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ポップな言葉からのぞく女子高生の“リアル” 『ハッピーアイスクリーム』 #614

見慣れた風景や物事も、視点を変えると、違う見え方が浮かび上がってくることがあります。それまで見落としていたことや、見過ごしていたことに気づいた瞬間、そのものに対する認識も変化していく。

日常で観察したことを表すのに、短歌ってきっとちょうどいいのだと思います。

わたしが集中的に歌集を読んでいたのは2000年代の初め頃で、ある女性誌の編集長が登壇するセミナーに行ったことがきっかけでした。

企画やタイトルを考える時、いまいちパスッとはまる感じがなくて、先輩の勧めで短歌を始めたとのこと。おもしろくてハマっていき、新聞の歌壇に応募して選ばれるようにもなったそうです。

言葉の感覚を磨くのにピッタリという話だったので、歌集を読むようになったのですが、わたし自身は「視点の切り替え方」にとても興味を持ちました。

同じものを見ていても、ボヤーッとフーンと通り過ぎてしまうわたしに比べて、歌人と呼ばれる方々は、なんてビビットに世界を見ているんだろう!

女子高生歌人と呼ばれ、18歳で第一歌集『ハッピーアイスクリーム―17歳って、これだけじゃ無理。』を出版した加藤千恵さんの短歌は、そんな思いを強くする衝撃的な歌集でした。

K-POPグループBLACKPINKのドキュメンタリー映画「BLACKPINK ライトアップ・ザ・スカイ」を観たとき、『ハッピーアイスクリーム』の世界がオーバーラップしてきたんですよね。JKの全能感と焦燥感、ポップなのにシビアでグロテスクな感情のカタマリが、胸にドスンときます。

女子高生の「リアル」がポンポン弾むように飛び出してきます。歌のレイアウトも、めっちゃ自由。

才能を持たないカラダ重すぎて気を抜いたなら沈み込みそう

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こんなすごい才能に触れてしまうと、自分でやってみようとはなかなか思えなくなっちゃう。笑

いまでも時々、思い出したように歌集を開いたり、その時感じているモヤモヤを言葉にして、短歌を作ったりしています。短歌のリズムに合わせるので精一杯で、なんの工夫もないけれど。

なんだか見える景色の隅々まで、全力で生きている!という感じがするのです。

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