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私の恋愛議事録 ネット恋愛編②


そんなこんなでネットの彼に恋をした私。


私が思うのは、どんなに若くてもどんなに失敗しても幼なくても自分から好きってなった相手はちゃんと全力で好きだった。
自分の好きだった気持ちだけは自信が持てる。寧ろそれは否定したくないと、常々思っている。


ストーカーかのように彼について調べた。
彼のIDから他の板に書き込んでないか確認するのは勿論、好きになる前に言っていた情報からおおよそ住んでいるところ、学校はなんとなく目星はついていた。話が本当のことなら。

あまり自分の周りのこと、地名だったり方言丸出しだったりしないように気をつけた方がいいと思う。ということを書き記しておく。

めちゃくちゃストレートな私は結構な速度で本人に気持ちを伝えていたと思う。
付き合いたい気持ちはあるけど友達でいられなくなるのも嫌だし普通に絡んでほしい、的なことを言ったような気がする。ワガママ女王か。

昔のことすぎてあんまり思い出せないけど、
付き合おうとか軽々しく言わなかった彼はまともな人だったんだろうなと今になって思う。端的に言うと振られた。


それでも、好きだって言葉は聞いた気がする。
私のことなんでそんなにわかるの?ってくらいの的確なメッセージ。喜ぶことも悲しむことも、お見通しかよって何度も思った。
私の見えるようなところで他の女の子に可愛いとか言ってたり、あれは絶対私に見せつけてたと思う。

付き合うことはできないよ。と言われた後も日課のようにメッセージは交わした。何でもないことでも話せるだけで嬉しかったし何より彼の小説の続きを見るのが好きだった。幸せだった。


そんなある日、この曲を聴いてほしいとURLが送られてきた。
歌い手の松下さんが歌っている天ノ弱。
どういう気持ちで送ってきたのか、ただこの曲がいいよ!というノリでなかったのはわかる。
なぜならその後彼はその掲示板から姿を消したのだ。

某ラノベサイトの一次選考が通ったので今後も本気でその道を目指したいからこちらの掲示板はもう来ません。
そんな文章が載っていた。
ほんとに信じられなくて、話せるだけでよかった。もっと小説が読みたかった。
めちゃくちゃ、すごく泣いたし後悔したし苦しかった。
なんであの曲を勧めてきたんだろう。今もわからないけど。


私もだんだん掲示板を見なくなって離れていった。
彼が掲示板から消えて1.2年後のこと、ふと彼とやりとりをしたページを開いた。
そのサイトはフレンド的なものになるとその人はこういう人です的な紹介文が書ける機能があった。

私の欄には
「好きだった。」
と一言。

ちゃんと好きだった。一種の憧れだったかもしれない、尊敬だったかもしれない。
それでも何年経った今も楽しかった、辛かった、それでも幸せだったと思える。

ネット恋愛、叶わなくてよかったかもしれないけど
彼の書いた小説がこの世に出ているなら読みたいし、感想を伝えたい。
精神的な支えになってくれた時期もあったから感謝している。
ネット恋愛、きっともう二度としないだろうけど悪い思い出ではない。


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