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世界で一番美しい少年

映画『ベニスに死す』でタジオ役をつとめたビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー映画を観てきた。どうしようもなく悲しかったし、子供というのは守られるべき存在なのではないのか?子供を守る立場である大人が率先して彼を消費し食い散らかし破壊する、この、えげつなさ。むごたらしさ。ひたすら観ていて悲しくなった。美しさをたたえるなら、美しさをなぜ無駄に消費するのか。なぜ大切にしないのか。美は人を狂わせる。実感がある。美は本人を破壊することもあれば、その刃は周囲の人間を突き刺すのだ。毒の花に触れた経験がある。完璧な美は破壊される、何かしらが。美は猛毒である。けれど、美の前に、ひとりの子供である。ひとりの子供が、守られない。こんなことあってはならない。

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