おひとり様への道程

また高校生の時の話になるが、当時、カフェに入るのは相当勇気のいることだった。
1人で入るのもそうだし、何せお小遣い制(夜学で、夕飯にはパン1つだけ出る学校だったので何か帰りか行きに食べたらいい、と毎日500円~1000円、貰っていた )だったのでお洒落なカフェや気になる店に、価格帯も解らず気軽には入れなかった。

数回前に登場した中学以来の友人は、諸事情で学校を辞め通信制の学校に転校した。高田にあったため、よく僕と彼女の登校時間までの間、比較的朝早くから高田のまちで遊んでいた。
思い出深いのが、近鉄高田駅を降りてすぐにあったカフェだ。名前を忘れてしまったが、お洒落すぎず落ち着きすぎず、やや静かに談笑できる丁度いいカフェだった。価格帯も良心的・・・というより、個人的に払いやすい価格であった。
店員さんも、友人の総額が777円になった時には一緒にテンションが上がったりと気さくな方が多かった。
高校を卒業する頃だったか、いつの間にか外装だけになり、今もそのまま残っている。思い出深い店の1つだ。

また、JR奈良駅前には不思議なカフェがあった。当時まだ書籍で出ていた奈良の情報誌『ぱ~ぷる』かなにかで少し知ってはいたのだが、本当に不思議なのだ。
そこまででは無いが当時の感覚からすると増田セバスチャンの世界観のようにカラフルな中の様子がガラス貼りの外観から見えていて、トリックアートのような店内で、覚えているのは階段の何段目かがチェアになっており、その高さに合ったテーブルが固定されていた。
店名は浮遊空間、といっただろうか。そのような名前であった。
いつか入りたい、と思っているうちになくなってしまった。
考えたら、夜間学生だった4年間というのは以外にも長かったのかもしれない。その間に色々なものが移り代わった。

そして、恐らくここが初めて一人で入れたカフェだと思う。
餅飯殿商店街に、今もあるだろうか。
南風、さんというカフェだ。
たしかランチで入ったのだと思う。迎えて下さったご夫婦はあたたかかった。
どんなメニューを注文したかは覚えていないが、とにかく可愛い雰囲気の、個人経営の、いい感じのカフェに一人で入れた!という満足感と、料理の満足感でいっぱいだった。
ここへは、その後も一人で行ったり家族で行ったりすることになる。

まだまだ、県下には行ってみたいカフェが沢山ある。
というか、カフェ自体が増加し続けている。一方でやむなく閉まってゆく店もあるので、行けるうちに行っておきたいものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?