見出し画像

Slack コミュニティの運用で考えること〜"運営"じゃなくて"運用"の話〜

Slack ユーザーコミュニティ JCN 運営担当のさよです。

先日、ユーザーさんから「自分の会社でも Slack を使ってユーザーコミュニティをやってみようと思うんですが、ワークフローやチャンネル作成の権限周りってどうしてますか?🤔」というご相談をいただきました。

これまで「チャンネルの活性化」「コミュニティでの Slack の活用事例」といったコミュニティ運営の話は書いていましたが、そういえば「ワークスペースの運用」について書いたことがなかったな〜と思い、記事にしてみました🐰

検討すべきことは書き出したらキリがないので、今回は以下の点を踏まえて「初期に最低限考えておくと良いこと」に絞って整理しています。

  • 社内外から大多数のメンバーが参加するワークスペースで、コミュニティの趣旨に沿わないコミュニケーションを防ぐ

  • ユーザーの自由利用による意図しない課金を防ぐ

※ この記事の内容は、JCN の実際の運用と必ずしも一致しているわけではなく、あくまで一般的な検討事項の整理です


(前提)想定シナリオ

今回はこんなシナリオでのコミュニティ運営(Slack 運用)を想定しています。

#️⃣ Slack 環境

  • ユーザーコミュニティ専用の Slack のワークスペースを自社で用意する

  • ワークスペースに自社のユーザーを招待して、ユーザー同士の交流の場とする

🧑‍🧑‍🧒‍🧒 登場人物

以下の四分類で、それぞれの権限や種別を検討していきます。

1️⃣ コミュニティ参加者(=ユーザー)
2️⃣ コミュニティマネージャー、コミュニティ運営担当者
3️⃣ ユーザーコミュニティの所轄部署のメンバー(マーケティング部、カスタマーサクセス部、営業部、など)
4️⃣ 2,3 以外の自社メンバー

2️⃣ 熱血コミュニティマネージャー❤️‍🔥

⭐️ ワークスペースの設定

1️⃣ユーザーに対してどんな権限を付与したらいいかな?というのを考えていきます。

メンバー種別

Slack には主に「オーナー」「管理者」「メンバー」「ゲスト」の種別がありますね。
ユーザーに対しては「全員がメンバー」で始めるのが一番ベーシックなのかなと思います(もちろんコミュニティ次第ですが)。

チャンネル作成権限

チャンネルの作成をユーザーに許可するか?
選択肢は以下ですね。

  1. 許可する。ユーザーが自由にチャンネル作成可能

  2. 申請制度にする。チャンネルを作成したいときは申請してもらい、運営による許可があれば作成可能

  3. 許可しない。ユーザーによるチャンネル作成は不可

パブリックチャンネルとプライベートチャンネルでルールを変えるのもアリです。

例)パブリックチャンネルは申請不要で作成可能。プライベートチャンネルの作成は申請が必要(申請フォームはもちろん Slack のワークフローで😉)

チャンネルへの投稿権限

これはコミュニティ立ち上げ時というよりはチャンネルごとに都度検討が必要ですが、アナウンスチャンネルなど用途によって投稿権限をつけるのがオススメです。

JCN だと、「誰でも自由に発信できるチャンネル」と「Slack が公式情報を発信するチャンネル」を明確に区別しているのですが、後者についてはユーザーさんが投稿できないように設定しています。

ワークフローの作成&実行権限(有償プランのワークスペースのみ)

ワークフローの作成も、チャンネル作成と基本的には同じ考え方で良いと思います(許可 or 条件付き許可 or 不可)。

作成権限とセットで考えるのが「実行権限」です。
ユーザーコミュニティにおいては、基本的には全員使用可能なワークフローでOKなのかな、と思います。

ただし、気になるのは「プレミアムワークフローの実行回数」ですよね。

プレミアムワークフローは、無料実行回数が割り当てられています。
ユーザーのプレミアムワークフロー実行による超過課金が心配であれば、無料実行回数を超過する場合の設定(簡単にいうと、超過は無制限にOK or 一定金額まで超過OK or 超過NG)を検討しておくのが安心です。

もちろん、支出額の上限を設定すれば勝手に課金されることはないのでご安心ください。

※ ワークフローの料金体系や管理機能について、この記事で詳細をご紹介するのは難しいので…参考ページのご紹介に留めます🙇‍♀️
詳細は自社の Slack 営業担当やサポートにご確認くださいませ!
参考1:Slack の管理 : 支払いを許可してプレミアムワークフローの超過分の実行の制限を設定する(Slack 公式サイト)
参考2:Slack ワークフロービルダーの料金のご案内(Slack 公式サイト)
参考3:Slack Workflow Builder Tips(Slack 公式 Youtube プレイリスト)

