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光造形3Dプリンタートラブルシューティング2:LCDスクリーンにレジン零した際の対処法

323工房の3DオペレータJです。

以前、光造形3Dプリンターのトラブルシューティングの記事を書いたのですが、割と読んでくださる方がいらっしゃったようなので、今回はその続きでまた違ったトラブルにフォーカスして書いてみようと思います。


今回は光造形3Dプリンターでやっちゃった系のトラブルで1番に上がる「スクリーンの上にレジンを零してしまった」というものについて書いていきます。

トラブルの原因としては……
・レジンを入れるバットのフィルムが破れてレジンが漏れた。
・バットを接続時にひっくり返した。
・バットの隙間にレジンが入っていたことに気がつかず、接続語に漏れ出した。
・レジンをバットにそそぐ際に外側へ零してしまった。

といったものが考えられると思います。
そして、零しただけならまだ拭き取ればなんとかなるのかもしれませんが、そのままうっかり照射してしまうと……
スクリーンの表面で硬化してしまって、使えなくなってしまう。
最悪、中の基盤まで入り込んでしまうとスクリーンそのものや内部の精密機器に入り込んで故障してしまう……
といったことが発生します。

最近の機種であれば、なかなか内部の精密機器まで入り込むということはないような構造になっているのですが、スクリーンがダメになってしまうと交換せざるを得なくなります。
このスクリーン、それなりに出回っている機種でも1万円+とそんなに安くなく、何回も交換することになると3Dプリンタ本体よりも高くついてしまうのでは?と思えてくる困ったもの。

そこで、今回、当工房で対応している少なくとも表面にレジンが硬化してしまった場合、どうするのかということを紹介します。

基本的なやり方はキッチン掃除と同じ要領。

基本的なものとして、IPA(イソプロピル・アルコール)とキッチンペーパーをまず用意します。
IPAは水洗いレジンしか使ってないよ!という方も1本は持っておくとよいと思います。
レジンは基本水で洗ってもこびり付いたらなかなか取れないのでアルコール戦場が必須だと思います。
このIPAを浸したキッチンタオルをスクリーンに被せ、しばらく(5-10分程度)置きます。
あまり多すぎるとスクリーンの脇に浸み込んだりしてしまうので、気持ち零してしまった箇所に広がる程度で良いと思います。

ゆっくりと剥がしていく図。機種はNova 3D Whale 2

ある程度時間が経ったら、金属スクレーパーで端から剥がしていきます。
この時にポンとなのが「ガリッ」という音がしたらすぐにやめることです。
この時に無理やり続けてしまうとスクリーンに傷が入り、光が拡散して思った造形にならなくなってしまい、結局部品交換…ということになりかねませんので……
もしまだ固いようであれば再度IPAを浸したキッチンペーパーを被せてまた時間を置きます。

上手くいくとちょうど皮が剥けるようにペリペリっと剥がれていきます。
塊で剥がせれば、スクリーンも傷が付かず、元のように使用できています。

3Dプリンタ関係の記事や動画を見ていますと、レジンがスクリーン表面で硬化した状態で諦めて部品交換している方もいるようなのですが、この方法で上手くいけば1万+の出費を避けることもできますので、一度試してみてはいかがでしょうか?

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