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#7|日本の地方に空き家が増える5つの原因 【空き家再生】

皆さんの周りにも空き家になっている家や、
実家が空き家になっている人もいるのではないでしょうか?

日本の空き家は年々増えています。
その数、近々20年で2.1倍(149万戸→318万戸)に増えています。

なぜそんなに空き家が増えていくのか?
現役リノベーションデザイナーの目線で日本の地方に空き家が増える原因と実態を踏まえて深堀しました。

日本の空き家率の推移

こんにちは、365 WORKSのフジイです。
リノベーションデザインを生業としながら、
「ヴィンテージ賃貸 × 空き家 × 地方」をテーマに
不動産業を営んでいます。

地方の空き家を“リノベーション”と“賃貸業”の目線で解決すること目指しています。

結論:人が減る=空き家が増える
理由:空き家が増える5つの原因
経験談:解決するには魅力的な人を集める
まとめ:地方に余っている場を誰かのチャレンジのために

結論:『人が減る=空き家が増える』

先に結論を言ってしまうと、空き家が増えていく原因は
その町から『人が減る』に尽きると思います。

単純な話ではありますが、日本の人口が減っています。
更に都心の一極集中も相まって町から人が減っていきます。

しかし人は移動できても、家は動くことができません。
“不動”産といわれる所以ですね。

そうなれば地域に必要な住宅の数も少なくすむようになり、
相対的に使わない家が増えていきます。

ではなぜひとが減っていくのか?
その原因を深堀していきます。

空き家が増える5つの原因

原因1. 人口減少と高齢化

これが一番大きな要因かもしれません。
若年層の都市部への流出と少子高齢化により、地方の住民数が減少しています。

住む人口が減る→必要な住宅数が下がる→空き家が増える

単純な要因です。しかし深刻な要因でもあります。

原因2. 都市部への集中

経済や仕事の機会、教育機関などが都市部に集中しているため、若者や家族が都市に移住することが多く、地方から人口が流出しています。

そうすると地方の経済活動や雇用の減少により、地域の魅力が低下し、空き家が増えています。

原因3. 建物の老朽化

「家は人が住まないと一気に死ぬ」とよく言われます。
空き家は長期間放置されることが多く、建物の老朽化が進んでいます。

老朽化した建物はリノベーションが難しく、修繕や改修が困難な場合があります。

手がつけられなくなり、崩壊を待つしかないような状態になり空き家が増えていきます。

原因4. 維持管理の難しさ

所有者が遠方に住んでいる場合や相続問題などで、
空き家の維持管理が難しくなることがあります。

それは近くに住んでいないという「距離的」な問題もあれば、
面倒な住宅の相続や解体など「法律的」な問題もあります。

空き家がどれだけ朽ちていても、所有者がアクションを起こさなければ他人は手をつけられず、#02で語ったような影響が出てきます。

原因5. 地域振興策の不足

根本的に「町に魅力がない」というパターン

地方の経済振興や観光などの地域振興策が不十分な場合、地域の魅力向上が進まず、若者の地方定住や新たな住民の流入が難しい状況となります。

地域に元気がないと住みたいと思う人が増えず、移住も進まないことが、空き家の増加につながっています。

解決するには魅力的な人を集める

これらの要因により、日本の地方では空き家の問題が深刻化しています。

現状、手間やコストがかかる空き家に投資する人は少なく、放置されがちで大きな解決には至っていません。

結論、空き家問題に対する継続的な取り組みとして考えられるのは「町を魅力的にする」こと。

町の魅力といえば、「観光スポットがある」「有名なお祭りがある」「映えスポットがある」など“場”的なイメージがあります。

しかし深く見ていくと、それを思いついた人盛り上げようとしている人がいます。
野望をもった人がいて初めて、面白い場所や仕事、文化やカルチャーなどが生まれてきます。

つまり町の魅力とは「人の魅力」でもある訳です。

そのためには地域で誰かが何かを“やりたい”と思える環境や土壌が必要で、それらを“応援する仕組み”がないと、わざわざ地方でチャレンジしようとは思えません。

つまり「誰かの“やりたい”を応援する仕組み」「持続可能な場づくり」が必要不可欠です。

まとめ|地方に余っている場を誰かのチャレンジのために

何かを“やりたい”と思っている人の中には、“場”を求めている人がたくさんいます。

それは、
・テナントにして事業をする
・リノベーションしておしゃれな家に住みたい
・イベントを開催したい

などかもしれません。

具体的にそういった誰かの「やりたい」ために、空き家の活用を推進している地方や自治体がたくさんあります。

またの機会に紹介をしますが、そういった試みをすることで地方に魅力が戻り、人が戻っていきます。

その誰かの“場”として、田舎にたくさん余っている空き家をいつでも誰でも使えるようにして、誰かのチャレンジができる場にすること。

それがリノベーションデザイナーの自分が、現在の地方でできることの一つなのかと考えています。

その手段の一つとして、空き家を効率的にサルベージ(救出、再利用)し、リノベーションし、その人たちのために賃貸や再販を進めています。

「ヴィンテージ賃貸 × 空き家 × 地方」をコンセプトに住みやすい環境づくりをして、地域の魅力を高めることで、空き家の解消と地域の活性化につながってくはずです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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