入り口のところですごく厳しくする

 福祉をやっている友人が言っていました。福祉の世界はとても厳しいので、希望する若者には、あえて厳しいことを言うと。なまはんかな気持ちで福祉の世界に来て、その厳しさに耐えられず、辞めていく若者が多いから、と。

 その厳しさは、やさしさだよね?と言っていました。

 そうですね、数学の世界でもそれはありました。

 数学で食っていくことは、とても厳しいことです。ですから、入り口のところで、ものすごく厳しくするのです。それはやさしさです。入ってからわかるのですけど、ほとんどの東大生(他大学の学生も)は、「東大数理」を、すごく厳しいものととらえています。私が学生だった20年以上前の話ですが、40人くらいの定員のところに、百数十人、受けに来て、しかも20人くらいしかとらない、と。いまはよく知りませんが。

 でも、その「入り口の厳しさ」は、やさしさなのです。修士課程に入ってから落ちこぼれる人もたくさんいます。そもそも、高校でちょっと数学ができたくらいで、いきなり数学者を目指し始まって、大学の数学科へ行く、なまはんかな若者が多いのです。そういう人は、大学に入った瞬間に落ちこぼれますが。

 それくらい、数学で食うのは、厳しい。いったんレールから落ちると、私みたくなってしまうからね!こういう(私みたいな)人を出さないためにも、入り口はすごく厳しいのです。それは、やさしさです。

 以上です。お読みくださり、ありがとうございました。

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