考える事から逃げるな

子供が言うことを聞かない。

だから言葉が強くなる。声を荒げる。脅す。暴力を振るう。


ここまで行くのはさすがにないにしても、言葉が強くなる.声を荒げる、辺りまでは経験のある親も多いかも知れません。

ではここで言う「暴力」とはどんなものか?

殴る.蹴るはもってのほか、髪を引っ張る.腕を引っ張る.服を引っ張る.頭を叩く.体を押す.抑え込む.全部が暴力になります。

大人が子供に対して身体的優位を利用してコントロールしようとしたり.自分の思想を強いることは全て暴力です。

ここまで言うと当てはまってしまったり心当たりがある人がさっきより増えてしまったかも知れません。

そして注意してもらいたいのが.今現在心当たりがない人でも子供が言うことを聞かないときについ強い言葉を使ったり大きな声を出してしまうことがある人はその先の段階として脅す.そして暴力を振るう.が存在している事実があると言うことです。

つまり子供に対して強い言葉を使った時点で暴力に片足をすでに突っ込んでいると認識するべきなのです。

暴力を振るう段階までいっているような頭の出来が芳しくない方は.その理由を子供の「躾」とする場合が多いようです。

つまり暴力を振るわれる子供側に原因があると考えている訳です。やはり芳しくないですね。。。

では実際問題として暴力を受けるほど言うことを聞かない子供と親の頭が芳しくないことに関係があるのか?暴力を振るわれるまで言うことを聞かない子供に対して暴力を使わないと言う選択があるのか?暴力の理由となり得るものが本当に親側に起因しているのかを考えていきます。


まず先ほども説明した通り.暴力に至るまでにはいくつかの段階があります。その第一段階の強い言葉を使うことによって、子供はその言葉を自分の内から生じたものと感じるでしょうか?

当然そんな訳ないですよね。

それは親から一方的に押し付けられた言葉でしかありません。自分の意思とは関係ないものである以上、その言葉に対しての責任感は生まれません。

これは大人でも同じです。

いきなり.あまり付き合いのない隣人から「うちの玄関前の掃除をしなさい」とか言われて責任持ってやりますか?ここで「はい。自分なら責任持ってやります」と答えた方は.どうぞこれからも子供に対して自信を持って強い言葉を押し付けてください。

つまり人は外圧によっては責任感が生じにくい訳です。なので親の言ったことなどお構いなしに行動しがちになります。そして親側はこの時点で第二段階へ進まざるを得なくなる。

ではここまでで子供と親のどちらに非があるかを考えてみてください。そもそも人は外圧によって責任感が生じにくいと言いましたよね?にも関わらず外圧によって言うことを聞かせようとした訳ですから.この結果を造り出したのは親の思慮の浅さが原因なのは明白です。

しかも自分が原因なはずなのに.考えを改めるどころか第二段階に進もうとか愚かなことを考え始める始末です。先ほど.強い言葉を使った時点で暴力に片足を突っ込んでると言った理由がこれなのです。

このループにハマってしまうと.子供が言うことを聞くところまで段階を進めていくことになります。今現在.暴力を振るうところまでは行っていない人は.その段階に行く前に子供が折れてくれているに過ぎず、暴力を振るわずにいられるのは子供のおかげに他なりません。

では子供に言うことを聞いてもらうためにはどうしたらよいでしょうか?

ようするに子供自身が責任を持って行動するように促すことができれば問題は解決です。その為にはちゃんと物事を説明してあげることが重要になります。

これだけ聞くととても当たり前に感じますが.何か行動を促したり.逆に行動を制限する際に.なぜそうする必要があるのか?なぜそれが正しいのか.をしっかり説明している親は案外少ないと思います。「~しなさい」「~してはダメ」としか伝えない.しかも「言わなくても分かるでしょ」と思っている場合も多いです。

子供は大人よりも経験が圧倒的に少ないはずです。大人が分かって当然だと思っていても.それが子供にとっても同じだと考えるのは浅はかだと言わざるを得ません。子供にとっては未知の事で分からなくて当然という前提で接するべきです。

そして誠実で正しい行いができる子だと思っている.と言うことを伝えて下さい。親が子供を信頼していると言うことを表すことが重要です。

これは単に真心で向き合えば子供がそれに応えてくれる.みたいな綺麗事の話ではなく、子供の心の中に「自分は誠実に振る舞う人間なんだ」と言う自尊心を与える事で.それを貫こうとする一貫性の原理に基づいた考えです。

そうすることで課せられた行動を取ることは押し付けられたものではなく.自ら誠実であろうとする結果になる訳ですから.その行動は内圧によって行っていると感じてもらえるようになり.責任感が生まれます。

これらのどこにも.強い言葉を使う.声を荒げる.脅す.暴力を振るう.と言ったものが出てきていないですよね。これはほんの一例であって.それらを使わずに子供に理解してもらう方法なんてたくさんあります。

自分で考えることができない.または考えるのが面倒くさいから.安易に子供を外圧で無理やりコントロールしようとしているに過ぎません。

親と子という関係だろうがなんだろうが「人間関係」であることには違いがないのです。人間関係において片方が相手を外圧でコントロールしようとすれば関係は崩壊に向かいます。

それは親子だって同じなのに.なぜ親子関係になったとたんにそれがまかり通るのでしょうか?友人や恋人とうまく付き合っていく為にあれこれ考えるのと同じように.子供との接し方も考えるのが良識的な大人の振る舞いではないでしょうか?


以上です。

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