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やったことないことをやるといい

グラフィックス

梅雨入りしたばかりで、これから夏に向かって行こうという時期に、季節感のないグラフィックスですみません。

Photoshopで簡単につくれるんですよ。

プラグインというのを使ってます。Photoshop使いの方なら、ああアレね、というでしょう。

これを手で描いたら、けっこうな手間です。それがチャチャッとできてしまうところが、ありがたみに欠けてしまう。だって描いてないですから。

色の変更なども自由自在。極小にも巨大にも(プリントすれば)なります。

いかようにも変更が効きます。

デザイナーやイラストレーターさん達は、「変更が効くように」データをつくるのが一般的です。

いつクライアント様のひと声で、変更が入るか分からないからです。デジタルはそれを容易にしました。昔は手作業で版下をつくっていましたから、変更や直しが面倒くさかったのです。

油絵教室に、デザイナーを引退したというNさんが入ってらっしゃいました。

さすが元デザイナーだけあって、創造力と色彩感覚が独特で、「そういう表現もあるのか」と感心するばかり。

とはいえ、お人柄も独特で、「後期高齢者ですから」といいながら、髪はロン毛だし(後ろでひとつに縛ってます)、Tシャツの柄もオシャレでした。

はじめは先生も「入会を希望されていますけど、どうします? みなさんが良ければいいと思いますが、どうでしょうか」と半信半疑なご様子。

あまり和を乱すような人は敬遠されるのです。

大人の集まりですから。

やんちゃは絵の中ですればよいのであって、実生活は紳士淑女が望ましい。

でも、いざ一緒に絵を描くようになってみたら、Nさんは紳士でした。付き合いもよく、女性陣とお茶を飲みながらお話をしました。

創作に関しては、先生のいうことをきくこともありますが、きかないことも多々ありました。

自分はどうしてもこうしたいのだという確固たるプランがおありなのです。

独特の作品を描いて見せてくださいました。

こっそりネットでお名前を検索してみたら、現役時代にはとても素晴らしい業績を残されていました。

「お茶に誘ってあげなくちゃ。仲間外れにしたらかわいそうだから」などといっていたのが、滑稽な感じがしましたが、まあ、それはそれですかね・・

先生に「これをやってごらんなさい」といわれたNさんが「やったことないです」と答えると、

「やったことないことをやるといい」

とのことでした。

そのNさんの個展に行きそびれたのは、取り返しのつかない失敗でした。

個展のお知らせをいただいてから、楽しみで楽しみで、常に持ち歩いたほどだったのに、風邪をひいてしまったのです。

といっても、いま流行りのコロナほどひどくはなかったので、すこし無理をすれば行けたかも知れないと思うと、何とも悔しいかぎり。

風邪をひいて、ボーッとしてたので、気がついたら終わっていたのですよ・・

Nさんが、「一生に一度の個展」と思って開催したのだとしたら、これ以上の失態はありません。

どうか、気力をふりしぼって、もう一度個展をやってくださらないでしょうか。

個展が終わったあと、Nさんは教室をやめられたので、お会いする機会もなく、寂しいです。

お元気でおられることを祈ります。


見ていただいてありがとうございます。イラスト・デザイン・コミックを手がけています。よろしければポートフォリオをご覧ください。 https://salon.io/nobuko/nobuko-portforio