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夫、火打ち石を買う。

夫はよくネットで買い物をする。
買い物自体はかまわないのだが、
私は買わないようなものに手を出すので
びっくりさせられることが多い。

子どものためを思って買っているのか、
自分の趣味のために買っているのか。

その両方であるとは思うのだけれど
家の中にモノが増えるので私はたまったものではない。

一時期ハマったのはカブトムシ、クワガタといった甲虫類。
私なぞ見かけの違いで区別は出来るけれど
コアな部分の価値を理解できない。

最初はもらってきたり採りに行ったりした甲虫類。
元手はただだったのだが
エサ代やら土やらが必要とかで
それらもネットで購入。
お金がかかっていったし
家の中もどんどん狭くなっていった。

そして、その辺の山では捕まえることができないと
外国産の甲虫類を購入したときもあった。
しかも私には黙ってポチっていた。

発覚したきっかけは宅急便の荷物受け取りを私がしたから。
「今日荷物が届いていたけれど、あれって何?」
と聞くと、ばつの悪そうに白状した。
子どもを盾にごまかそうとしたこともあった。

後ろめたい気持ちがあるなら買わなければいいのに。
昆虫は採集してこそなのではと思うが違うらしい。


そして最近買ったのは火打ち石。

こちらも、事前に買うという報告はなかった。
届いた荷物から購入したことが発覚した。

火打ち石なんてその辺に落ちている石で構わないのではないか、
太古の時代にAmazonも楽天もなかったんじゃないの、と思うけれど
どうやら違うらしい。

マグネシウムが含まれているから貴重なのだとかなんとか。
マグネシウムが転がっているという話は確かに聞かない。
けれども、購入しなければないのか・・・。
なんでわざわざ火打ち石なのかと理解に苦しむ。

そして届いたものを見たらまたびっくり。
石ではない・・・。


ちゃんと家に届いたものと同じものが販売されていた。

ヤフオクで買ったからちょっと安い、
と自慢げに夫は話していたが
身近なところでマグネシウム含有量が多そうな石を探したほうが
よほどいい体験になるのではないか、と思ってしまう。
(そもそも火打石は何の目的で買ったのか
納得のいく答えはなかった)

実験開始

夫の遊びに飛びつくのは
まだ小学生の長男と二女。

中学生の長女は冷めていて
もう一緒にやろうとしない。
彼女が飛びついてくるのは
美味しいお菓子とかストプリくらいか。

家のベランダで息子が火を起こし始めた。

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やはり夫は子どもに火をつける体験をさせたかったのか。
しかし、それなら
現代版火打ち石でなくてもいいのに、と思う。

私はというと、なんだかんだ言っても気になってしまい
子どもたちの様子に見入ってしまった。

この火打ち石、なかなかすぐには火がつかない。
小さな火花がときどき出るけれど、
燃えやすいものにうまく火の粉を移さないと
燃え上がらないのだ。

10分くらい経っていただろうか。
私が少し目を離していた隙に
小さな炎が上がった。

子どもたちは大満足。
夫も満足したようだった。

出番よ、来ないでおくれ

それにしても、次の出番はいつだろうか。
災害の時には役立ちそうだけれど
それを使う日は来てほしくないと思っている。

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