受験で変わる親子関係「進路決めでズレる子供と親の想い」と「その後の人生」~受験生ママのサポートを決めた訳~
コロナ禍に翻弄されたこの一年。
突然の一斉休校から始まった
迷走は思わぬ着地点に
たどり着きました。
ここでまとめる
これまでの学校の変化と
これからやろうと思っている
取り組みを通して
受験期の過ごし方や進路選びの
参考にしていただけると
うれしく思います。
1 これからの進路選びは?
「これからどうなるんだろう?」
多分誰もが思っている事だと思います。
特に”未来ある子供達”が
これから進んでいく方向は
「どう決めていけば?」と
悩む親御さんも多い事と思います。
親世代が経験してきた
「安定」「高収入」「高学歴」等の
条件が通用しなくなって来る今後。
・起業するのが当たり前
・SNSでプレゼンス(存在感)
を出す
・フォロワー数が大事
・個性を大切にする
(好きな世界を追求する)
・コミュニケーション力や
表現力や発信力が必須など
今まで社会に出るまでに
”身に付けるべき”と
言われて来た事とは
かなり違って来ているようです。
(私だけの感覚かもしれませんが)
そうなると…
学生時代に過ごす学校も
子供の個性が伸ばせる場所。
コミュニケーション力を
アップ出来る場所。
表現力や発信力などの
プレゼンテーション力を
高める事が出来る場所など。
いろいろな条件が変わって
来ると思います。
”学習環境”や
”進学のための受験体制”のような
今まで重視されて来た条件で
学校を選ぶ時代では
なくなって来るのかもしれません。
2 学校はどんな場所?
「こんなに変わっていくなんて! 」
今年1年の学校の変化は
すさまじいモノでした。
さらに20年以上前に
家庭科の仕事を始めてから
今までの変化も
ありえない位の違いです。
一方通行の講義が
当たり前だった昔から
子供達の主体性や対話、
参加型授業が必要とされる
ようになった昨年までの変化。
ところが
コロナ感染予防を考慮して
グループワークなどが
ほぼ出来なくなった今年。
では、これからどうなるのでしょう?
それは感染の状況や
学校の考え方で大きく
変わってくるだろうと思います。
さらに
オンラインが当たり前の
世界では
学校というリアルな場でなくても
学ぶ事はいくらでもできます。
学校選びでも
県内とか国内などの境を超えて
どこでも選べる時代になり
選択肢は劇的に増えました。
昔言われた
「学校は集団生活の体験をする
大切な場所」というのも
ソーシャルディスタンスを取り
食事中も話を控えてという状況で
どこまで集団を意識出来るかは
分かりません。
逆に
子供達にとっては
例えばゲームなどの
バーチャルな世界の方が
学校より
身近に感じられるのかもしれません。
それを考えると
学校という場所の在り方自体が
今後変わってくる可能性が
あるかと思われます。
昨年、
私が学校から離れる事を
決めたのは
テクニカルな変化についていく
気力を失くしたのが
要因の一つです。
新しいデバイスや
様々なツールが紹介され
授業や実習、
採点の形態までもが
変わっていく中
ITの新しい波に
果敢に向かっていくには
年を取り過ぎたと感じたから…。
逆に若い世代の
先生方の中には
積極的に様々なモノを
取り入れている先生もいて
学校は様変わりしています。
3 学校で子供は変わる?
「ここはこんな感じか…。」
新しい学校で授業する度に
校風や生徒の雰囲気には
とても敏感になりました。
職員室の雰囲気や
休み時間の生徒達の会話、
家庭科室の環境や
校内の様子などです。
たくさんの学校で
講師をさせていただいたおかげで
4月が終わる頃には
何となく学校の特色が分かり
5月の連休明けには
それなりの授業スタイルが
出来上がっていく感じでした。
ただ
公立高校から
私学の中高一貫校に職場を移した時は
本当に面くらいいました。
公立で常識とされた事が
ことごとく通じず
気持ちがついて行けない日々に
学校で仕事を終え帰る道すがら
「いつ辞めるか」を
真剣に考える日々が続きました。
それでも
5年も経つ頃には
私学の良さと面白さを
感じる事が出来るようになり
家庭の経済的な事情も重なって
灘中高以外の私学でも
仕事をするようになりました。
神戸女学院中等部高等部
甲南女子中学
甲南高校など
1~2年の勤務だけでしたが
雰囲気がまるで違う私学で
生徒達の様子もかなり
違う事が分かりました。
学校ごとに
力を入れている事や
ルールとして守らせている事、
学校行事への取り組み方、
授業や実習中の態度など
本当に様々でした。
その学校の雰囲気と
取り組みの中で過ごす6年間は
やはり子供達にとっては
とても大きな影響を与える事に
なると思います。
特に学校以外の場所で
つながりを持っていない
子供達にとっては
学校だけが
自分が所属するコミュニティに
なるからです。
ただ、
いつも感じていたのは
自分の中にしっかりした芯を
持っている子は
学校に左右されない強さを
備えているという事です。
それは
ご家庭での教育なのか
本人の意思なのかは
分かりませんが
そういうお子さんは
本当に意思が強い!
