バルシャイ指揮のショスタコーヴィチ
(※いまから、またクラシック音楽のマニア話を書こうとしています。しかも、あまり詳しくない分野について書きますので、ちょっと恥ずかしいです。さらに、詳しい人から見たら、なにをいまさらと言われるような内容かもしれません。でも書きたいので書きます。ショスタコーヴィチの交響曲について書きます。それでもよろしければ、お読みくださいませ。)
この半年くらいで、ナクソス・ミュージック・ライブラリ(以下、NMLと書きます)に、図書館のカードで、無料で入っています。これは、月額いくらで、クラシック音楽のいろいろな音源が聴けるサービスで、サブスクとか言うらしいですが、これが、近所の図書館のサービスで、無料で聴けるのです。知らないかたにはぜひおすすめしたいサービスです。
NMLに入って、学生時代から、有名なのだけれども、当時はまだCDばかりの時代で、いろいろ聴けなかった音源があり、そういったものを聴いています。たとえばバーンスタインの最晩年のマーラー交響曲全集とか、アダム・フィッシャーのハイドン交響曲全集も聴いたりしたわけです。もともとオーレル・ニコレによるルーセルの「笛吹きたち」が聴きたくて入ったのですが、いろいろ聴けてありがたいサービスです。
聴いてみて衝撃的だったひとつが、ルドルフ・バルシャイ指揮、西ドイツ放送交響楽団によるショスタコーヴィチ交響曲全集だったのです。あとから知ったのは、この全集も極めて有名であり、また、たしかに私が学生時代から、熱心なショスタコーヴィチ・マニアは、弦楽器、管楽器、打楽器を問わず、いたものです。そういうマニアのかたからしたら、稚拙な話を書こうとしていますし、いまさらの話かもしれないのですが、書きますね。
まず「西ドイツ」というので、東西ドイツの時代かと思ったら、これケルン放送交響楽団のことですね。なあんだ。すみません。
第1番を聴き始まったときから、これが、私が長いこと慣れ親しんできた演奏とは異なる切り口の演奏でありながら、非常に説得力のある演奏であることが明らかになってきました。私が慣れ親しんでいるのは、おもにストコフスキーの演奏です。ただしストコフスキーは15曲あるショスタコーヴィチの交響曲のすべてをレパートリーとしたわけではありません。録音が残っているものとしては、1番、(3番はアメリカ初演していますが、録音はありません。)5番、6番、7番、(8番は要約版です)、(9番は、ガセの音源が出回ったことがありますが、ストコフスキーのレパートリーではなかったようです。しかし、私は学生時代に9番はやっており、と言っても降り番でしたが、なじんでいます。)10番、11番、だけですので、慣れ親しんでいない曲も多くあります。
バルシャイは、学生時代から、ヴィヴァルディの「調和の霊感」のニ短調とロ短調の2曲しか親しまずにいましたが、とにかくショスタコーヴィチには強いらしいこと、弦楽四重奏曲を編曲した室内交響曲の存在、交響曲も第14番を初演しているらしいこと、マーラーの交響曲第10番の「バルシャイ版」と言われる補筆完成版の存在(これはYouTubeの時代から親しんでいました。有名なクック版より個性的ですが、充分にすぐれていると感じます)、LPレコードマニアから聞いた話で、膨大な録音の存在など、すごい指揮者らしいということは話に聞くばかりでした。しかし、この全集はすごいと思いました。
第2番は、ショスタコーヴィチの交響曲のなかでも、もっともなぞな曲ですが、天才というものは、一度はこういう曲を書かずにはいられないのかもしれないと感じたりします。第3番も同様です。
バルシャイは、どうやら、4番とか、8番とか、いわゆるシリアスなショスタコーヴィチの曲ほど、本領を発揮すると感じました。9番みたいな曲もよいです。私にとって、13番や、なかんずくマニアの皆さんが多く讃えておられる14番などは、深すぎてついていけないのが正直なところですが、どうもこの歳(46歳)までかかって、なじめない曲があるということは、ショスタコーヴィチとは人生観が違うのかな?と思うときもあります。でも、それを言ったら、私はベートーヴェンについて語る資格もありません。後期の弦楽四重奏曲についていけないからです。モーツァルトについて語る資格もありません。オペラについていけないからです。ですから、ショスタコーヴィチも好きな曲は好きですから、ちょっとは書きたいのです。
ショスタコーヴィチの交響曲で、生で聴いたことがあるのは、5番、6番、8番、(9番は降り番という経験がありますが、客席できちんと聴いた経験はないと思います。)10番、11番、13番、といったところです。プロの演奏で聴いたのは、5番(外山雄三指揮神奈川フィル)、10番(ドミトリー・リス指揮ウラル・フィルと、ロストロポーヴィチ指揮新日本フィル)になると思います。
そういったわけで、あまりたいしたことは書けないのですが、バルシャイ指揮西ドイツ放送交響楽団によるショスタコーヴィチ交響曲全集には、強い感銘を受けました。私が学生時代に支持の多かったショスタコーヴィチ演奏は、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルでしたが、あれも全曲があるわけではなく、しかも西ドイツ放送交響楽団のほうがレニングラード・フィルよりずっとうまく(という言いかたが語弊があるなら、私の好みです)、これはすごいものに出会ったという感じでした。もうだいぶ前の録音ですので、いまさらかもしれませんが、どうしても書きたかったのです。本日は以上です。
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