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ねじを巻く日々

わが家には、カレンダーが隣り合わせで2つある。

一つは日めくり。

一つはマンスリーのもの。

この話は、父についての話だ。

毎日が日曜日

最近、学校がなくて子どもが家にいる。自分も、在宅ワークの日もあるようになって、曜日の感覚が薄れてきている。

目覚めた瞬間の

「あれ?!今日、寝てて良い日だっけか。」

が多くなった。

子どもも、朝のバタバタから解放されて、実にのびのびと寝ている。

その上を行っているのが、わが父である。

一線から退いて早10数年。立派な爺である。

何の予定もない日が当たり前。

毎日が日曜日。


ケアマネさんの質問にドッキリ

父は、もの忘れの人である。

同じことを何度も言うし、何度も聞く。

それは「歳だからね!」で私の中では済んでいた。

しかし、先日、ケアマネさんから

「今日は何月でしょうか?」

と質問された父は、少し考えてから

「10月」

と答えていた。

窓の外には春の陽光があふれ、瑞々しい緑が木の枝から萌え始めている。

ケアマネさんは、全く動じずに、

「惜しい!」

なんて言ってくださっている。

その件についてはさらっと見過ごせない。

私の心中は、荒れ模様になった。


「父よ。これから、寒くなっていくのかい?」

「冬が近づいてきているのかい?」

季節に敏感な、感受性の強い人だったのに。

悲しい。

嫌だ。

もっと今を意識して!

と強く思った。


今日もねじを巻く

どうやら、今日がどこにあるのか、父は見失うようだ。

何月なのか

そして何日なのか。

分からなくなるらしい。

そこで、「季語日めくり」を準備した。

①何月何日って日めくりで確認

②ついでに季語も見る

③月のどの辺なのかをマンスリーカレンダーで見る

という流れ。

***

わたしは今日も父の時を更新するために、

日めくりを一枚めくる。


ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。