しかも何事にも対応が柔軟!
そういうお子さん達は
海外に留学するケースが
多かったように思います。
4 進路を決めるのは誰?
「俺の人生を台無しにしたのは
お前だ!」
中学受験の事など
よく分からないまま
ママ友のアドバイスを受けて
中学受験をさせ
過酷な学生生活を送らせて
しまった息子から言われた言葉です。
子供のためを思って
良かれと思って
選んだはずの進路が
子供にとっては
悪夢のような場所になるなんて
誰が想像できたでしょう?
息子とは
彼が社会人になった今でも
どこか気まずく
受験の時に出来てしまった
溝は埋まる事はありません。
この経験がトラウマになり
本当は受験に関わる事は
仕事に出来ないと考えていました。
だから受験とは関係なく
今までの経験を活かして
やれる事を考えていたのですが…。
お子様の受験に悩む方から
相談を受ける機会があり
気持ちが大きく
変わって行きました。
「もう、誰も
私や息子と同じような思いを
して欲しくない!」という強い想いです。
学校で最終学年を迎え
進路を決める時
誰が決めるのが
理想的なのでしょう?
子供自身は未熟で
判断力に欠けるかもしれません。
親御さんが経済的には
バックアップする事が
多いので影響力は強くなります。
今は奨学金制度も
充実しているので
子供が自分で何とかする
といえば子供の望みが
優先されるかもしれません。
進学後に
そこで実際に学ぶのは
お子さんです。
この進路決めは
とても難しい事ですが、
受験に関わる誰もが納得できる形が
一番理想的な形だと感じます。
5 受験期はどんな時期?
「あの受験勉強を
乗り切ったのだから
何があっても大丈夫!」
受験は人生の大きな
成功体験となり
その後の人生の基盤となる場合もあります。
“受験は実は成長のチャンス!”
そう私はとらえています。
それは
受験勉強を通して
いろいろな力を
身に付ける事が出来ると思うからです。
例えば
今風に言えば
グリット〈やりぬく力〉
レジリエンス〈回復力〉など。
また
時間のマネージメント力
自己管理力など。
さらに
課題解決型の問題に
対しては
クリティカルシンキングや
デザインシンキング等。
受験勉強と向き合えば
これらは否応なく
身に付くのではないかと
思います。
それにはもちろん
ご家庭での働きかけも
不可欠となりますが…。
6 受験期の親の関わり方は?
”受験の先の未来”
それは今は小さな芽が
やがて芽吹く環境を
どう整えるのかという事かもしれません。
その時
家庭で親御さん、
特に生活全般を支えるお母様方は
どう受験生に関われば
いいのでしょう?
そこに正解は
ないのだろうと思います。
ただ自分の経験や
学校で見聞きしてきた
親御さんの様子から痛感したのは
バランスの大切さです。
例えば
義理も含めた両親や親戚の目、
同級生の動向など
他を意識し始めると
”お子さんの適正や将来”
”お子さんの想い”が見えにくくなるという
とてもアンバランスな状況になりがちです。
そして
子供の受験期は親自身にとっても
仕事やプライベートで
多忙な時期と重なります。
そこに子供の受験が入ってくると
オーバーワークになり
迷いやストレスも生じがちです。
それが暮らしや体調に
バランスの乱れをもたらし
正常な判断がしにくくなる事も
出て来ます。
だからこそ
メンタルバランスや
暮しのバランス、
さらには受験後の進学も見越した
お金のバランスなどを
取っていく事が
何より大切になってきます。
7 理想の未来とは?
受験はお子様にとって
本当にやりたい事〈自己実現〉に向けての
最初に一歩です。
それを心から納得して
気持ちよく
サポート出来る状況を作る事が
何より大事な事かと思います。
お子様にとっての
「理想の未来」とは
どんなものなのでしょう?
”子供達が
受験を大きな成長のチャンスに
変えて自分がやりたい事をやれる”
そんな世界が実現したら
どれだけ素敵な世界に
なっていくでしょう!
今の時点では
きれい事に
過ぎないかもしれません。
でも
1人でも多くの子供達が
自分の思い描く
未来を実現できるように。
その想いが受験期に
親御さんとの想いとのズレで
つぶれてしまわないように。
少しでも私が出来る事を
していければと思います。
長文をお読みいただき
ありがとうございました。
〈終わり〉