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日本のたてもの・東京国立博物館

東京国立博物館(通称トーハク)の表慶館で、2月21日まで開催されているのは「日本のたてもの」展。古代から近世、神社仏閣、茶室、町家などの建築模型が展示されている。

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表慶館入り口を入ると、中央エントランスに東大寺鐘楼など3点の塔の模型。縮尺は各10分の1。細部まできっちり再現されている。一部を覗いて写真撮影が可能なので、まずはパシャリ!

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そして、最初の展示室。「古代の仏堂」の部屋になる。仏教伝来に伴って、大陸各地の様々な様式が流入したと言われる時期の(7世紀には200近い寺院跡がみられる)寺院建築が並ぶ。

平城京に都が移ると、唐の様式をもとにした寺院建築様式が確立。唐招提寺はその代表でもある。平安時代末期には、平等院鳳凰堂など華麗で壮厳な阿弥陀堂が各地に現れる。やがて日本の風土に合わせ、寺院建築は独自の変化していく。

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国宝、唐招提寺金堂に至っては、内部の天井の絵柄までしっかりと描き込んであり、訪れる多くの人が覗き込むように観ていた。

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次の展示室は「中世の仏堂」鎌倉時代には和様の仏堂に加え、宋の影響も受ける。興福寺は伝統的な和様建築なのに対し、東大寺は南宋から入った建築様式が用いられた。また禅宗が伝来すると、京都や鎌倉の五山を始め、全国に全国に禅宗寺院が建立。禅宗仏殿には木割りが細く整然とした宋の伝統的な建築様式が用いられた。

そして「神社」の展示室。

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次は「住宅の歴史」の部屋。江戸時代以前の住宅は、公家や武家の邸宅、僧侶や神官の住まい、一般民衆の住居(民家)がある。遡れば縄文時代から居住跡が発掘され「高床式住居」跡も見られる。平安時代に貴族住宅の様式として大成された「寝殿造」近世の武家住宅の「書院造」と変化を続けた。

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上の写真は、竪穴式住居、書院、茶室である。中世までの書院は木割りが細かく室内も簡素なものだったが、桃山時代になると大規模で豪華な建物が求められるようになった。茶室は「数寄屋」「囲」などと呼ばれた4畳半より狭い小建築。施主の好みや茶匠の意匠によって多様に変化したのは安土桃山時代以降である。

下の写真は「民家」のなかの「農家」と「町家」

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他には「門」「舎」「城郭」「宮殿」の模型が続く。

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表慶館から平成館に場所を移すと、首里城の模型の展示室がある。これまで幾度も火災に遭い再建を繰り返した沖縄本島の首里城。近年では2019年の大きな焼失が記憶に新しい。復興に向けて様々な取り組みがなされている。

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「日本のたてもの」展は、東京国立博物館(2月21日迄)、国立科学博物館(既に会期終了)、国立近代建築資料館(2月21日迄)の3館同時開催。予約制なので、割とゆっくり観ることができた。

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