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365日ライカ:006 プロが使うカメラとは。そしてキヤノンとニコンの違いについて

僕は社会人キャリアを編集者としてスタートさせています。そのため数多くのプロフォトグラファーの現場を見てきました。

そして今も彼らと一緒に仕事をしています。

これはフォトグラファーでもある自分にとって、大きなアドバンテージだと思っています。いずれ独立するアシスタントやスタジオマンとしてではなく、編集者あるいはライターとして現場を共にすることで、常に最新のいろんなフォトグラファーの仕事の裏側に触れられるからです(実際、編集者から転身した写真家も少なくありませんし、優れた写真家が優れた編集者であることも珍しくありません)。

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Leica SL, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

もちろんプロフォトグラファーとひとことで言っても、いろんなジャンルが存在します。ここでは主に、雑誌や広告あるいは写真集を主戦場としてポートレートを撮影しているカメラマンにスポットを当てます。

そんなプロたちがどんなカメラを使っているかというと、2020年現在の主流は、キヤノンかニコンの一眼レフです。その中でもフラッグシップ、あるいはその一つ下のプロ/ハイアマチュア向けと言われる機種のいずれかがほとんどです(キヤノンで言えば1D系あるいは5D系。その中でも最新機種とは限らない)。そこにソニーのα7系が続きます。

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Leica SL, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

僕の皮膚感覚としては、キヤノンが5、ニコンが3.5、ソニーが1、その他0.5くらいの割合ですが、これにはいくつかの理由が考えられます。

まずは、歴史。彼らが雑誌や広告でメインを張って仕事をできるキャリアの持ち主だということ。ベテランであればかつてはハッセルブラッドの中判フィルムで撮影し、その後キヤノンかニコンで機材を揃えてきたという流れがあります。また若手であれば、そんなベテランの弟子として働いていたことから、彼らの流儀を受け継いだという流れがあります。

そして、システムの安定性(これも歴史を紡いだ理由の一つです)。雑誌や広告の現場では、クライアントやヘアメイク、スタイリストといった関係者がその場で写真を確認できるよう、カメラをMacに繋いでテザー撮影するのが主流です(ちなみにここで使うソフトは9割Capture One。Lightroomはほぼ見かけません)。

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Leica SL, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

そんなテザー撮影の接続安定性や、カメラやレンズの相性など、総じてキヤノンとニコンの一眼レフ機は信頼性に優れています。ソニーのα7をはじめとするミラーレス機は、実質コンピューターとしての側面が強く、(最新機種であるほど)フリーズ等の問題でそこに劣るのが現状。

仕事道具は、安定性、性能、そしてハッタリ(これ重要)と価格を天秤にかけた際のバランスが重要です。その観点から見れば、キヤノンとニコンの一眼レフ機が優秀だったという歴史と、それに連なる現状があるということですね。

ちなみにキヤノンとニコンの差がどこにあるかというと、(マーケティングの差は別として)キヤノンが自社でセンサーを作っているのに対し、ニコンは他社に外注しているということから来る、将来性の違いが一番大きいと思います。

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Leica SL, Apo-Summicron M 50mm ASPH.

と、ここまでプロのカメラ事情についてお話ししてきましたが、おそらくは今後この流れは大きく変わってくると予想されます。その理由をざっくりご説明すると以下の通り。

・カメラ性能の平均化(人体の限界への接近)
・SNS世代フォトグラファーの台頭
・ミラーレス機の開発強化

そして、これらが生むであろう新たな潮流が「“必殺技“時代の到来」と僕は予想しています。

全然ライカの話じゃなくなってますが、それはそんな“今後の話“と繋がってきます。

ということで、続きはまた次回、あるいはそれ以降に書こうと思います。


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