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物理の業界用語

「お茶漬けでもどうですか?」

ということを言われたら京都では「帰ってください」という意味だそうです。

・・・そんなこと言われてわかります??

わからないのが普通だと思います。

このように、普通ではわからない専門用語というか業界用語が物理にもあります。この言葉がでたらこんな意味だ、ということを各分野でざっくりまとめまてみました。ヒントになりそうな表現も入れておきます。

■全分野を通して

〇〇から必要なものを用いて答えよ

→与えられた記号をすべて使わなくて良い

「十分に」シリーズ

(力学)十分に小さい

→大きさを考えない→物体を質点として扱う

(力学)十分に長い・広い

→端がない

(熱)十分に薄いピストン

→ピストンの厚さを0とする→ピストンの体積がない

(波動)十分に薄い薄膜

→薄膜の干渉が起きるほど薄い(厚すぎると干渉起きないため)

(全体)十分に時間が経つと

→時刻t→∞

(電磁気)十分に遠方

→無限遠のこと

「≫」 や 「≪」などの記号

→近似を使う可能性がある


■力学

なめらかな

⇒摩擦なし

あらい

→摩擦あり

糸がゆるんだ・たるんだ

→張力0

糸がたるむことなく

→張力あり

物体が面から離れた

→垂直抗力0

すべりだした(すべりはじめた)

→静止限界→その瞬間は最大摩擦力

転がりはじめた(倒れはじめた)

→モーメントが0

ばねが自然の長さである

→弾性力0

軽い

→質量0

(振り子において)θが小さい場合

→sinθ≒tanθ

一様な物体

→密度が均一→重心が真ん中にある

等速度(一定の速度で)

→速度変化しない→加速度が0→ma=Fより合力Fも0

AはBを静かに〇〇した

→AとBの相対速度が0

(Aが止まっている人だったらBの初速度が0。気球上昇中にAが静かに手を離したら,Bは上向きの速度をもっていることになる。)

ばねにつながれた2物体が運動していて,ばねが最も縮んだとき

→相対速度0→2つの物体は同じ速度

(斜面のある台上の物体が最も高い位置にきたときも同様に台と物体は同じ速度)

一体となった

→2つの物体は同じ速度→e=0の可能性

繰り返し衝突

→n回衝突のときの項を求めてn→∞にする

ゆっくり動いた

→無限の時間をかけて力のつりあいを保ちながら動いている→速さの変化がない

(万有引力の問題)無限遠に脱出

→力学的エネルギー≧0


■波

θが小さい場合

→sinθ≒tanθ

1≫x

→(1+x)のn乗 ≒1+nx の近似を使う

開口端補正が0

→開口端が腹になる定常波ができる

〇〇に反射した

→固定端反射か自由端反射かは書かれるので注意して見ておくこと


■熱

単原子理想気体

→Cv=3R/2,Cp=5R/2

2原子分子の理想気体

→Cv=5R/2,Cp=7R/2

(実際には温度によってCv,Cpの値は変化するので注意して問題文を見る)

断熱材

→熱の出入りがない

真空

→空気がないため押す力ない→圧力が0

なめらかに自由に動くピストン

→ピストンに加わる力の大きさを図示する

ゆっくりと動く

→力のつりあいを保ちながら動く→定圧変化

急激に押す(引く)

→熱の出入りする時間がない→断熱変化

熱をよく通すピストン

→2つの気体の温度は等しい

固定されたピストン

→定積変化

(p-Vグラフにおいて)1サイクルさせた

→内部エネルギーの変化⊿U=0

細い管(2物体の混合)

→管内の体積V=0

コックを開く(2物体の混合)

→2つの気体の圧力が等しくなる+物質量の和が不変

片方が真空(2物体の混合)

→分子の二乗平均速度は変わらない→温度不変である

断熱容器で混合(2物体の混合)

→内部エネルギーの和が不変


■電磁気

一様な電場

→電気力線平行→V=Edが使える

コンデンサーでQが一定

→電場Eが一定(極板間に何もいれない場合)

→電位差Vはdに比例して変わる

(電池とつながったコンデンサーが)スイッチを閉じたまま

→電位差が変わらない

(コンデンサーに電気がたまっていない状態で)スイッチを入れた瞬間or直後

→コンデンサーの前後の電位差がないので、コンデンサーを導線とみなしてキルヒホッフの法則を適用する

(コンデンサーの電位差がVの状態で)スイッチを入れた瞬間or直後

→コンデンサーを起電力Vの電池とみなしてキルヒホッフの法則を適用する

(コンデンサー)スイッチを閉じて十分時間が経った

→コンデンサーの充電が完了→電流が流れないので断線として扱う

(コイル)スイッチを入れた瞬間

→コイルは電気を通さない→断線として扱う

(コイル)スイッチを閉じて十分時間が経った

→コイルは導線として扱う

理想的な電圧計

→電圧計の内部抵抗∞

理想的な電流計

→電流計の内部抵抗0


■原子

(光電効果の実験で)光を強めた

→毎秒届く光子の数が増える

→光電効果で飛び出す電子の数も増える

→検出される電流も増える


以上です。いろいろ書きましたが状況を見ながら使っていってください。

物理法則がわかっているのに、独特の表現で点数のとれない人に届いてほしいです。

追加・訂正がありましたらお伝えいただくと助かります。

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