見出し画像

気候危機:環境省経産省と対談しました

【活動報告】対談しました。

私たちNew ENEration は、環境に関心のある人に「気候危機×政治」の重要さを発信するべく、昨年9月より有志が集まり「政治部」活動を行っています。
1月下旬に、環境省経産省各2名の方と対談致しました。

およそ環境省40分、経産省30分、1時間強、お話させていただきました。
また環境NGOの方と同席させていただき、NGOスタッフから「GX戦略」や「原発40年運転制限延長」について議題があがっていましたので
私たちは別の議題で質問をさせていただきました。

非効率の石炭火力発電所のフェードアウト計画について

2020年7月に当時の梶山経産大臣が、非効率の石炭火力のフェードアウト方針を示してから、もうすぐ2年半が経とうとしています。

(……そうなんです、非効率な石炭火力と、高効率の石炭火力があるんです。日本は高効率の石炭火力については特にフェードアウト計画などは掲げていません。
ではどんな石炭火力発電所は“高効率”というのか、についてはこちらが分かりやすいです

昨年12月6日の環境委員会で気候危機に関する質疑答弁がありました。
立憲民主党の辻元清美さんが、今年日本で行われるG7サミットに向けて、石炭火力のフェーズアウト(段階的に全廃)計画は考えているかなど質問された時に、気になるポイントがありました。

どんな質疑答弁だった?

辻元議員
それでは、経済産業副大臣、これをどのように石炭火力を合意に基づいて減らしていくのかという具体的な予定と、このすでに31か国がフェーズアウト、全廃計画を立てています。日本も期限を決めた石炭火力の、このフェーズアウト計画を立てるべきだと思いますが、今どうなっていますか?

中谷副大臣
ご質問ありがとうございます。2030年に向けた非効率の石炭火力のフェードアウトを着実に実施するために、大手電力会社等を対象に非効率石炭火力のフェードアウトに関する計画の作成を今求めております。フェードアウト計画では、具体的な石炭火力発電所の休廃止の見通しの他、予想される発電量の減少の記載も求めているところであります。

https://www.youtube.com/watch?v=BGyMcKoRgxI
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121014006X00320221206&current=1

私たちの感想は
「いま!非効率石炭火力のフェードアウトの“計画”を“作成”しているところなの……!」です。
もう2023年です。足元の電力供給ももちろん大事ですが、脱炭素へのエネルギー転換の工程表がいまだに作成されていないとは……。これではG7広島サミットで気候危機政策に関してリーダーシップがとれそうにありません。


ですので、非効率石炭火力のフェードアウトの“計画”は、いつ“実行”に変わるのか? どの規模で実施されるのか? という点についてお伺いしましたが
“計画”が決まるのに「1~2年は(かかる)とは思うがすぐには回答できる状態ではない」といった回答でした。

2025年から非効率石炭火力のフェードアウトがはじまるかも?位のペースだということが分かりました。

IPCC第6次評価報告書の第3作業部会報告書では、2025年までに温室効果ガスを減少に転じさせることが必要とされています。

世界では、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入が進み、2025年には石炭を抜いて最大の発電源になる見込みだとする報告書をIEA=国際エネルギー機関が公表したことも記憶に新しいです。


実際の対談の様子

公正な移行はいつ見えてくるのか?


あわせて、非効率のみではありますが、石炭火力発電所を閉じていくことになるはずなので
「公正な移行」の議論はどうなるのでしょうか?もうその議論は始まっていますか? フェードアウトとセットで開始されるものでは?といった質問もしました。

脱炭素社会への移行は、多くの産業に構造的変革をもたらすことになります。脱炭素社会への移行による経済や社会への負の影響を回避し、むしろ、質の高い雇用を生み、持続可能な経済を築き、社会を繁栄させる機会を作り出す「望ましい脱炭素社会への移行像」として、近年「公正な移行(Just Transition)」という考え方が注目されています。

気候ネットワーク「事例集「公正な移行―脱炭素社会へ、新しい仕事と雇用を作り出す―」より

つまり、非効率石炭火力に従事している方が、同じ化石燃料の「低」炭素事業に従事するのではなく、再エネ事業の開発など持続可能な職業へ移動するための、職業訓練をするなどのデザインは今後どういったスピード感で展開されるのか?
ということについて質問したのですが、具体的な回答はいただけませんでした。

今回貴重なお時間を頂きましたが、事前に資料をお送りして具体的に質問するような形での対談ではありませんでしたので
今回具体的にいただけなかった回答の、さらなる詳細は、また活動を通して求めていきたいと思います。


実際の対談の様子

New ENErationは、有志による気候危機対策を求めて活動している団体です。特定の政党は支持しておりませんが、気候危機対策について政治でもっと話してほしいと考えているため、議員の方や省庁と対談を実施しています。気候危機にポジティブな(あるいは逆にネガティブな)議員さんがいらっしゃいましたらコメントなどで教えてください。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?