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あの時、あなたに出会ったのは

膨大なタイムラインに流れる記事の中にあって、なぜかチカチカと瞬いて私を呼んでいた。
引き寄せられるように、読む。
『記事なんて摂取するものだ。
読み飛ばして、結論だけを知りたい』
傲慢にもそう思っていた時期もあった。
でも、
そんな斜に構えた考えは粉々に吹き飛ばされた。
どんどん絡め取られてテキストの中へ没入していく。テキストが作り出す色と香りを余すことなく味わいたくて、ぎゅっと集中して目を凝らした。
テキストの間からたちのぼる感性。書き手の五感がまるで自分の感じたことのように伝わる。自分のおでこに手をそっと置かれたように。あるいは、背中に冷たい水を流し込まれたように。

それは、身体を乗っ取られる文章だった。

光の描写によって鮮明に目が見えてくる。儚い音に耳をすませているうちに音楽が聴こえてくる。盛り付けられた皿からは匂いが立ちのぼる。口に入れると、えも言われぬ味が広がる。そして、口笛を吹いて夜道を歩いていれば、不意に手を引かれて暗がりに押し込められてしまう。喉元にはナイフ。そんな文章。

ブックマークもしていない、
あのとき一度しか読んでいない、
けれど
残っている。
私の生活に色彩が生まれる。

タイムラインの濁流に流されて遠くに行ってしまった記事を、私は探しに探して、やっと見つけた。書いた方のアイコンを押して、クリエイターのページを訪問した。そして迷わずフォローさせていただいた。



いてらさんへ

ほとんど同じ時期にnoteを始めたいてらさん。

私は「好き」だけでは言い尽くせない感情を抱いています。

私はあなたの書き振りに、ああ、こんなアプローチがあるのかと、こんな風に気持ちの揺れを読み手に伝えるのかと、いつも驚かされてきました。今では羨ましさを通り越して、もはや観念して、憧れるという域に達しています。



私はこの先、外の世界にはあまり姿を見せず、水面下に深く沈み続けるだろう。そして、書き続ける。

昨日、この記事を読んで、私は快哉をさけびました。

ついにあなたは、深く潜って行くことにしたのですね。これまでのように、気軽にやり取りできる所にあなたはいなくて、私から見える所にはなかなか浮上することがないのかもしれません。それでも嬉しい。
あなたは、あなたしか到達できない場所に行って、あなたにしか見えない景色を見てくるのですから。

私は、あなたに出会えたことを感謝しています。

書いてください。

あの時、あなたに出会ったのは、雲間から差し込むひとすじの光のような、テキストの間から漏れ出す濃密な存在を感じたからなのです。

書いて。

あなたがあなたであるために。


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ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。