⭐️ 社内メンバーの参加

全員一緒で大丈夫?🧐

盲点がこちらで、ユーザーだけでなく社内メンバーの参加(登場人物2️⃣3️⃣4️⃣)についても要検討です。

2️⃣ コミュニティマネージャー、コミュニティ運営担当者
3️⃣ ユーザーコミュニティの所轄部署のメンバー
4️⃣ 2,3 以外の自社メンバー

登場人物のおさらい

社員のメンバー種別

社員についてもメンバー種別を検討する必要があります。

社員の誰にどこまで権限を与えると最も運用/運営がスムーズか?を考えましょう💡

「権限を絞りすぎると2️⃣の負担が増える」「かといって2️⃣3️⃣4️⃣全員管理者以上にすると、コミュニティ運営上 意図しないメンバー招待が可能になる…」など、ちょうどよいバランスの検討が必要です。

(例1)
オーナー:2️⃣
管理者:3️⃣
メンバー:4️⃣

(例2)
オーナー:2️⃣
管理者:3️⃣の一部のメンバー
メンバー:3️⃣4️⃣

社内メンバーの参加ルール

これは運用というより運営寄りの話ですが、重要かつ上述の「メンバー種別」にも若干関わる話なので本記事に含めます。

前提として、コミュニティは全社で支援すべきであり、コミュニティと無関係な部署はないと個人的には考えています。
そのうえで、社員からコミュニティにどのように関わってもらいたいか?をあらかじめ検討した上で、3️⃣や4️⃣のワークスペースへの招待を考える必要があると思います。

具体的には、例えば以下のような点について事前のルール設計があると3️⃣4️⃣も安心して参加できると思います。

  • 社員3️⃣4️⃣による投稿に制限を設けるべきか?

    • 社員の日常を積極的に発信してユーザーに親近感をもってもらいたいなら社員による投稿を推奨すべきでしょう。逆に、ユーザーによる発信が主となるワークスペースにしたいのなら、ユーザーの投稿が社員の投稿に埋もれないように社員の投稿を制限した方がいいかもしれません。

    • Slack であれば「チャンネルに投稿する」以外にも「絵文字リアクションをつける」「スレッド返信(だけ)する」というように関わり方の濃淡があります。どのレベルで参加して欲しいか?を行動ベースで定義するのも一つのやり方ですね。

  • 社員による営業活動はOKなのか?

    • ユーザーコミュニティを運営していると、営業目線で「普段の営業活動では接点のない人がユーザーコミュニティに参加している!!🫨」「A社とB社を引き合わせようと調べてみたら、共通項がユーザーコミュニティへの参加だった」といったことが起きます。

    • この時に、営業からユーザーに対して前置きなしにダイレクトメッセージを送っていいのか? ユーザー目線での検討が必要な事項だと個人的には考えています。

他にも、3️⃣4️⃣にコミュニティでやってほしいこと/やってほしくないこと、do's and dont's があるはずです。
それらを明文化し、3️⃣4️⃣には事前に理解いただいた上でワークスペースに招待するのが良いと思います。

こういった内容、特に dont's の伝え方は社内コミュニケーションに工夫が必要な部分ではありますが、コミュニティ運営をスムーズにするためにも、コミュニティ参加者(ユーザーさん)の心理的安全性のためにも不可欠なことです。

私の自社においてもこういった観点で社内メンバーのコミュニティワークスペースへの参加ルールを設けており、ワークスペースへ招待する前にルールに同意いただくという運用をとっています。
現時点ではマネージャー層含めルールに対し疑問や異論の声をいただいたことはなく、「ユーザー第一」の観点で必要な線引きだと理解いただけていると私は思っています。

☘️ 最後に〜結果としてどんなワークスペースになっているのか?〜

今回はコミュニティ運営ではなく、ワークスペース運用の観点で考慮した方がよいことを書いてみました。

そんな考えで運用しているコミュニティのワークスペースが実際にどうなっているのか?
見てみたい方はぜひ Slack JCN にご参加ください☘️
※ Slack 有償プランをご利用のユーザー限定です🙇‍♀️

参加申請はこちらのWebサイトから:https://slackjcn.splashthat.com

また、Slackを使ったコミュニティ「運営」に興味がある方は以下の記事をご覧ください⭐️


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?