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「起業のきっかけは高校生の回答」 ―Re.road株式会社 金井 佑輔さん―

今回の33GAKUマガジンでは、
eスポーツの企画・運営を行われている「Re.road株式会社」(本社:長野県松本市)の代表取締役 金井 佑輔さんにインタビューをさせていただきました。
近年、世界中で大会が開かれ注目を集めている eスポーツ(Electronic Sports)とは、コンピューターゲームやビデオゲームを使って対戦するスポーツです。長野県から全国へ、そして世界へ。大きな可能性とワクワクを秘めた eスポーツを広げるために取り組まれていることをお聞きしました!
Re.road株式会社 公式ホームページ → https://re-road.jp/


◆企業概要

2019年8月設立。

ビジョン:「地域に夢と感動を そして、新しいワクワクを」
ミッション:「社会の課題解決をする」
社名の由来:「Re.road」 R = 令和、e = eスポーツ、road = 道
      ・令和の時代にeスポーツで新たな道を切り開く
      ・常に新しい情報を読み込み
      ・アップデートし続ける会社
事業内容
・eスポーツイベント「e-sports SHINSHU GROWZ」の企画・進行・演出
・オンラインイベントの企画・運営
・ホームページ制作
e-sports SHINSHU GROWZ 公式ホームページ → https://growz-esports.com/

Re.road株式会社は、eスポーツに関する事業を通して地域の課題解決、そして、夢と感動を提供するために設立されました。長野県からeスポーツを世界へ広め、ボーダーレスな社会を目指しています。


◆eスポーツの会社を設立したきっかけは?

私は松本青年会議所という団体に所属しているのですが、松本青年会議所の60周年にあたる2019年に委員長を任されました。その際に理事長から提示された課題が「松本の若者と一緒に街を活性化してほしい」と言われました。
そこで、若者といえば、高校生。高校生に人気のあるものを聞いてみると、「eスポーツかダンス」という答えが多く返ってきました。その中でまだ街に根付いていないもので考えたときに、「それじゃあ eスポーツをやってみよう」と思ったのがきっかけです。
ちょうど2019年は、eスポーツが国体の競技に選ばれた年だったので、長野県の代表を決める eスポーツの大型イベントを、7月に松本市の市民芸術館で開催しました。

Re.road株式会社を設立したのはその大会のすぐ後です。
青年会議所の活動は単年度制になっており、毎年、理事長や組織全体が変わります。そのため、青年会議所として取り組む eスポーツの運動も1年が期限でした。街に根付かせていくためには継続していく必要があると考え、7月の大型イベントが終わり8月に入ってすぐに会社を設立しました。

―「eスポーツかダンス」という高校生の回答で、ゼロからこの会社を設立されたのですか?

はい。実は、私自身はあまりゲームについて詳しくないんです。(笑)

もともと別の仕事をしていたので、会社を新しく立ち上げることは苦ではなく、何かやっていこうかな・・という気持ちで始めました。



◆eスポーツの大会を開催するまでにどのような取り組みがありましたか?

会社設立後は、4か月ほど営業しました。eスポーツをしっかり広めていくために、大企業に絞って粘り強く営業を続けました。最終的に、テレビ信州(TBS)様が興味を示してくださり、共催で、eスポーツの高校生大会を開催することが決まりました。
しかし、ちょうどその頃コロナが広がり始め、オフラインでの開催が厳しい状況になってしまいました。そこで考えたのが、オンラインでの eスポーツ大会の開催です。eスポーツはオフラインでもオンラインでも行えるので、県内に絞らず全国の高校生を対象としたeスポーツの大会を開催することにしました。2020年5月に第一回目の大会を開催し、それ以降毎月異なるタイトル(ゲーム)で大会を開催し、人気Youtuberやプロの選手など、各タイトルに強いゲストをお呼びしています。

―eスポーツのプロ選手とはどういうものですか?

各ゲームに、そのゲームを得意とするプロの選手が存在します。
例えば「パワプロ」でいうと、12球団が実際のプロ野球のように1年間を通してペナントレースを行っています。ドラフト制度で選ばれた人が選手になるなど、かなり本格的に大会が開催されています。



◆eスポーツの大会を開催していく中で、どのような変化がありましたか?

eスポーツ大会の開催など取り組みを続けているうちに、東京にある eスポーツの専門学校から講師の依頼をいただきました。
他にも、ゲーミングPC(ゲームするために必要とされる性能を備えたPC)を製作しているメーカー様からお声がけいただき、「高校の eスポーツの部活を増やす」というプログラムの提供を行っています。
現在、長野県には14校ほど eスポーツの部活や同好会があります。まだまだ eスポーツに取り組んでいる企業が少ないので、長野県内だけでなく新潟・山梨・栃木など他県からもお声がけいただき、プログラムを提供させていただいています。


◆今後さらに eスポーツを松本で広げていきたいと考えますか?

そうですね。若い人たちが楽しみながら、自分たちの街で eスポーツを展開していけたらいいなという想いがあります。

eスポーツは2019年から国体の競技になりました。2027年に長野県で開催される国体でも eスポーツが競技として含まれていると思うので、松本で国体の競技ができればいいなと思っています。
さらに、最近では若い人たちの間で、働く生きがいとして職場の環境を重視する傾向があるので、eスポーツをやっている企業に入りたいと考える人も増えてきています。新たなキャリア選択の一つになると思います。

また、他県からもお声がけを頂いているので、長野県に限らずイベントを開催し、eスポーツを通して地方創生に繋げていきたいと考えています。
日本全国でも数少ない eスポーツの取り組みを、この松本から増やしていきたいです。



◆これまでに経験のないことを思い切って始められましたが、失敗談やうまくいかなかった経験はありましたか?

辛かったなと感じるのは、コロナの影響で人が集まるオフラインのイベントができなかったことです。今後は少しずつ人が集まるイベントも開催できるようになってくると思うので、色々なイベントを開催していきたいと考えています。



◆これから起業してみたいと考えている方へのメッセージをお願いします!

私の場合は、既にメインの仕事に就いている状態でRe.road株式会社を設立したので、大きな苦労はありませんでした。
しかし、一人で一から立ち上げようとなるとお金の面などで不安があると思います。そういった恐怖心を和らげることができれば、起業に挑戦しやすくなると思うので、いきなり勤めている会社を辞めてゼロからスタートするのではなく、ある程度仕組みができてから独立したり、他に少し仕事を持っている状態で独立をしたりしてみるのも、起業の一つの方法かと思います。


インタビューは以上です。
世界中で注目を集めている eスポーツが、ここ松本から日本へそして世界へと広がっていることに驚きと嬉しさを感じます。
世界中で日本のゲームが有名ですが、国内におけるeスポーツの認知度や普及度合いは、世界と比較するとまだまだ低いことを知りました。
この先、国内でもますます発展し人気が高まりそうですね!2027年の長野国体では、 松本市でeスポーツの試合が行われることを楽しみにしています!

金井さんありがとうございました!

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