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カフェが苦手なコーヒー好き

4th floor drip bar

私は1人でカフェで長居をすることが苦手だ。
元来落ち着きの無い性格なのもあるが、会食恐怖症とまではいかなくとも開けた場所で食事を摂ることがあまり好きではない。
なので大体コーヒーを飲みたい時はテイクアウトをして飲んでいる。

タイには日本では見られないようなカフェやコーヒースタンドが沢山ある。せっかくならコーヒーは勿論、内装やその場の雰囲気も楽しんでみたいのだ。

勇気を出してたまに店内で席に着き、音楽を聴き読書にチャレンジしてみるも周りの声や動きが気になってしまいどうにも集中出来ない。

だからカフェでよく見かける1人で悠々自適に楽しみながら過ごせる人を羨ましく思っていた。

そんなある日Instagramで見掛けた一枚のコーヒーが気になり場所を調べてみると、ラッキーなことに比較的家から近い場所にあったので行ってみることにした。

写真を見る限りとてもテイクアウトを頼める感じではなかったので少しドキドキしながらお店を目指した。

そして地図が指す場所に着いたものの、目の前には名前が違う別のカフェがあった。
ただ、上の階があるようだったので階段は無いかと建物をぐるりと周ったが階段は見当たらない。

ふと先程の別のカフェの中をみると店内に階段がある事に気付き、とりあえず聞いてみようと店内へ。

入ってすぐに店員の男性が「何名様ですか?」聞いてきたので「すみません、このお店を探しているのですが…」とInstagramの画像を見せてみた。
するとその店員さんは「こちらへどうぞ」と階段の上に案内してくれた。

誰も借りておらず絶賛解体中みたいな状態の2階と3階を経て4階の小さな木のドアを抜けると遂に探し求めていたカフェが現れた。

なんだかRPGの隠しダンジョンを見付けたようで内心小躍りしたい気持ちになった。
どうやらこのカフェは先程の店員さんがオーナー兼バリスタをしているらしく、カウンターに入り私に向かって何を作りましょうかと尋ねてきた。
メニューを見せながら分かりやすい英語で説明をしてくれ、色々試してみたかったが少し考えて画像で見せたコーヒーを注文した。

待つ間窓際の席に着いてぼーっとしていると後から2人ほどお客さんがやってきた。私含め全員お一人様。

そして店員さんが「レディ」とこれからの人生でも滅多に言われることはないであろう呼び方をして私にコーヒーを持ってきてくれた。

何か乾燥した花のような凝った物がトッピングされたコーヒーをしげしげと眺めてからそそくさと写真を撮り一口飲んだ。

今まで飲んだことのない初めての味があった。

恥ずかしながら自分はコーヒーは好きといってもただ単に味が好きなだけで、豆や淹れ方などの知識も持ち合わせていないしこだわりもない。

だからこんな美味しいコーヒーを飲んでも気の効いたコメント一つ書けやしないのだ。

そんな自分なりに味を伝えるならすっきりとした甘さのコーヒーの後にほのかにジンジャーがやってくる。そして何故か甘酸っぱさもある、ということ。
※後になって分かったのは甘酸っぱさは飾りにもなっていたローゼルというハーブが正体でした。

お上品ぶって飲んではいたが正直ゴクゴク飲んでお代わりしたいぐらい好みの味だった。

お客さんが少なかったのと店員さんの穏やかさとカフェが一体となった様な不思議な雰囲気に今まで感じることの無かった居心地の良さを感じた。

そしてコーヒーを飲み終わり会計の時に店員さんに拙い英語でとても美味しかったことを伝えて店を後にした。

こんな長々と書いてはいるけど簡単に言ってしまえば良いカフェ見つけた!という話です。

どうも大人になるとああだこうだと考えてしまいこういったお気に入りの秘密の隠れ家の様な場所を中々見付けられないから久しぶりにとても嬉しくなってしまった次第です。

次に違うメニューも試したらまたこうやってつらつらと書こうと思います。