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元教授、「がっちりマンデー」でミズノの意外な新展開に感動: 定年退職106日目

今日も、日曜日恒例の「がっちりマンデー」を朝7時半からテレビで視聴しました。先週はセブン-イレブンのスムージーでしたが(note、7/8)、今週はスポーツ用品メーカーの「ミズノ」の特集でした。ミズノの意外な最近の展開に驚かされたので、ここでご紹介します。

日曜日恒例の「がっちりマンデー」


大学時代、私は体育会のソフトボール部に所属していました。ミズノは、このようなマイナーな競技も支援してくれていました。ソフトボールで使用するのは、小学校で使うゴム製の柔らかいボールではなく、公式競技用の野球の硬球と同じ革製の硬いボールです(タイトル写真:左がソフトボール、右がプロ野球公式球(両方ともミズノでした))。この高価なボールを製造していたのがミズノでした。幸いミズノにOBがいらっしゃったので、年に一度、淀屋橋の本社を訪問し、何ダースかのボールを寄贈してもらいました。革製のボールは練習ですぐにボロボロになるので、非常に助かりました。もちろん、グローブやバット、ユニフォームなどもミズノ製でした。このようなご縁もあり、今回の番組を楽しみにしていました。


番組では、ミズノの社長が登場し、最初は私の知るミズノの多様なスポーツ用品が紹介されました。大きな特徴は、野球、サッカー、陸上競技などのメジャースポーツだけでなく、マイナーな競技にも注力し、幅広く開発している点でした(他のメーカーの3倍のスポーツ種目を扱っているそうです)。そしてモットーは「ミズノがやらずに誰がやる! 売れなくても作る」とのことでした。(追記あり)

今日はそのような話が中心かと思って見ていたところ、番組の後半から一変しました。後半は「スポーツで培った技術を、スポーツ以外へ展開する」という新たな話になりました。スポーツ分野では 1/100秒を競うため、少しでも機能向上のために「新素材」や「新技術」を惜しみなく、迅速に導入しています。長年、多様なスポーツを扱ってきたミズノには、膨大なノウハウが蓄積されています。


番組ではその例として、弓道の矢やバレーボールの支柱のノウハウ(カーボンによる強度・軽量化)を活用した高速道路のETCのバー製作が紹介されました。驚いたのは、単に強くて軽いだけでなく、ある速度以上で車が来たときに折れやすい設計にしている点です(車を傷つけないように)。さらに、この技術がトヨタの水素自動車「MIRAI」の水素タンクにも応用されており、高圧に負けない強度と軽さを実現しているそうです。

高速道路のETCのバー
トヨタの水素自動車「MIRAI」の水素タンク


また、会社のユニフォームや靴などへの展開も新たな挑戦でした。NEXCO西日本、佐川急便、サカイ引越センターなどの事例が紹介され、様々なスポーツユニフォームの知見が活かされていました。ある時はゴルフウェアのノウハウを、ある時はバレーボールのユニフォームのカッティングを使い、ユニフォームを最適化していました。特に感心したのは、引越センターのユニフォームはカッティングだけでなく、吸水速乾性の良い布を使用していたことです。お客様の新居に汗を落とさない配慮とのことでした。現在は1200社ものユニフォームを作っているそうです。

スポーツユニフォームの知見を活かしたサカイ引越センターのユニフォーム


作業靴の紹介も印象的でした。私の専門だった化学分野では、工場で「安全靴」を履いている人が多いのですが、「重い・硬い・ムレる」という欠点がありました。それらをスポーツで培った技術で解決していたのです。具体的には、つま先に野球のスパイク、かかとにランニングシューズ、靴ベロにテニスシューズの技術を応用していました。

スポーツで培った技術で解決した作業靴の紹介


確かに、就業人口はスポーツ人口を大きく上回るため、ミズノの戦略は的確だと感じました。さらに社長は、次は高齢化社会を見据えて「健康ビジネス」への展開を意欲的に語っていました。

今回は、ミズノの革新的な発想転換に感動した回でした。次週以降の「がっちりマンデー」も楽しみです。では、また。

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<追記> ソフトボールは非常にマイナーな競技なので、番組で取り上げられないと思っていましたが、ソフトボール用グローブの話が出てきて、とても感激しました。



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