死の憧れの先へ

毎日があっという間に過ぎ去っていく。
こどもは予想を遥かに超える速さで成長し、
対して愛犬たちは日に日に衰えていくのを痛感する。
そのどちらにも寂しさと切なさがあり、
時の流れはわたしに歓び以上の哀愁を残していく。

生にはいつも死がついてくる。
子どもの成長は、
愛しい子ども時代の死を連れてくる。
愛犬や親の心身の衰えはそのまま、
別れの時を目の当たりにさせる。

そんな切なさの中で、
わたしたちは何をあたためて生きればいいのか。
何に想いを馳せながら生きていけば、
わたしたちは死の恐怖より、
生の愛しさを享受できるのか。

思い返せば、
物心ついたころからずっと死を考えている。
少女時代が終わり、思春期をすぎ、親になった。
死の哀しみは、死への憧れとなり、
そして今は恐怖になった。

もっと歳を重ねれば、
さらに違う感じ方になっていくだろうと
そう確信しているけれど、
それがどういう形なのかはまだわからない。
そのときが少し楽しみでもある。
そしてそんな自分に驚いている。

死にたかったあの頃の自分も大切だった。
ただ今は、死に呑み込まれずに生きてきた自分を
少し褒めてあげたい。よく頑張ったね。
その先の景色を見せてくれてありがとう、と。

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