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映画キャッツ感想 2020/01/24

キャッツの映画が公開されたので字幕版を観てきました。

ネタバレと、「これはちょっと…」と思った部分も含まれます。
個人の趣味主観による勝手な感想(メモ兼用)で、見間違い記憶違い等あったり不快に思われる箇所もあるかもしれませんので、予めご了承下さい。


年に一度、新しい人生を生きる一匹が選ばれる。

99回の人生を過ごしたとも言われる長老猫のオールド・デュトロノミー(ジュディ・デンチ)が、個性豊かな猫達から新たな生命を受けるに相応しい一匹を選ぶ。そのために猫達は歌や踊りで自分をアピールしていく。映画らしく物語がわかりやすいようになっている。

主人公の子猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)は、人間に育てられていたが冒頭で袋に入れられたままジェリクルキャッツの集まるゴミ捨て場に捨てられた。
この人間と猫が同時に映る場面、ヴィクトリアが入る袋がどんどん大きくなり形を変え、マンカストラップにより袋が破られ人型の猫が登場する。

明らかなゴミ捨て場、ネオン輝く廃墟群、ミルクバーや人家、銅像のある広場等歌って踊る場所は色々。

歌とダンス

基本的に自己ナンバーは自分で歌い、「The Railway Cat」の一部や「Mr.Mistoffelees」等、自分で歌わないナンバーはマンカストラップ(ロビー・フェアチャイルド)が歌う。「The Glamour Cat」では2匹のメス猫が歌っていた。

新曲の「Beautiful Ghost」についてはまだそんなに聴いていないので感想は控えます。ミストフェリーズ(ローリー・デヴィッドソン)に応援されながらのガス(イアン・マッケラン)「The Theatre Cat」なんだか和んで好き。

最後にグリザベラ(ジェニファー・ハドソン)が泣きながらデュトロノミーに向かって歌う「Memory」、ヴィクトリアに導かれ戸惑いがちに始まり、ヴィクトリアの声を挟み迫力のあるサビだと思いました。

ダンスについては映画という形式上カメラが自由に回るのと、同じような模様や色の猫が多いので、印象に残ったのはヴィクトリアとマンカストラップ、プラトー&ソクラテス(レ・ツインズ)くらい。思い出すと少し物足りなく感じた所はある。振り付けやカメラが良くない、と言うより猫のCG(キャラクターデザイン)が気になり頭に入ってこなかった部分はあるかもしれない。あと所謂「目が足りない」状態。

キャラクター

マンカストラップは真っ先に動き、歌い、踊り、ヴィクトリアに接し、デュトロノミーの側にいて目立つ存在だった。

マンゴジェリーとランペルティーザ(ダニー・コリンズ、ナオイム・モーガン)は同じ三毛猫の毛色。ヴィクトリアを置き去りにしたり、ボンバルリーナ(テイラー・スウィフト)と共にマタタビで猫達に隙を作らせたり、でもマンカストラップに詰め寄られるとたじろいだりと小悪党感があった。
自己ナンバーでも少し悪い悪戯な奴ら、という印象で、何故かわんわん物語の「シャム猫のうた」を思い出した。

