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ストコフスキーのチャイコフスキー後期交響曲ライブ盤

本日もまた早朝覚醒してしまいました…。さすがに頭が重かったです。参りますね、睡眠障害は。しかし、がんばって仕事をいたしました。本日は珍しく、土曜の夜という人気の時間に、なんの仕事も入っていません。本命の数学ブログも、書きためが多くなりました。かつての「こち亀」の作者の状態ですね(予約投稿が多すぎ)。本日も、クラシック音楽オタク話を書きますね。ストコフスキーのチャイコフスキーの後期交響曲ライブ盤の話です。「好きなCD」の話です。

このブログのタイトルをどうするか、少し考えました。一般的にチャイコフスキーの「後期交響曲」といって、4、5、6番を指すと思います。実際にはチャイコフスキーの4番と、5番のあいだには、少し作曲の時間があいているわけですが、かまわずこう呼ぶことにいたしますね。今回は、この3曲プラスアルファのストコフスキーのライブ盤からです。

ストコフスキーは、チャイコフスキーの交響曲は、この4、5、6番のみをレパートリーとしたようです。1、2、3番、およびマンフレッド交響曲は、録音が残っていないのみならず、演奏会でも取り上げた形跡がありません。ただし、チャイコフスキーのさまざまな音楽は取り上げ続けました。晩年のストコフスキーは「天国に行ったらまずチャイコフスキーにお礼を言わなくては。だいぶお世話になったから」と言ったとか言わなかったとか。それくらい、得意にした作曲家です。

私がこの2枚組のCDを手にしたのは、2012年ごろです。と言いますのも、先日のデトロイト交響楽団ライブと同じで、勤務する学校のオケが、チャイコフスキーの5番を取り上げたタイミングで入手したと覚えているからです。したがいまして、私の長いCD収集歴(おもに1994年から2006年までの12年間の学生時代に買って聴きまくったもの)のなかでは、例外的に「遅い」入手です。しかし、これは大好きなCDです!わけてもアメリカ交響楽団の5番がよい!近年、ますます好きになっているCDです。では、収録された順にご紹介いたしましょう。

まず、交響曲第4番。日本フィルの東京ライブです。これは、きのうの記事にもあります、ストコフスキーの1965年の来日時の演奏ですが、武道館のライブではなく、東京文化会館での7月8日の演奏会です。この日のプログラムは、バッハ=ストコフスキーのパッサカリアとフーガ、アイヴズの「答えのない質問」、柴田南雄のシンフォニア、そしてこのチャイ4となります。録音が残ったのは、これと、アイヴズです。アイヴズは日本初演だったようです。柴田南雄の録音は残りませんでした。柴田南雄さんの書いたものを昔、読んだと思います。練習に行ってみると、ストコフスキーは作曲家に、テンポやバランスなどをていねいに聞き、結果として極めて正統な演奏になったということです。録音が残らなかったことは、ご本人が悔しがっておられました。どこかから出てくる気配はありませんが、2018年に、急に読響のベト7が出てくるくらいですから、今後、なにがあるかはわからないとも言えます。

チャイコフスキーの4番ですが、極めてストコフスキーの色の出たものとなりました。さすがです。ただし、この曲にかんしましては、やはり1941年のNBC交響楽団のすさまじいばかりの演奏がすごすぎて、他の演奏がかすんでしまう感じなのですよね・・・。もちろん、比較をしなければ、これはこれで立派な(ストコフスキーの)チャイ4であり、日本のオケでの貴重な記録ということで、愛でる価値のあるものです。

これについて1点。じつは、私の学生時代、おそらく2000年ごろ、NHKがこの演奏の最後の数分を、映像ありで放送したのです。私も抜かりなくVHSに録画しました。その番組は、その時代に日本に来た有名な演奏家の演奏を集めた番組であり、ほかにも貴重な演奏が多数、放送されたわけです。それにしても、この日本フィルのチャイ4のラスト数分は、奇跡の出来です。ストコフスキー・マジックが全開!です。極めて貴重!なぜフジテレビでなくNHKが持っているのかは知りませんが、とにかくNHKは交響曲全体の映像を持っているはずです。DVDにして売ってください!と、この四半世紀、思っていますが、どうもお蔵入りしているみたいですね。NHKにお宝が眠っているわけです。

続いて第6番「悲愴」です。ロンドン交響楽団の1973年のライブ録音です。ストコフスキーのステレオ再録音として、ビクターがレコーディングするのにあわせたと思われる演奏会のプログラムです。ストコフスキー91歳ですね。どうもすっきりしない出来ではあります。それはそのビクター録音にも言えます。もっとすぐれたストコフスキーの「悲愴」はありますので、いずれそのときにでも、とも思いますが、そもそも悲愴で、ストコフスキーよりすぐれた演奏はいくらでもある!と思ってしまいますね。ストコフスキー、この曲はかなり得意なはずなのに、なぜか、名演奏を残さずに世を去ったのではないか、という気もします。いい演奏ですけどね。

これが第4楽章から2枚目に行くところも、どうにかディスクの入れ替えがストレスにならない配慮はしてありますね。かつて私が持っていたムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキーの後期交響曲集では、第5番の真ん中で2枚目に行くのでした。それはストレスでしたよ。しかし、さすがに次のアメリカ交響楽団のライヴでは、そのようなことはしてなかったです。ありがたいです。

というわけで、アメリカ交響楽団の1967年のライブです。これが最高なのですね!先日の記事で「ゴージャス」と形容した演奏です。チャイコフスキーの交響曲第5番では、壮年期のすさまじい演奏と、このような後期のゴージャスな演奏とあるわけですが、近ごろの私はこの演奏が非常に気に入っております。やはりチャイコフスキー5番はこうでなくちゃ!と思わせられるツボにはまった表現のかずかず。これはすごいなあ。何度でも聴きたい、まさにCDで聴く名演奏です。さすがです。

この日は、ほかに、ラグルス(と読むのでしょうか、Ruggles)の「Sun Treader」という作品、ブロッホのシェロモ(ハーヴェイ・シャピロ、ソロ)、そしてこのチャイ5です。ラグルスの作品では、ストコフスキーは「オルガヌム」という作品をアメリカ初演(もしくは初演?)しています。これはバイエルン放送交響楽団のライブ録音ありです。この曲の録音はないと思います。ブロッホのシェロモは大得意な曲ですね。

最後に、ロイヤルフィルの1969年のライブの「1812年序曲」が入っています。これは前に書いたロイヤルフィルのロシアンナイトのライヴで、すでに書いた記事と重複した同じ音源です。しかし、とてつもない出来の演奏です。すさまじい盛り上がり!ただ、私はこのチャイ5のあとに聴くよりも、本来のロイヤルフィルの演奏会ライヴ録音のCDで聴くほうがはるかに好きですね。

以上です。これはいいですねえ。大好きなCDです!今晩こそしっかり眠れるといいなあ・・・。

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