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「人は見た目が9割」はうそ

 先日、玉木幸則(たまき・ゆきのり)さんをYouTubeで見ました。NHKの「バリバラ」に出ている玉木さんです。ものすごくおもしろい話でした。玉木さんは障害者で、私も障害者ですが、障害云々に関係なくおもしろい話でした。感想を書いたらきりがないほどですが、最も勇気をもらった点を書きます。玉木さんは脳性麻痺で、しゃべりかたが「いかにも障害者」です。そして、よく見ると、目つきが悪い(笑)。頭をふらふら動かすクセもある。繰り返しになりますが話は抜群におもしろいです。玉木さんはテレビの人気者です。ここから得られる教訓は、これだけ見た目で損をすると思われる人も、条件が整えば、話のおもしろさで受け入れられるというか、テレビの人気者にさえなれるということです。

 私は見た目があやしいです。目がどこを見ているのかわからず、体も曲がっており、第一印象が非常に悪く「なんだこいつ」というふうに見られます。マンションでも「あのご主人はあやしい」とうわさされているようであり、「見た目」で通報されたこともあるくらいです。それくらい私の見た目はあやしく、第一印象は極めて悪いです。しかし、(このnoteのフォロワーの皆さんが受け入れてくださるように)私は「受け入れてもらえれば」その能力を発揮できます。「受け入れてもらえなかったら」まったく発揮できません。いまの職場が続かないと思われるのも、まったく受け入れてもらえないため、まるで何も発揮できないからです。私は玉木さんに勇気をもらいました。話がおもしろければ受け入れてもらえる!

 『空想科学読本』という本のシリーズがあります。私は司書の経験もありますが、小学生や中学生に大人気のシリーズです。著者の柳田理科雄さんは1961年生まれです。ということは今年で60歳のはずです。読んでみると、たしかにその文体は昭和のそれであり、明らかに「60歳の人が書いている」ものです。しかし、小中学生に大人気。小中学生の人気者になるにあたって、いまどきの小中学生の流行り言葉で書かなければならないことはない証拠みたいなものです。

 私には絶対音感があるのみならず、世の中で流れている音楽のほとんどはメロディもベースラインもコード(和音)もすべて聴きとれており、すべて紙とえんぴつだけで書き起こすことができます。この意味で私は自分より耳のいい人に出会ったことはありません。(『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』という本によって、この才能が「数学の才能」や「発達障害」と関連があることがなんとなくわかりましたが、私もまだ言語化できていません。どなたか私を取材なさって論文をお書きください。※2022年5月29日の付記。これはサヴァン症候群というものだということがわかっています。自閉症の人にときどき見られる、数学や音楽の才能を極端に持った人。)その一環として、私は鼻歌を歌ってくれたらそれを楽譜に起こすのみならず適切な和音をつけて伴奏を書くことができます。しかし、私の書く伴奏の和音の進行のしかたは、おそらく「昭和っぽい」だろうと思います。もちろん私はほとんどあらゆる和音は聴きとれていますので、最近のポップスもすべて聴きとれておりますが「その発想はないなあ」と思うばかりです。でも、私のつける和音でも満足してくださる人はけっこうおられるのではないか。ひとことで言うとチャゲアスっぽいけど。(※これも2022年5月29日の付記。そんなことはありませんでした。私のつける和音は多くの人に好評でした。「久石譲みたい」と評してくださったかたもありました。最後にリンクをはります。)

 私の書く文章もそうです。おそらく「いかにも46歳の人の文体」だろうと思います。それはもう仕方がないです。私から加齢臭がもれるのが隠せないように、私の体が曲がっているのもどうしようもないように、「文体から加齢臭がもれている」だろうと思います。しかし、私は玉木幸則さんや柳田理科雄さんから勇気をもらいました。中身がおもしろければ受け入れてもらえるはず!と。

(リンクです。友人の鼻歌に伴奏をつけたもの。まず友人の鼻歌が流れ、その直後に私のつけた伴奏がmidiで流れます。トータルで3分半くらいの動画です。)


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