マキャヴィティ(イドリス・エルバ)は魔術師。デュトロノミーに自分を選ばせる為、ナンバーを披露した猫を次々に魔術で攫い船に拘束し、ボンバルリーナの歌う自己ナンバーで登場して「残りは俺だけだから俺を選べ」と宣言。拒絶され、猫達がマタタビで動けなくなっている隙にデュトロノミーまでも攫いボンバルリーナと共に姿を消す。
船上で攫われた猫達を監視するのは片耳のないグロールタイガー。彼は拘束から逃れた猫達に舳先へ追いやられ、海に落ちた。ちょっと「あ!」っとする場面。
しかしマキャヴィティの最後がお粗末で、途中からとても「Napoleon of Crime!」と呼ぶに相応しくない猫になってしまっていた。「俺を選べ」宣言からその後も悪あがきをして、しまいには高い所から降りられなくなり右往左往というまるで落ち着きのない三枚目。序盤のミステリアスで気取った雰囲気は好きだったので、非常に残念。吹き替えはまだ聞いていませんが、良い意味でこれなら確かに配役が山寺宏一さんで納得、というキャラクターになっていると思う。
ただこのマキャヴィティのキャラクターのせいで、せっかくのテイラー・スウィフトのボンバルリーナの存在感がぼやけているように見える。最初のマキャヴィティのキャラクターが保てないなら、ボンバルリーナがいなくても数匹のメス猫にセクシーに歌い踊らせてればそれで問題ない。ロイド・ウェバーのコンサートの「マキャヴィティ」のように。そう思わせてしまうのはとても良くない。映画版でははっきりとマキャビティに寄り添うボンバルリーナが、突然登場し1曲歌い終わってすぐ不要になってしまうのはあまりにも悲しく勿体ない。

スキンブルシャンクス(スティーヴン・マックレー)の衣装デザインは凄く好きです。白いカイゼルひげにサスペンダー付きの赤いズボンに帽子。サーカスじゃあるまいしと言われたらそれまでですが、実際サーカスみたいに明るく楽しいタップナンバーで合ってはいたと思う。


気になった所

最初に紹介されるジェニエニドッツの「The Old Gumbie Cat」で出てくるネズミとG(猫と同じくどちらも人間の顔)が、猫から見たサイズではなく普通に人間から見たサイズな感じ。その他の場面でも大きく見えたり小さく見えたり、CGを使っている割にサイズ感がごちゃごちゃに思えた。

気弱なのかお調子ものなのかなミストフェリーズ。ヴィクトリアに恋している様子はほほえましくも可愛らしくもある。必要かどうかはわからない。舞台ではヴィクトリアと共に一番のダンサーなので、あまり踊らないキャラクターになったのはちょっともったいないかなという気持ち。見た目・衣装も目立つし主人公のヴィクトリアとの絡みも多いから出番も多く、ガスにエールを送ったりと自己ナンバー以外でも色々キャラ付けされているので、そこにさらにダンサーという役割も入れてしまうとごちゃごちゃになってしまうから丁度良いかも。

キャラクターの外見は多毛や柄、アップにならない等比較的気にならない猫もいるものの、世界中が悲鳴を上げたクリーチャーには変わりない。CGが修正されているはずですが、修正してもこれか……という気持ちが拭えない。観ながら慣れるか、世界観に入り込んでも無くなりきれない違和感が部分的にあった。特に主人公ヴィクトリアの外見については仕草が可愛い、踊りが素敵な分もったいなかった。

頭部以外で目についたのは人間の5本指の裸足の足。
二足歩行で一向に構わないが、あまりにもデフォルメが中途半端で猫によって差がありすぎる。裸足もいればスニーカーやタップシューズ等、本当にどうしたいのかわからない。猫の足に出来ないのなら、全員タップシューズの方がまだ良かったのではと思えてしまう。尻尾に至っては人間でも猫でもない動きで不気味にさえ見えた所も。
ソニックのようにキャラデザを根本的にやり直すというのもありだったかと。しかし、ダンスや歌声等でそれを忘れさせる場面もあったと思う。

映画のCMを見て、「可愛いし小さい子供も興味を持っている」という友人もいるので、以上はあくまで個人的な、私好みの感想です。


個人的に一番気になったのは、もうトレーラーの時点でわかってたんですがデュトロノミーの衣装。ボリュームのあるゴージャスな毛皮のコートはグリザベラと対象的。それは良いが、セレブのようなデュトロノミーは何だかイメージと違う。

酷い事も沢山書きましたが、プログラムも購入したしDVDが発売されたら買うでしょう。結局、良いと思えるものが沢山あったからこそ、悪いものも目についてしまったのかなと思います。