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元教授、海外で使用した Uber を振り返る:その1(定年退職69日目)

定年退職してから、時間の余裕(気持ちの余裕?)が出来て、めっきりタクシーに乗らなくなりました。ただ海外となると、そうもいかないことがあります。今回はそんなお話です(少し前の話なので、現在は状況が変わっているかも知れません)。


私が初めて海外でタクシーに乗ったのは、30年ほど前の初渡米の時。ニューヨークのイエローキャブでした。バンパーがゆがんだボロボロの車体を見た瞬間、「しまった! ハズレだ」と思ったのですが、周りを見渡すと、ほとんどの車が同じ状態で愕然としました(映画でみると、おしゃれで格好が良かったのですが・・・)。運転手に愛想がないのは仕方がないにしても、英語も通じないし(それはこちらの問題か?)ホテルまで行けるのか不安でたまりませんでした。そんなわけで、当時の私は海外のタクシーにあまり良い印象は持っていませんでした。


ところが5年ほど前に、アメリカ、ヨーロッパに長期間の講演で行くことになり、再び頻繁にタクシーを利用する機会がありました。そこで、私はその進化に驚かされることになります。


ロサンゼルスの近くのサンタバーバラという街に電車(アムトラック)で到着した時のこと。駅から少し離れたホテルまで向かおうとしたのですが、駅にはバスやタクシーの乗り場はおろか、駅員の姿すらありません。そして駅前には、iPhone を見ている若者が数人いるだけで、他に人っ子一人いないのです。しかも、彼らは次々にやってくる車にどんどん乗っていくではありませんか。あれは何だ・・・?

サンタバーバラ、駅近くの道路


「このままでは最後の一人になってしまう」そう思った私は、大学生くらいの若者に話しかけて聞いてみると、「ここではみんな、Uber を使うんだよ」と教えてくれました。Uber ?  何だそれは? タクシーじゃないのか? 彼は親切にも「自分が呼んだ車に乗っていきなよ」と言ってくれたのです。「なんていい子なんだ!」と感心し、「じゃあ、車代は払うよ」と言ったのですが、「もう払ってあるから」とのこと??  一体どんなシステムなんだ、全くわからない?? ホテルの名前を告げると、彼は iPhone を操作するだけで、運転手に告げた様子もありません。そして「これが Uber だよ」と言って、彼は車から降りていきましたが、状況が全く理解できません。取り残された私が目的地に着いた時、運転手に料金を払おうとすると、「もう、もらっているから」と断られてしまいました。彼が料金を支払っている様子はなかったのに・・・、一体なに???

サンタバーバラ、海に近づく


初めて自分で Uber を使ったのは、その後シリコンバレーにある Stanford 大学に行った時でした。数ヶ月前からその大学に留学していた元教え子の S 君に街を案内してもらうことになったのですが、彼も Uber を使ったことがないと言うので、「それなら一緒に試してみよう」と iPhone の Uber のアプリで恐る恐る車を呼んでみました。

Stanford大学(大学のHPから)


すると、iPhone のアプリに車のナンバーが表示され、「数分後に到着します」と通知が来ました。しかも画面を見ると、その車がこちらに近づいてくるのがわかるのです。ドキドキしながら待っていると、今までのタクシーのイメージとは全く違うピカピカの自家用車が到着。運転席には、バッチリメイクを決めた上品そうな年配の女性が座っていました。


彼女はこちらのファーストネームを知っていたようで、確認してきました。「そうです」と答えると、愛想よく「どうぞ」と招いてくれました。お話好きの彼女からは、Uber の良い点から最近のスキャンダルまでw  いろいろと教えてもらいました。そのおかげで、ようやく、今までの出来事のすべてが繋がったのです。


次回も続きます。お楽しみに!

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