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【 #ティアマトの11の怪物 】ラハム:海獣【6】

 1番目から4番目の怪物は総じて蛇ないし竜ベースで彼らは炎の力を持つと考えられます。古代オリエントの神話世界では蛇ないし竜は砂漠や山の象徴であり、その熱さや火山の印象が彼ら蛇や竜に炎の力を与えているわけです。
 これが西洋における竜が火を吐くというイメージの源泉にもなるわけで、東洋的なイメージである龍が水と関連しているのとは対照的です。最近はどっちも取り入れられてなんでもありになっていますが。

 ティアマトは水の神なのにずっと蛇や竜、炎に関係するものばかりが続いて、5番目にようやく海の怪物が登場します。
 これについては後で少し書くので、まずはこの怪物についての解説です。
 その名をラハムというのですが、古代オリエントの神話にはラハムないしラフムという名の別の神もいるので実にややこしい。
 しかし完全に無関係かというとそうでもなく、海獣ラハムもかつては海を守る英雄や川の精霊として扱われていたものが、神によって退治されるべき怪物へ変貌したという経緯があるようなのです。
 神に仕えたこともあるという背景はムシュフシュと同様に他の怪物とは違う扱いを受けるようで、ラハムも城門において街を守る像として描かれ残っています。
 その姿は基本裸の男で髪の毛や体毛が巻いているのが特徴なのですが、これはこの怪物が水に関係していることの象徴であったりします。

ラハム図1

 

ラハム図2

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