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元教授、趣味の落語のはなしを少し(その4、立川志の輔さん)定年退職56日目

「ためしてガッテン」でお馴染みの立川志の輔さんと書き出そうとしたのですが、調べてみると番組名は「ガッテン!」に変わり、さらに2年前には他の生活科学番組に引き継がれていました。ただ、30年近く司会を務めておられたので、そのイメージがまだ強いかも知れません。覚えていますでしょうか? 最近では、のど薬の龍角散(ダイレクトスティック)のCMでご存じかと思います(以前の私の note:鞄の中シリーズ(4/8)でご紹介)。さらに先日、志の輔さんの一番弟子の立川晴の輔さんが「笑点」メンバーになったことでも評判です。

志の輔さんの独演会のチラシ


私としては、現在、落語の一番上手い師匠は志の輔さんだと位置付けています。もしかすると、「ためしてガッテン」での司会ぶりが印象に残っている方からすると、安定感がある司会者だが落語家としてそれほど面白いのか?と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、落語を聴いてもらえればすぐにわかります。最近、ある学生に「落語を聴き始めたいのですが、どなたか紹介して欲しい」と相談されましたが、すかさず私は、上手いのは「志の輔さん」、面白いのは「喬太郎さん(5/25 の note 参照)」と即答しました。

大阪のフェスティバルホールのオープン祝祭落語会
(同門の談春さんと)


例えば、志の輔さんの落語に「大河への道 〜伊能忠敬物語〜」という噺がありますが、ある時の高座で彼は「2時間近い噺ですが、笑うところはありませんよ」と言いながら始めました。しかし、可笑しくないのに飽きずに聴かせ、むしろ楽しくてあっという間に時間が過ぎました・・・というくらい、噺は断トツに上手いと思います。


志の輔さんの落語で、古典落語では、私は噺での人間性の表現の仕方が大好きです。たとえば「新・八五郎出世」での八五郎、「抜け雀」の絵師、「帯久」の大岡越前守など、特に人情味のある人物を語らせたら右に出るものはいないと思います。

一方、新作落語も絶妙です。師匠の立川談志さんは新作落語をほとんどされなかったのですが、志の輔さんは「志の輔らくご in パルコ」という催しなどで、長期間にわたりどんどん新作を作って発表されています。私でいいますと、疲れて元気がなくなった時に、今でも「みどりの窓口」をCDで聴きますと、その楽しさで気力が戻ります。もちろん、マクラも絶品です(追記参照)。私が好きなマクラは富山の飛行機ネタです。ご出身の富山県の話なのですが、「天気が悪いと、なかなか降りられない」というマクラは爆笑必至です。

志の輔さんのご著書


志の輔さんの落語会に行くと、別の楽しみもあります。それは志の輔さんの手拭いを購入できることです(タイトル写真、下写真)。毎回、その会の趣向に合わせ、デザインもお洒落なので、いつも色違いを何枚か買わせていただいております。そしてその手拭いの一部は、海外から講演に来られた教授に、時々、お土産としてお渡ししています。またの機会にその話もさせていただきます。

志の輔さんの落語会で購入した手拭い


<追記>
その中に「コーヒーを飲むと、右目が痛くなる」という志の輔さんの小噺がありますが、私は大好きすぎて、ある研究会の挨拶でそれを披露したことがありました。もちろん、全くウケずに撃沈しました。やはり、志の輔さんだから面白いんだと、よくわかりました・・・涙。


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