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ボルドーでの懐かしい思い出(その2、ラスコーの壁画?): 元教授、定年退職118日目

昨日、オリンピックのサッカー予選がフランスのボルドーで行われたこともあり、ボルドーの思い出を少し綴り始めました。最初の訪問は前回書きましたように2003年の学会でした。そして、その最終日にはエクスカーションがあり、我々はバスでサンテミリオンとラスコーに向かいました。今日はそのエクスカーションについてお話しします。


サンテミリオンはボルドーから 35 kmに位置する有名なワインの産地です。この街はロマネスク様式の教会などの歴史的建造物があり、ユネスコの世界遺産にも登録されています。私はこの街ののどかな風景が大好きで、今でも時折コンピュータの壁紙に使っているほどです(下写真)。また、以前のnote(4/20、定年退職20日目)で、フォアグラに合う貴腐ワインの話をしましたが、この地でのエピソードです(記事では、ドイツのアイスワインと味が似ていたが、作り方が全く違ったという話でした)。

サンテミリオンの風景 1
サンテミリオンの風景 2
サンテミリオンのブドウ畑
サンテミリオンのワイン樽


残念ながら滞在時間が長くなく、ワインセラー訪問(上写真)、昼食、土産物の探索で終わってしまいました。その際に奥様への土産として購入したものが、タイトル写真の「ガチョウの親子」です。棚の端に置くタイプで、下を覗く母鳥と子供たち、それをノンビリと寝転がって眺める父鳥の様子が大好きで、目の前に飾ってあります(これは、日本でも流行った「コップのフチ子さん」に似た感じのものですね)。

<追記> その後(2015年)、別の国際学会のエクスカーションでもサンテミリオンを訪れる機会がありました。この時は、前回とは異なるワインセラーやモノリス(一枚岩でできた)の教会などを見学でき、再び楽しめました。ただ残念ながら、お気に入りのガチョウの土産物屋は見つけられませんでした。


次に訪れたのは、2万年前の後期旧石器時代にクロマニョン人によって描かれた壁画で有名なラスコー洞窟です。最初に、1940年に村の少年とその友達によって偶然発見されたエピソードを教えてもらいました。階段を降りて洞窟に入ると(下写真)、馬、山羊、牛、鹿などの様々な動物や人間の絵などが壁面を埋め尽くしており、その壮大さに圧倒されました(下写真)。また、炭酸カルシウムの形成が壁画の保存に役だったという説明も興味深いものでした。

階段を降りて洞窟に入る
様々な動物の絵(実物大とリスト)

洞窟の終わりに差し掛かった時、委員長が「実は、今回ご覧いただいた壁画は1983年に作られたレプリカです」と衝撃の種明かしをしました。その瞬間、少し落胆はしましたが、すぐに皆で顔を見合わせて笑いました。「元々、本物の洞窟は観光客を受け入れていましたが、彼らの吐く二酸化炭素により壁画の劣化が進んでしまい、40 年前に閉鎖された」との説明でした。

また、この洞窟の絵は酸化鉄を含んだ顔料で描かれていたので、酸化鉄を研究で使っていた我々は、これらの話を講義や学会のイントロでよく話題にしました。もちろん、時間がある時は、これがレプリカだったというオチも使わせてもらいました(笑)。


今日の note は、エクスカーションの様子だけで終わってしまいました。夜からの続きは、近日中に書かせてもらいます。お楽しみに!



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