見出し画像

11.よくお参りくださいました。労いとご馳走と。

奈良への祈りの親子旅。


どちらへ伺っても、よくお参りくださいました。と歓迎していただき、
般若心経を一緒に唱えてくださり、
太鼓のようなものを叩きながら、弥勒菩薩の前を般若心経を唱えながら参拝者で輪になって歩いたことも。
どちらでも、私たちを修験者のように大切にお迎えしてくださるのです。

奈良の天河村のみなさん、ほんとうにあたたかくてありがたい時間でした。



6月の夏至に一度崩壊して、
骨がなくなってしまったようになって、
<祈る>ことから始めた日々の、集大成のような旅でした。

日々、わがやのマイ祭壇に飾る、
草場一壽さんの菩薩さまたちと出会い、
幼子と、見様見真似で唱えていた般若心経と出会い。

私が、何にも力がなくなってしまって、
望むことも、欲することもできなくなって、

そして、
ただただ、<祈る>ことしかできなかった日々を

それでよかったのだ。と、
よくここまであゆんできたね。と。

まるで、よちよち歩きの赤ちゃんを、
こっち、こっちにおいでと、手をたたいて、導き、
懐に入ると、よく、ここまできたね。と、抱きしめてもらったような。

とてもとてもあたたかい旅だったのです。



不思議だったのは、
子どもたちの通う学校は、ドイツが発祥の教育なのだけれど、

その教育の名を知っている方には、あまり出会ったことがなくて、
普段は、あまり詳しく説明しないのですが、

母公堂の和尚さんが、とても和やかに、子どもたちの学校のことを尋ねてくださって、ご存知ないかもと思いつつ、ご説明すると、

「ああ、聞いたことがありますよ。
 私は、昔、ドイツにいたことがありまして。。。」

なんと。。。

奈良の天河さんで、ほんとうに面白い出会いです。



山の入り口にて、
修験の道に入る息子を案じて、祈り続けた母。
祈る母のために建てられた、母公堂。

この先は、女人禁制だという、その場所に立つと、
なんとも言えない、冴えわたる空気を感じて、胸がいっぱいになりました。


奈良の天河村を後にして、向かったのは、
お馬さんのいる神社さん。

私に付き合ってくれた子どもたちを喜ばせたいと思っていたところ。
最終日にお宿に宿泊をしにきたお客さんに教えていただきました。

日本最古のお水の神社があり、そこには、お馬さんがいるとのこと。


画像1

画像2


神社のお馬さんにも出会い、お参りもすませ、
さあ、次は、子どもたちが会いたがっている鹿に会いに。
春日神社へ。

と、車に乗るために駐車場に向かうと、

ご近所に住う、男性が朗らかに声をかけてくださいました。

「どこから、来たの?」

「ちょっと、あがっていきなさい。
 ちょうどいい塩梅で、ごはんが炊きあがるから」


私は、もう、どんな展開になるのかしら!とドキドキして、
でも、突然お家にお邪魔するなんて、、、
と躊躇していると、

人懐こい子どもたちは、わあ!と嬉しそう。

もう、ほんとうにどうしましょう、、、と思いつつ
お言葉に甘えて、あがらせていただきました。

一歩足を踏み入れて、
思わず感嘆の声をあげました。

なんて、すてきなおうち!

山小屋アーティストさんのようなおうち。



大きなキラキラとしたお仏壇があって、
ご挨拶させていただきました。

すると、その男性は、にこにこして、
「いいときに来たねえ!さあ、お食べ。」

と、準備してくださったのは、
なんと、なんと!

松茸ごはん、松茸のお吸い物!

いただきものなんだよ。
この山で獲れたもの。

こんなに大きな松茸はお店には流通しない貴重なものなんだよ。

みんな、ほんとうにいい時に来たねぇ!」


そして、食べなさい。食べなさい。
とお茶碗に盛って、ふるまってくださるのです。

ひゃあ!

日本昔話に入り込んでしまったかのような展開!

信じられない気持ちでいっぱいの私をよそに、
長男は、おかわりまでいただいて!

こんなに、大きな松茸も、
こんなに香り高い松茸も、
未体験です!

奈良のみなさんのあたたかさ、
旅の者を分け隔てなく迎えてくださる、あたたかさ。

お寺さんだけではなく、一般のおうちの方も、
私たちのような、どこの馬の骨かもわからない旅のものを、
よくお参りに来たねと、歓迎してくださるなんて!

なんて、あたたかいのでしょう。。。泣



しかも、これから、どこに行くのか?

よかったら、泊まっていきなさい。


なんと、宿泊まで、誘ってくださるなんて。。。

お泊まりは、お気持ちだけありがたくいただき、
おいとますることに。


そうするうちに、奥さまも、戻っていらして
美しい鈴もこどもたちにプレゼントしてくださって。

なんだか、夢のような時間でした。


旅は続きます。。。


このときの私は、この旅が一体何を意味しているのか分からず、
ご褒美をいただいているような気持ちでいっぱいになっていました。

そして、
おそらくうまれる前から約束していたであろう、
お役目の旅に、

既に次男坊が、足を踏み入れていることに、
気がつかずにいたのです。


4年経った今だからこそ、
どんな想いで、この旅に連れてきてもらえたのか、
(私が、次男と長男と、そして見えない存在たちに連れてきてもらった)

考えるだけで、胸がいっぱいになり、
涙があふれます。


続きは、また明日。

今日もお読みくださり、
ほんとうにありがとうございます!

愛しい日々を。


咲多美唯喜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?