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デザイナーの世に出なかったエッセンスを間近で見れる、 「マル秘展」に行ってきた。

※日本デザインコミッティーのメンバーの方々をまとめて「デザイナー」と呼んでよいものか分かりませんが、本記事ではデザイナーと呼ばせていただきます。(ややこしいため)

21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「マル秘展」に行ってきました。

開催期間: 2020年3月8日(日)まで

気になっている方、2020年1月11日(土)に原研哉さんがギャラリートークされるのでその日に足を運んでみるのもオススメです。

以下、展示会の概要は公式より引用。

この展覧会の核となるのは、現在、日本デザインコミッティーに所属する幅広い世代のメンバーたちが、そのデザインの過程において生み出してきたスケッチ、図面、模型の数々です。それらは、多くの人々の目に触れる完成品に比べて、あまり光が当てられません。しかし、そんな「秘められた部分」にこそ、デザインの大切なエッセンスが刻まれています。それらを間近で目にすることは、今後のものづくりを担う人々、特にデジタル化したものづくりを前提とする世代にとって、刺激と示唆にあふれた体験になることでしょう。

その名の通り、その事務所にいたりクライアントでなければ見れなかったであろうデザイナー巨匠達のプロジェクトの過程やデザインラフ、スケッチ、思考などが垣間見れます。

もしかしたらこの原画が見れる機会はもうないか、あと数年後かも…と思い写真を撮る手が止まりませんでした。



印象に残った展示をいくつか紹介します。

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※この展示は録画はNG、写真撮影はOKでした。

まず原研哉さんをはじめデザイナーさんがスケッチをしている映像が流れる空間。
3画面に事務所の風景やスケッチの様子、画材など違う映像が映されます。

静かに流れる鉛筆の音が心地良くて寝てしまいそう…
眠くなりそうな方はコーヒー飲んでから行くのもありだと思います。

あとの展示でもわかるのですが、みなさんスケッチのやり方が全然違って面白いです。


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そしてお目当ての原画展示コーナー。
ここに入る前に展示の楽しみ方を説明してくれてます。デザイナーじゃない人たちにとってもめちゃめちゃ優しい。

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あと、もう一つ親切だなと思ったのがディスプレイの両端に各デザイナーさんのプロフィール(同一のもの)があって、どちらからでも観賞可能なところです。


グラフィック界隈の方が多く来ているのか、松永真さん、原研哉さんの展示は特に人気でした。



▼松永真さんの展示

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松永さんの展示はロゴとロゴを含めたパッケージなどのデザイン提案が多めで、ロゴのコンセプトも説明に書いてあります。

私自身もロゴデザインを提案することがしばしばあるので、一文だけでも説明があるのはとてもありがたいです。


特に印象に残ったのが、優勝したスコッティのデザインコンペと、ジタンのパッケージデザインのコンペのエピソード。
このわずかな説明でいかに強いが分かって好きです笑

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原研哉さんの展示

原さんの展示はプロジェクト別にスケッチが並べられているなか、
小さいクリスタルが置いてあり、それを覗き込むと完成形が見れるスタイルでした。ミニマルで美しいです。

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オリンピックのロゴ提案の原画が見れるの貴重すぎませんか…

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あと驚いたのはエキシビジョンのパネルの順番、レイアウトを手書きスケッチで作っていること。半端ないです…

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原さんはスケッチが超絶綺麗でもはやこれが作品みたいなところありました。

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その他グラフィックやロゴだと佐藤卓さん永井一史さんの作品も面白かったです。(写真は割愛します)

佐藤さんは手帳や原画のサイズが小さめでとっても細かい。性格がこれだけで伝わってきます。
永井さんは佐賀のいちごさんやヘルプマークのデザインの過程が見れてよかったです。



▼隈研吾さんの展示

新国立競技場の設計も担当している隈研吾さんの展示です。

高輪ゲートウェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイって感じでした(小並感)

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このたくさんの試作品やディスプレイを埋め尽くすメモの量で、いかにやりとりの量や時間、試行錯誤があったのかと圧倒されます…
そして、展示で見てるのもごくわずかの部分なんだろうなと思います。


▼田川欣哉さんの展示

この展示のディレクターでもあるデザインエンジニア、田川さんの展示。
メルカリロゴとフォント、この展示の企画書などが見れます。貴重。

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こんなに大きいプロジェクトの企画書を見れる機会なかなかないですし、WEBサイトの提案やスケジュールのページまであって参考になります。

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展示を見終わった後田川さんのこの本を購入しました。
これから読みのが楽しみです。


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▼作家たちの椅子に座れる

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原画展示を抜けると作家たちの椅子が展示されてるコーナーがあります。

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原画展示に出てきた椅子もあり、実際に座れることもなかなかない機会なので一個一個座っていきました笑
画像2枚目の椅子は喜多俊之さんの作品です。

あと、写真では残していないのですが各デザイナーさん出典の本が置いてあり読めます。
数万円するような高級書籍もあって読むしかないです。


▼展示を終えて

当たり前ですが、名だたる巨匠もここまでいくつも試行錯誤を繰り返し最高のプロダクトを作っているんだなあとしみじみ思いました。

あと私はデジタルで作ることが多いので、アナログでの緻密な作業工程に圧倒されました。
これをやりたいかと言われると、正直やりたくないです笑
ただ、この試行錯誤を繰り返し、良いものを作っていく姿勢は大事にしたいです。

デザイナーじゃなくても楽しむことができ、刺激になる展示だと思います。


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