ラウンジダンス文化のもう一つの傑作、さらに言えば、一瞬の輝きとともに消えたHCFDMの結実Fantastic Plastic Machine。1stのThe Fantastic Plastic Machineはイントロ的なBon Voyageから続くL'Aventure Fantastiqueの完璧さにノックアウトされた。今聞くとビッグビート的というよりも、むしろ、カットアップハウス的でもあり本人もAkufenより5年早かったと言っていた。Bachelor Padとか野宮の参加したDear Mr. Salesmanとか砂原の参加したFirst Class '77とか当時のHCFDMのすべてがここにある。
Fantastic Plastic Machine – Luxury
初期FPMは2ndもあげざるを得ない。There Must Be An Angelのインパクトがとにかく最高なのだが、むしろ、それ以外のオリジナルのヴォーカル曲がよい。Electric Lady Land、Bossa For Jacky、Lottoどれも素晴らしい。ボーカルにSimon Fisher TurnerとかAndreas Dorauというそこに来たかという人選もすごい。You Must Learn All Night Longは日本産ビッグビートの傑作ですな。
Sunaga t' Experience – Собака ~Crouka~
今知ったんだけど、これ今度のCity Pop On Vinylでアナログ化するのね。須永辰緒の名作1st。ジャズ、ブレイクビーツ、ハウス、ブラジル、電子音楽、宇宙趣味などなど、このアルバム時点での彼のすべてを盛り込んだ1枚となっている。DJが作ったアルバムとしての最高峰の1枚。東京のクラブクラシック的位置づけとなったIt’s Youのカバーも素晴らしいが、もう1枚のシングルになったメロウなクラブジャズトラックにラップがのるTimes 24h By Starlightが好き。
書いてみたら、またこれ入れてなかったなとかこれ入れなくてもよかったなとか出てきたけど、まあいいやという感じ。洋盤編もやるかどうかは考え中。