手紙~拝啓15の君へ~の歳にあと少しでなってしまう

皆様は「手紙~拝啓15の君へ」という曲をご存じだろうか。
アンジェラ・アキの名曲であり、合唱コンクールの課題曲にも選ばれた素晴らしい曲である。

今回もほぼタイトルで落ちていてもうそろそろあの15歳から送られてきた手紙を読んで、歌詞のような素晴らしい返事を書かないといけないはずなのだが、いい年になって僕は15の頃の時と悩みが変わっていない……!

というか、歌詞を見てもらえばわかるが、15歳当時のアンジェラ・アキはとても聡明で深く悩むことができる女性だったのではないだろうか。少なくとも15歳のころの僕はいかに楽ちんに生きるかをぼーっと考えていただけで、ここまで深く悩むことはできていなかったと思う(女性と男性の発達の速度の問題もあるだろうし、また僕自身がぬるま湯で生きてきていることも関係しているだろうが)。

今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ歩けばいいの?

わかる。
まさに今がそうだ。25歳になって初めてやっと同じくらい悩むことができているような気がする。それに対して30歳のアンジェラ・アキは

今 負けないで 泣かないで 消えてしまいそうな時は
自分の声を信じ歩けばいいの

と返答している。この歌詞の本当に素晴らしいところは、15歳のアンジェラ・アキが誰の「言葉」を信じればいいの?と聞いているところに、自分の「声」を信じればいいのと返しているところだろう。これは僕自身が勝手に解釈している部分でしかないが、ここで言いたいことは所詮言葉は言葉でしかなく、結局信じれるのは自分の「言葉」ではなく、「声」であるということではないだろうか。

心理臨床の世界でも、クライエントがカウンセリングの中で悩み切っていろいろな思いをさらけ出したときにはじめて自分の内からの「声」が聞こえるようになるということはよく聞く。

このご時世難しいことかもしれないけれど、やっぱりぼーっとしながら自分の声に目を向けるという時間は取ったほうがいいのかもしれない。

今回の記事は随分とポエミーになってしまった。

#エッセイ #cakesコンテスト

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