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カバンが落ちて当たったけど宝くじは当たらない

電車に乗っていたら、
サラリーマンカバンが
荷棚から落ちてきた。

ドリフのタライのように。
 

ドスッ
 
 
痛っ 

 
わりかし重かったそのカバンは
私の頭を直撃した。 

   
 
 
サラリーマンは
「あ、すみませんっ」っていいながら
元の荷棚にカバンを戻す。
 

ねぇ、バカなの?
今そこに置いて落ちてきたのに?
バカなの?

  
今タライのように落下させた荷物を
満員電車の動けない私の目の前でまた
私の頭上に持ち上げ、再度
落ちてくるかもしれない恐怖にさらすのかっっっっ 
  

今私は、過剰に防衛反応が働いているんだぞ?
デリカシーがなさすぎると思わんのか
目の前のサラリーマンよ!
おい。  
 

バカなの?
ねぇなんなの?
これ罰ゲームなの? 

 
 
脳内会話が止まらない。
 
 
しかし、満員電車の中で
これらを口にするほど
まだ私の理性は欠いてない。

 

がしかし、感情は高ぶっている。
 
 
冷静な判断を欠いてしまったため
夫にラインした。
   

「名刺はもらったほうがいいのか?」

 

「荷棚から勝手に落ちてきた荷物に関しては
故意と見なされず、過失にはならない、事件には
ならない可能性高し、判例も見つからず。
訴えても無駄やと思う」
 

 

返事とともに、似たような事件の判例の乗った
リンクが送られてきた。

 

なんという合理主義。
知ってるけど。

 
 
こんなことを
やっている間に、

 

目の前のリーマンは
目の前でフンフンイヤホンで音楽聴きだした。
アイフォンを指でしゃっしゃしている。

 

臭い物に蓋をするタイプなのか
完全に忘れてしまったのか
それとも日常茶飯事すぎてどーでもいいことなのか
あ〜忘れたいって忘れることに
超絶パワーを使っているのか

私のことを自分の世界から
完全に消し去っている。
 

 
このサラリーマン、どうにかしたい。
いや、どうにもならん。
 
 
なんなんだこの一連の出来事はーーーっ!!!
 
 
よぉおーし、
何かに当たる日なんだな?
私は今日何かに当たるんだな?

駅でスクラッチを買ってみようじゃないか。
ああ、買ってやるさ。
 
 
猫のな。1等300万だぞ。
当たるんだな。
よし、当たるんだな私は。
 
 
 
全然 当たらんやないか。
こんにゃろーめ。

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