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「いのちの車窓から」を読み終えました。

こんばんは、moikoです。

突然ですが、星野源さんのエッセイが好きです。元々楽曲が好きだったのですが、以前出版された『そして生活は続く』を読んで、星野源さんの文章が好きになった私です。最近、星野源さんの最新エッセイ(とは言っても発売は今年の1月なのですが)『いのちの車窓から』を読み終えました。

私は、星野源さんが書く文章は楽曲と似てるんじゃないかなと思います。ポップで明るくて軽いけど、深くてどことなく寂しさも感じる。

新垣結衣さんと共演した時の感想が書いてあると話題になっていましたが、実際に今夫婦になっていることを考えると、ちょっと微笑ましい内容だなと思いました。結構音楽作りについて書かれていることが多いという印象で、それは多分『そして生活は続く』を出した時より、ものすごく星野源さん自体が売れっ子になったからなのかなと思いました。有名人ならではの苦悩があり、それでも、いち人間としての自分を大切にしたいという気持ちが感じられました。

どのエピソードも星野源さんらしい、ちょっと斜めな視点から書かれていて面白かったです。特に、あとがきが一番面白かったかもしれません。文庫版用の長尺なあとがきもあってお得な感じでした。(私は作者のあとがきがとても好きなんです。)

10年ほどエッセイを書き続けて気づいたことですが、文章のプロとは、ありのままを書くことができる人ではないかと思います。

『いのちの車窓から』(角川文庫)あとがきより

星野源さん曰く、「伝達欲」というのが人間にはあり、その中の一つとして「これを伝えることによって、こう思われたい」という自己承認欲求が生まれやすく、音楽にもそれはあるそうです。文章力をそういうエゴやナルシズムを満たす為に「書く」のではなく、削ぎ落すために「書く」ことを使っている人が、「文章のうまい人」だと思うそうです。

なるほど。なるほど。なるほど。

たくさんうなずいてしまいました。文章に「個」は必要ですが、「エゴ」は必要ではないということなのかな。確かに、うまく言えませんが、私はこうだ!と声高に言う文より、あんまり作者自身が見えない文の方が伝えたいことをよく伝えているのかもしれないなと思いました。

星野源さんのエッセイは、読んだ後にいつもじんわり心が温かくなります。
今、心がちょっと疲れている方がいたら、私はオススメしたいです。






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