見出し画像

日本シリーズ2023がくる


パリーグ覇者オリックスバファローズ
セリーグ覇者阪神タイガース

レギュラーシーズンで2位に10ゲーム差以上つけた両リーグの王者が共に関西でぶつかる。

関西同士の日本シリーズは59年ぶりとなるみたいだが、幼少期の感覚を持ち出せばそもそも関西のチームが日本シリーズに出場するということすらまだ慣れない。
それも共に両リーグを独走したというから、顎が外れるような思いである。


とはいえ、リーグ3連覇を成し遂げて昨年は日本一にも輝いているオリックスと、ようやく18年ぶりの優勝にたどり着いた阪神とでは経験の差は否めない。阪神は日本シリーズ進出も9年ぶりで、若いチームらしく梅野以外の選手は初めて立つ舞台になる。
シーズンであれだけ「普通の野球」を徹底させていた岡田監督が、この大一番を前に「普通通りなんかでけへん」と言っていたのもそういう立場をわきまえてのものだろう。



では、阪神がどうやって勝つかを想像したい。
何事もイメージすることが大切である。
この辺であえて矢野のエッセンスを入れておく。



第1戦

山本由伸vs村上頌樹(京セラ)


初戦の舞台は京セラドーム。予告先発も発表されており、両リーグを代表するエースが登板する。


日本のエース山本由伸は今季京セラドームで防御率1.42という数字を残しており、京セラに滅法強いと聞いた。
しかし、シーズン成績を見ると防御率は1.21となっている。どういうことなのか。
そう、0.21の希望が我々を味方するということだ。安心して欲しい。

今季、阪神は甲子園の交流戦で山本と当たっており、奇しくもこのとき投げ合っていたのがブレイク真っ只中の村上頌樹であった。
この日、阪神は8回でたったの2安打に抑えこまれ0-2で敗れた。
文字通り手も足も出なかったといった内容で、山本がキレキレだった記憶がある。

実際この対戦があったから、山本の試合は諦めるモードがファンの間で蔓延してるんだろう。

それも無理はないが、個人的な見立てとしては十分チャンスはあると思っている。
5月にチームとして爆発した分の疲れが響いた6月この対戦があったわけで、この月はそもそも前川右京の個人軍のような惨状だった。
このことから当時の打線は本調子ではなかったと言える。
(ちなみにこの日は坂本誠志郎が山本からマルチ安打を記録した。その2安打である。)


山本とは昨季も対戦があり、この日は0-2のビハインドから終盤に追いつき延長を制して勝利した。
打者陣の成績としては、島田中野が2安打で近本も打っており、長打は糸原の2塁打と佐藤のラッキーな3塁打のみとなっている。

今季の山本は左打者をより抑えており、昨季の対戦成績も鵜呑みには出来ないが、そこにひとつのヒントがあると思っている。

それは実質的な長打が真っ直ぐをレフト線に落とした糸原の1本のみというところである。
ここぞでエースキラー糸原の真髄が見えた。

今季は代打の切り札として1打席にかける難しさも感じていると思うが、この大一番で相手が大エースとなれば糸原健斗に4打席立たせるのは当然だろう。

8近本
4中野
9森下
3大山
5佐藤
0糸原
7ノイジー
6木浪
2坂本

個人的な理想オーダー

交流戦当時にはまだレギュラーを掴めていなかった森下も、山本からすれば読みづらく投げにくい打者だろう。
昨季の成績通り近本中野で出塁してプレッシャーを与えながら森下が仕留める形も期待できるし、殻を破った佐藤輝明とゾーン内で勝負させるためにエースキラー糸原を6番に配する形は理想的だと思う。
速球に強く,変化球にもついていける木浪と、手を抜けば足元掬われる坂本の下位打線も気が抜けない。
大山はCSでの状態が悪すぎてなんとも言えないが、ここぞで上げてきた選手だし、本領発揮できれば十分に対応していける本物の4番打者である。
期待値の低い打者が座る7番にはファンのヘイト枠ノイジーを入れたが、カットなどの半速球を外野に持っていく形は想像できるし、7番にいたらなんとなく不気味な打者ではある。

一方で、日本シリーズを前に岡田監督がらしさ全開の発言をしている。

―打順は不動

「普通にな、今まで通りの打順というか。まあ、DH9番でもえんちゃう? はっきり言うて。ミエちゃん入れて、バントさしたらええやん。あんまりいじってもな、こっち帰ってきて3試合は(9番が)ピッチャーやから。そんないじる必要ないからな、ミエちゃんにバントさしたらええやん。いや、成功するやろ、転がしたら。シフトも敷いてけえへんやろ」

スポーツ報知 10/23


甲子園に戻ってきてまた打順を戻すのなら最初から9番にDHを入れておけばいいという発想。
9番ミエセスのバントは、セオリーを「ぶち破れ!オレがヤル!」のまんまである。

ガチャガチャするのを嫌ってシンプルに戦うことを大事にする岡田らしさが感じられるが、甲子園の試合が最も落とせないと考えると、この案は個人的にも大賛成。
こういう細部の気配りがチームに「普通」の徹底をもたらしたとも言える。

8近本
4中野
9森下
3大山
5佐藤
7ノイジー
2坂本
6木浪
0糸原

9番DHパターン

対山本を考えれば、糸原により多く立たせたいし佐藤の後ろに置きたいが、木浪糸原でチャンスメイクして得点圏打率リーグトップの.374を誇る近本を迎えるという形も悪くない。
糸原の“2番”力を思えばむしろアリだ。


このように考えると、2点以上取れる可能性は感じるし、村上には2点以内に抑えるイメージで堂々と投げてもらいたい。


CSの登板をみるに両投手とも本調子じゃないように見えたが、是非最高の状態で日本一の投手戦を見せてくれることを期待したい。
これが一野球ファンとしての思いである。



ここまで第1戦のイメージをしたが、これ以降はなるようになれで良いだろう。
岡田は戦略的に「普通通りにでけへん」と言っていたが、選手は普段通りのパフォーマンスを発揮できれば良いと思う。

両チームの売りの投手陣に目を向ければ、
オリックスは宮城、山崎福也、田嶋、東など
阪神は伊藤将司、大竹、西勇輝、才木、青柳
とこれ以降の先発も強力なメンツがぶつかる。

救援陣もどちらも質,量ともに揃っており、
平野vs岩崎という大黒柱の図式は美しい。
この両者のピーキングにも注目したい。

阪神目線のキーマンは多すぎてスペアキーみたいになってしまうが、打者は先発野手全員で、投手は先陣をきる村上とリリーフ陣を挙げたい。

イニング跨ぎもできるルーキー桐敷や火消し要員島本,ブルワーあたりは特に重要な駒になりそう。


〈最後に〉


1点の重みを理解した首脳陣と野球脳の高い選手で構成された今年の阪神なら、相手がどこであれ、相手の上から押さえつけるような重みの1点1点を積み重ねて最終的なスコアで上回る強さを見せつけてくれると信じたい。

短期決戦では、機動力や積極的な姿勢と堅実な作戦のバランスが問われる。
ここで前任者矢野の遺産でチームの武器でもある走塁が活きてくると思うし、それをうまく使って岡田の野球勘と組み合わせていければ良い。


挑む超える頂へ向かって、執念の野球でAREを超えるSOREを達成して頂きたい。


さあ、行こう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?