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PTが神経心理テストをやったっていいじゃないか!

STとOTの人数が少なくなりました.

主にOT,STが行っていた神経心理テスト負担になってきます.

外来患者や脳ドックの神経心理テストのオーダーをリハ部門で受けていて,主にOTが対応していました.年間1000件くらいです.

入院の脳卒中患者さんに対しては発症から経時的に定期評価というスクリーニングその他を実施していて,その項目にも多くの神経心理テストがあります.

定期評価システムについては別機会にご報告させていただこうと思いますが,標準化した最低限の評価を発症からの決まった時間を追いながら急性期,回復期の病棟に関わらずデータベース化しようという試みです.

10年くらい試行錯誤して3年ほど前からかなりやっとカッコがついてきました.まだまだ途上です.マンパワーが不足したから必要な項目を減らしたくありません.

「必要なもの」を都度見極める力を新人からベテランまで持ち得ていれば,それでも良いのですが我々にはまだ「仕組み」が必要です.

かといって,年々人数比率が少なくなってOT,STの負担は増すばかりです.根性論だけではのりきれません.

PT:OT:ST=37:8:3 です.

ここで思いつきました.

当リハビリテーション部の風土は「職種間の垣根なし」です.

スタッフ増員計り始めた頃,STも盛んに対象者に装具つけて訓練室まで歩かせていました.

今でもPTが盛んに食事介助や直接嚥下訓練行います.

神経心理テストをPTにやってもらおう!

神経心理テストと言っても,HDS-R,MMSE-J,RCPM,TMT-Jなどなど簡易なスクリーニング検査中心です.実施方法のレクチャー行い,練習を行い.まずは脳ドックの検査場面に同行してもらうことから始めました.

もちろん賛否両論.皆が皆,円滑に受け入れるわけではありません.

「やらされている感」満載のスタッフもいれば,「どんどん覚えたいです」とスキルアップの機会と捉えるものもいます.

そこはそこ.

やってみなはれ!です.

現在,脳ドック検査や外来対応はほとんどPT対応になりました,入院患者に対しても神経心理テストだけではなく嚥下の簡易スクリーニングもどんどんこなすPTが急増中です.OTは更に人数比率の少ないSTの負担を軽減すべくSLTA,WABをどんどん行います.

「負担を軽減のため」は第一義ではないですね.

対象者に対して必要であるからこそ,です.

固定観念を外すと,波及効果がありました.

回復期リハビリテーション病棟で病棟看護師の方々がリハスタッフと情報共有しながら神経心理テストや嚥下評価を行ってくれるようになりました.

できの悪いリハ責任者を部内スタッフや他部署のスタッフがどんどん助けてくれます.

セクショナリズムはいらないのです.

職域や専門性を云々いう向きもありますが,決して専門性を損なうものではなく,より深めることに繋がっているなあと感じています.

リハビリテーションの中心には対象者さんがいるのでしょうし,我々が”専門”と分割しているものの”寄せ集め”で望ましい支援ができるというものでもないようです.

もちろん,この事例はスタッフ確保に難渋した組織の苦肉の策の一例です.

by ぎしちょ

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